Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

App Storeのレビューを改善 ☆一つの呪縛から脱却できるか

2011-02-27 19:07:33 | Thinkings

 iPhoneで利用するアプリはAppStoreからしか入手することは出来ません。それによって得られるメリットとしては、アプリの購入、インストールからアップデート、そしてアンインストールまで、全てiTunes上から行える手軽さが上げられると思います。そのやり方は、Androidマーケットなどと名を変えて、スマートフォンにおけるアプリ提供スタイルのスタンダードとなっています。

 ただ、ソフトの入手方法が一つしか無い、というのは相応のデメリットも伴います。つまり、そのマーケットでの評価がアプリの評価に大きな影響を与えてしまう・・・というよりも、それが「ほぼ全て」になってしまいます。つまり、5段階評価の1が初期段階で付いてしまうと、それだけで低評価のアプリというレッテルが貼られてしまい、利用者を自ずと遠ざけてしまいます。

 ・・・実は、私も経験あるんですよね。AppStoreでは無いのですが、作ったソフトに一番最初にレビューを付けた人が☆二つ。総合評価がそのまま☆二つになってしまいますから、見栄えが恐ろしく悪く、まあダウンロード数は言わずもがなです。

 それらの低評価が利用者の勘違いや悪意ある恣意的なものだとしたら、それを商売にしている身としてはたまったものではありません。
 その現状を変えるため、声を上げた企業があります。

「App Storeのレビュー機能改善を」 エキサイトとジャストシステムが呼びかけ、開発者の賛同相次ぐ ITmedia

 typhonicsさんはエキサイトのブログで、カスタマーレビューについて「ユーザーの率直な意見を開発者がダイレクトに確認できる非常に優れた機能」である反面、ユーザーの勘違いなどによって事実と異なる情報を含んだコメントが掲載されることが「頻繁に起きている」と指摘。だがレビューしたユーザーに対して開発者側からアドバイスしたり、訂正したりする方法がないため、事実と異なるコメントが残り続け、「開発者・ユーザー双方にとって不幸な状況が一部で発生している」という。

 付けられた星の数までは操作出来ないけれど、勘違いや悪意あるコメントに対する防御策を提供できると言うことですね。対処療法となりますけれど、何もやらないよりはずっと良いですし、誠実な対応をするならば評価を上げる要因にもなってきますから、これまで以上に評価に対して敏感になっていくことが、開発者には求められるでしょう。ただし、その要望がうけいれられれば、ですが。

 システム上仕方ないことかとは思いますけれど、究極的な話としては、入手先が一つに絞られていることが最大の問題なんでしょうね。Androidのように入手手段がたくさんあるのが理想的なんでしょうが、ワンストップサービスのメリットが薄くなってしまいますし・・・難しい問題ですね。


帰ってきたファミリーベーシック?「プチコン」

2011-02-25 21:40:21 | Digital Devices

 昔、ファミリーベーシックというものがあってだな・・・なんて言うと本当におっさんみたいですが、一応アラサーですから念のため。

 アラサーでもおっさんだろうという話は置いておいて、「ファミリーベーシック」とは、カスタマイズされたBASIC言語をファミコンで使えるようにした周辺機器で、取っつきやすいよう独自のグラフィック命令を用意したり、変数の管理を簡略化したりといった工夫をする事で、当時のコンピューターにあこがれていた子供たちの心をわしづかみにした製品です。
 安価で手軽にプログラムに触れられるという魅力を持つ反面、初代では2キロバイト、最後期の製品でも4キロバイトまでしかコードが書けず、作ったゲームの実行の為に使えるメモリは僅か4キロバイトしかなかったため、どう頑張っても「ちょっとしたゲーム」程度までしか開発が出来ないという、入門機以上になれなかったハードウェア上の制約により、2年ほどで市場から消えていったのでした。

 ちなみに発売当時、私はまだ小学生にもなっていませんでしたから、私がファミコンを手にしたときにはすでにブームは下火になっていました。余談ですが、私が中学生の頃に買ったマイコンベーシックマガジンにファミベのよっしんさんの作品が掲載されており、sスーパーファミコン全盛の今、まだファミリーベーシックが現役なことに大変驚いたものです。

