Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

不揮発性の”キャッシュ”? 低消費電力に貢献

2011-06-13 23:59:59 | Technology

 原発事故があってから、日本全国津々浦々で節電への動きが高まっていますね。原発が止まり、電力生産量が落ちてしまうと言うやむを得ない事情もあるわけですが、節電が行き過ぎて産業が停滞してしまうのは避けたいところです。

 となると、今後は人間がこまめな努力をするのはもちろんのこと、産業を停滞させないために、より低消費電力な産業用設備を使っていくというは合理的な考えであると思います。
 その「低消費電力な産業用機器」は、更新の早さを考えると、やはりサーバーや端末といったIT系の製品というのは、世の中に早く新技術が行き渡りやすい→省電力化に貢献しやすいと思う訳です。

 ですから、こういう技術は大歓迎・・・なんですけど。

待機電力ゼロ・瞬時起動の電子機器実現へ前進 NECと東北大が新技術 ITmedia

 NECと東北大学は6月13日、CPU内で使用する「連想メモリプロセッサ」(CAM)で、既存回路と同等の高速動作と、データを回路上に保持できる不揮発動作を両立する技術を開発、実証したと発表した。不揮発メモリなどと組み合わせることでCPUや機器全体を不揮発化でき、待機電力ゼロかつ電源オンで瞬時に利用できる電子機器の実現に近づくとしている。

なんでも、CPUが利用するキャッシュの状態をそのまま保持することで、待機電力ゼロの状態でスリープが可能な端末が実現するとか。こまめに電源管理をすれば、データセンターで空調も併せて25%の節電になるとかいう話もあるらしいですけど・・・

 流行なんでしょうか?記憶する回路って。以前にも同じような話を紹介したような気がするんですよねえ・・・そのときは「状態を保持できるトランジスタ」だったはずですが、確かに状態を保持したまま電源を切ることが出来れば、処理待ち時間の電力量はゼロ。大きな前進です。
 ただ、それをやることで、さらに複雑な電源管理が必要になってくるんですよね・・・ますますコンピュータの開発について、敷居が上がってしまいそうですね。


Appleのクラウド音楽サービスiCloud・・・使いたい?

2011-05-30 23:59:59 | Technology
 以前に書いたこの記事で、
Amazonとどっちを使おうかなあ・・・

と淡い期待をふくらませていたGoogle Music。Amazonと同じく、クラウドストレージにユーザーのライブラリを保存して、デバイスごとに転送しなくてもストリーミングで音楽を再