 最終バージョンの発売から実に25年は経とうかという今、まさかまた任天堂ハードで、しかもBASICが復活することになろうとは・・・

ニンテンドーDSiウェア『プチコン』新発売のご案内 スマイルブーム

株式会社スマイルブーム(代表取締役 小林貴樹 本社:札幌市北区北9条西4丁目7番4号)は、ニンテンドーDSiウェア『プチコン』を、2011年3月9日より、任天堂株式会社の運営する「DSiショップ」にて発売することを発表いたします。

『プチコン』は、ニンテンドーDSi上で動作するプログラム言語「BASIC(ベーシック)」です。

 ううむ・・・Cだと「起動して即記述・即実行の単純さ」とは行かないし、ましてJavaやC#と言ったモダンなオブジェクト指向言語となると、流儀やオブジェクト指向の考え方まで気にしなくてはならないですから、入門用としてはBASICは良いかもしれません。
 いや、オブジェクト指向全盛の今でこそ、単純明快なBASICという選択肢を与えてくれるこのソフトは貴重なのかも!

 ちなみに、プチコンのオフィシャルページは、N88-BASICや前述のマイコンベーシックマガジンに反応してしまう人なら感涙ものの構成になってますので、それだけでも一読の価値ありかもです。

 しかし、懐かしいなあ・・・中学生の時にベーマガのプログラムを必死で打ち込んでいた記憶がよみがえるような。でもBASICに慣れすぎて、モダンな言語に移るのに苦労した覚えが・・・。ちょっと買ってみようにも、そもそもDSi持ってないし、ソフトウェアキーボードでの入力はすごく大変そうなんだけど・・・でも、何とも言えず魅力的ですよねえ。


イヤフォンにも「プラスワン」 

2011-02-24 20:56:30 | Thinkings

iPodを初めとするオーディオプレイヤーに、最初から付いてくるイヤフォン。ただ、そういう製品はオマケ的な要素が強く、聴ければ良い程度の音質である事がほとんどです。
ソニーなど数社では、そのイヤフォンを5,000円程度の定価で売っている自社製品にし、プレミアム感を狙うという戦略も出てきていますが、あくまでポータブルプレイヤーが主役ですから、そういうことをするのはよほど音に自信のある大手だけになっています。

家電店のオーディオコーナーに行くと、それら「最初から付いてくるイヤフォン」の置き換えようとして、ちょっといいイヤフォンが結構な数で並んでいます。値段も音の傾向も、デザインも様々ですが、やはり2,000円程度の手頃な値段で売られているもののラインナップが最も多いような気がします。高級なのはバリエーションも少ないですからね。

さて、そのようなバリューラインの製品で、他との差違を付けるにはどうするか?マズ考えるのは外見的なデザインですが・・・特殊な環境に最適化することで、他社との違いをもっと明確に打ち出したのが、これです。

ニンテンドー3DS用のカナル型イヤフォン、ロジテックから ITmedia

ロジテックは2月24日、ニンテンドー3DS用のカナル型イヤフォンとWindows用の音楽ファイル変換ソフト「Nero Music2Go for ニンテンドーDSi」(ネロ・ミュージック・トゥー・ゴー・フォー・ニンテンドー・ディーエスアイ)をセットにした「LHP-HP3DS10シリーズ」を 2月26日に発売すると発表した。任天堂製品との適合性が確認された正式ライセンス商品だ。価格はオープンだが、同社の直販サイト価格は1480円。

ここで、この製品が他社との差違として採用したのが、「任天堂のお墨付き」と「3DS・DSi用ファイル変換ソフト」の二点。このイヤフォンを買いさえすれば、3DSをすぐにポータブルプレイヤーとも使えるというのは結構な訴求点にならないでしょうか?

ゲーム機である3DS・DSiのアクセサリとして特化したからこそ、イヤフォンに音楽変換ソフトを抱き合わせに出来た訳ですが。本来はアクセサリであるイヤフォンにオマケを付けるというのは、ちょっと考えつかなかったですねえ・・・でも、価格からすると、ちょっと音質の方は期待できないかも知れないですね。


「板ばね」でコンピュータ?

2011-02-23 23:59:59 | Technology

今目の前にあるPC・・・だけではなく、携帯電話にテレビ、レコーダー、果ては掃除機や炊飯器まで、最近の家電にはほぼ集積回路が搭載されています。

これらは、半導体で作られた微細なトランジスタ等の電子素子を組み合わせて、様々な機能を実現しています。具体的にはAND、OR、NOT等の論理ゲートを組み合わせ、複雑な計算処理を行っているのですが、極論すれば、別に半導体を使ったトランジスタを使わなくても、論理ゲートさえ作ることが出来れば変わりに使うことが出来るのです。珍しい例としては、水を使った回路なんてのも存在しますし、電気の代わりに光を使った回路が将来的に有望だと言われているようですね。

さて、今回紹介するのは、半導体の代わりに「板ばね」を使うという、何とも荒唐無稽に聞こえてしまう画期的な新技術です。

マイクロマシン技術を用いたデジタル演算の新しい手法を開発 NTTニュースリリース

通常のコンピュータでは、最も基本的な論理演算であっても複数のトランジスタが必要ですが、今回NTTの物性科学基礎研究所が開発した手法では、マイクロマシン技術を用いて作製した厚さ1.4µm(ミクロン:1ミクロンは100万分の1メートル)という微細な板バネ素子をたった 1個だけ使い、周期的な電圧を加えて発生させた約10 nm(ナノメートル:ナノは10億分の1)の微細な板バネの振動に複数のデジタル情報を異なる周波数を用いて入力する事で、複数の論理演算を同時に実行することに成功しました。

技術の内容を見ると、正直「!」な内容が多いですが・・・いや、本当に画期的なんですよ。

要するに、半導体の論理ゲートの場合は「電圧」、電気が来ているか来ていないかで入力を制御していましたが、この板ばねの論理ゲートの場合は信号の入力を周波数で行っています。例に出されている、AND、ORゲートの動作例についてを確認すると、入力された二つの周波数について、両方とも入力されたANDの時、片方だけでも入力されたORの時に特有の周波数が出力されています。・・・これだけでもANDとORの二つの論理ゲートを一つの素子、しかも板ばねで実現しているという結果なんですけれど、恐ろしいことに、

今回開発した手法では、新たな周波数振動を次々と作り出すことで、20個以上のトランジスタを複数連結した複合論理回路と同等の演算機能を、たった1個の板バネ素子で実現しました。

なんてことも出来るそうです。むしろ周波数制御に大きなリソースが食われそうな気もしないでもないですが、将来に期待が持てそうな技術ですよね。

まだ基礎研究の状態ですので、製品化までには時間がかかるでしょうが、こういうニュースは、まだまだデジタル分野には伸びしろがある事を示しているようで、なんというかうれしいですね。


AMD Fusion APU、エントリー機市場を荒らせるか

2011-02-22 20:55:20 | PC

AMD Fusion APUと言えば、AMDがATIを買収したときからずっと言われ続けてきた「GPU内蔵CPU」が漸く形になった、初めてのCPUです。AMDはAPUって胃痛いみたいですけどね。登場したとき、このブログでも紹介しています。

これまで、省電力・低価格のエントリーマシンといえば、インテルのAtomの独壇場でした。しかし、いかんせんパワーに欠けるのは否めず、用途が大きく制限されていたのは事実でしょう。

そんな中、AMDが発表したFusion APUは、チップセット内蔵と考えると実にパワフルなGPUと、エントリー向けとしては十二分な処理能力をひっさげて登場。当初はレノボがノートPCのラインナップを発表したにとどまりましたが・・・とうとうデスクトップ製品もお目見えした模様です。

レノボ、AMD Fusion APU搭載の液晶一体型PC PC Watch

レノボ・ジャパン株式会社は、AMDのFusion APUを搭載した18.5型ワイド液晶一体型PC「Lenovo C205」を3月11日より発売する。価格はオープンプライス、店頭予想価格は50,000円前後の見込み。

と言う事で、液晶一体型のエントリー機のリリースが発表され、次はコンパクトデスクトップかな?と思っているのですが。

ただ残念なことに、インテルのSandy Bridgeに押されているのか、対応製品があまり出てこないのが悩みどころ。自作界隈でも大きな存在感を、とは行かないようです。やはりエントリー向けよりもメインストリーム向けにインパクトのある製品が出ないことには注目度は稼げないんでしょうねえ。

しかしながら、価格も安く、パフォーマンスもそれなりに稼げて省電力なFusion APUは、対応機器さえ増えて来るならば面白い存在になれると思うのですが・・・。全体的にPCの価格が下がる中、変な言葉ですが、「二台目としてのエントリー向けPC」という需要は確実に存在すると思うのです。「ヘビーユースはしない二台目でもそこそこのスペックは欲しい、Atomでは物足りない」と思っている層の受け皿にぴったりではないでしょうか。
ただ、インテルがAtomに大きなテコ入れをしてこなければ、という話なんですけれどね。


PhotoshopやIllustratorのファイル、Google DocsとGmailで表示可能に

2011-02-21 20:09:01 | PC

スマートフォンが台頭する中、PCを利用する最たるメリットは、その生産性にシフトしてきているのではないでしょうか。
大きなディスプレイ、細かい作業に適したマウスなどのポインティングデバイス、タッチタイプを余裕でこなせるキーボードに、豊富なオフィススイートや画像編集ソフトなど、スマートフォンやタブレットが閲覧に特化しているのとは実に対照的です。

さて、PCで作った書類やメディアファイルですが、最終的な形・・・PDFやJpeg形式のような、どんな環境でも開けるファイルならいいのですが、編集途中であるとか、よりクオリティが高い状態で保存したい場合の、個々のソフトウェア独自形式のファイルの場合、出先やセカンドマシンでいざというとき開かないと言うこともしばしばあったりします。

そんなときに、「とりあえず閲覧だけでも」という願いを、Googleがかなえてくれるようです。

Google DocsとGmailでExcelやPhotoshopファイルの表示が可能に ITmedia

Google Docs Viewerは、Google DocsにアップロードされたりGmailに添付されているファイルをクラウド上で表示できる機能。ユーザーのPCに対応するアプリケーションがインストールされていなくてもファイルを閲覧できる。これまで、PDF(.PDF)、PowerPoint(.PPT、.PPTX)、TIFF(.TIF)に対応していたが、新たに以下の12書式が追加された(かっこ内は拡張子)。

メールに添付したファイルの中身をダウンロードせずに表示できるほか、出先で開けなかったファイルをとりあえずGoogle Docsにアップロードして、緊急回避的に印刷するという使い方も出来そう。特にインストールが制限された環境だったり、急な打ち合わせの時には便利な機能となりそうです。

ファイルの展開や表示は全てクラウド上で行われるため、非力なPCやスマートフォンでも大きなフォトショップやイラストレーターのファイルを気兼ねなく開けるのは、なにげにうれしいかも知れません。要は、iPadやAndroidタブレットがより便利なビューワーになると言う事でしょうか。・・・ますます、PCとの使い方の差は広がっていきそうですね。


据え置きウィジェットデバイスって必要?

2011-02-19 23:59:59 | Digital Devices

普段の生活の中で、「情報を取り出すためのディスプレイ」というのは身の回りにずいぶんとたくさんあるものです。

しかしながら、それをざっくりまとめるとすると、リビングのテレビ、PC、そして携帯電話となるのではないでしょうか?これら3つのディスプレイについて、以前マイクロソフトも言及していたはず。
これらの三つのディスプレイの占有率を奪い合うというのが、最近のコンシューマー向けITビジネスのざっくりした目的になっていますけど、一部では「第四のディスプレイ」を模索する動きもあるようです。例えば、iPadとかKindleなどのタブレットとか電子ブックリーダーがそれではないでしょうか。

ところで、先の三つのディスプレイ以外のデバイスと言えば、日本ではマイナーな存在ですが、Chumbyというプラットフォームがあります。これは、タッチスクリーンを搭載した小型の据え置きデバイスで、iPhoneやAndroidのアプリのような形でウィジェットを登録しておいて、Twitterのタイムラインや天気予報、どこぞのライブカメラの映像、写真のスライドショー等を表示できるというもの。最近では、Androidを搭載したフォトスタンドとのあいのこのようなものや、先のChumbyそのもののようなデバイスが登場してきています。

Androidベースのウィジェット・ディスプレイ Webby engadget

Avantis社の Webby は「革命的に新ガジェット」を自称する小型の無線LANデバイスです。インターネットラジオやニュース、メール、フォトアルバムなどのウィジェットをあれこれ盛り込み、タッチパネルで操作できるようになっています。

例えばこんなのです。
でも、改めて見て思うんです。こういうデバイスって必要?

というのも、こういうデバイスが欲しい人は大概スマートフォンを持っていると思うんです。また、店舗での案内だとか、ホテルでのルームサービス用端末として使うつもりなら、それこそタブレットで良いでしょうし。特に据え置き、スマート目覚まし時計をつかう必然性が見当たらないです。Chumbyも初めて知ったときは「画期的かも」と思ったのですが、普及のスピードが遅かったですね・・・

というわけで、「スマート目覚まし時計」は普通に携帯電話に任せておけば丸く収まると思います。WiFiを活用した屋内のみ端末なら、画面の大きさがとれるタブレットで良いでしょうし。・・・ちなみに、Chumbyは日本での代理店が扱いを中止ちゃってますが、Androidマーケットからアプリ版をダウンロードできる模様。使用気分を扱いたい方はダウンロードしてみてはいかがでしょうか?


タブレットが出ないのはAppleが部品を買い占めたから?

2011-02-18 23:21:27 | Digital Devices

何度も書いているように、今、世間はタブレットブームに沸いています。少なくともそのように見えます。連日のように発表される新製品、華々しくデモされるHoneycomb。iPadが拡大した市場は、ノートPCを食ってしまう勢いで成長を・・・していくはずだったんです。

でも現実は少し、いや、だいぶん違います。というのも、タブレットデバイスがそもそも市場に出てきていないんです。

そんなわけはない?では、手っ取り早くそれを実感できる証拠として、価格.comを見てみましょう。iPadを初めとするタブレットはPDAのカテゴリに何故か収まっていますが・・・2月18日現在、登録されているのは僅かに50種。そして、その中にはポメラやviiv、NECの”復活のモバイルギア”ことLifetouch Noteなど未発売のデバイスも含まれます。
そう、発表はされているのですが、実際に発売されている個人向けデバイスは数えるほどしかない・・・というのが、タブレットの現実なのです。

では、何故このような状況が引き起こされたのでしょうか?それについて、TechCrunchに面白い考察が掲載されていました。

タブレットが出荷されない理由 TechCrunch

今殆どのタブレットが7インチである理由。それは10インチの静電容量タッチスクリーンを Appleが買い占めてしまったか、そうでなければ少量注文では高すぎるほど価格を釣り上げたからだ。プレミア価格を払う以外に市場に参入する方法はない。

かのスティーブ・ジョブズ御大は、「7インチのタブレットは小さすぎる」と言っていましたので、7インチのタッチスクリーンの確保に動いていないというのは頷ける話。そして、iPodの時代から、アップルが他社では真似できないような大型発注によって価格を下げているというのも有名な話ですので、この話はあながち間違っていない・・・と思ってしまう、妙な説得力があります。

もしこれが本当で、10インチのタブレットが他社から「もう出ない」としたなら、なんというか、実に市場としては不幸でしょうね。iPad以外に10インチタブレットの選択肢がなくなるなんて市場に未来は見えませんよ。多様性のない世界は滅ぶか、そうでないならもろくなるものですからね。


ソニーがAndroidタブレットをリリースか

2011-02-17 20:10:13 | Digital Devices

世界的にタブレットの販売がブームになっている中、日本ではオンキヨーと東芝、シャープが発売・もしくは発売を表明している状態です。これに先日NECが「モバイルギア状の何か」を発表して加わりましたが・・・どうやら二社ほどメンバーが足りなくないですか?

その足りない一社ことソニーが、とうとう参入するという「噂」が聞こえてきました。

ソニーがAndroid搭載の「プレステタブレット」開発か ITmedia

ソニーがiPadに対抗する「プレイステーションタブレット」を開発していると報じられている。情報筋によると、このタブレットは「S1」というコードネームでAndroid 3.0「Honeycomb」、9.4インチディスプレイ、Tegra 2プロセッサ、デュアルカメラを搭載し、価格は600ドル程度。「PlayStation Certified」認定を受け、プレステ用ゲームをプレイできるという。9月に発売予定とされている。

プレステ携帯ことXpreria Playが発表され、他のAndroid端末にもプレステ用ソフトを提供していく事が分かった今、プレステタブレットといわれても特に驚くべきところはありません。また、スペック的にも目新しいものがないため、600ドルという価格が逆に割高に見えてしまうほどだったのですが・・・Engadgetの報道によると、どうやら最大のキモはその「形」のようです。

ソニーのAndroid 3.0タブレットは " S1 "、9.4型でQriocityやプレイステーション対応 engadget

 

最大の特徴は雑誌を折り返したような " wrap " デザイン。バッテリーなどを折り返しの膨らみ部分に収めることで:

  • 片手でも持ちやすく、重心がグリップにあるため軽く感じる。
  • 主要な内部部品やコネクタ類は折り返し部分に集中しているため、画面部分を薄くできる。
  • テーブルに置いたとき、画面を見やすくタッチタイプもしやすい傾斜がつけられる。
といった利点があるとされています。(タブレットではありませんが、形状としてはアップルの Magic Trackpad を想像すると分かりやすいかもしれません)。

すげーよソニーさん・・・。前にコンセプトで終わったネットブックの局面デザインもすごかったけど、こんどこそ現実なんですよね?

とりあえずものすごく実機を見るのが楽しみになってきましたが、これがコンセプトで終わらなかったとして・・・どうしてNGPは普通のデザインで落ち着いてしまったのかが残念でなりません・・・。


4コアTegraが登場 コードネームは某アメコミヒーローの本名

2011-02-16 23:59:59 | Digital Devices

私の世代からするともうちょっと前になるので、「カル=エル」とか言われても正直最初は分からなかったのですが。

NVIDIAは「今までの5倍速い」新しいTegra、「Kal-El」を発表しました。年内にはラインナップを置き換える見込み。
フルHD超のムービーを余裕を持ってデコードできるのはもちろん、ゲームで重要な3D性能も大幅に引き上げており、CPU、GPU共にバランスの取れた構成になっています。
また、単純なCPU性能に関しても、

5倍速い 4コア版 Tegra " Kal-El " 公開。8月にはタブレット、年内に携帯へ。 engadget

CPUの処理速度を測るCoremarkのスコアではTegra 2の5840も大きく凌ぐのはもちろん、Core2Duo T7200 の10136をも超える11354。消費電力についても従来よりもさらに効率化し、「HD動画の連続再生で最大12時間」と表現されています。

と、”現役でも通用する”デスクトップCPUを凌駕する性能を見せつけています。・・・まあ、Core2Duo T7200は2006年に発売されたロートルなので、なんで今更引っ張り出されてきたのか本人も分からないんじゃないですかね?Core2Duoは知名度のあるCPUなので、インパクトという意味ではありますけれど。

それでも、今ならARM版Windowsの開発を発表したマイクロソフトの意図がよく分かります。現在勢いがあるのは、x86ではなくARMであるという事実はもう揺るぎないものがあります。ふくれあがるスマートフォンの需要に押され、供給元も潤沢な開発リソースを注ぎ込めるわけですし、それをマスメディアもこぞって取り上げるものですから、x86は完全に影に隠れ、NVIDIAやクアルコムは、いつの間にかインテルと張り合うプラットフォーマーになってしまいました。
将来、TegraやFreescale、Snapdragon等のARMプラットフォームがデスクトップまで本格的に進出し、x86をサーバーの世界へ押しやってしまうという未来がこないとは断言できなくなった今、保険としてARM版のWindowsを開発するのは当然の措置でしょう。

今後、どうインテルが巻き返してくるか分かりませんが、MeeGoでx86スマートフォンを作ると言う計画をNokiaに袖にされてしまった今、やはりデスクトップとサーバーを盤石にするという選択肢しかないと思うのですが、ARMは「それ以外全部」ですからねえ・・・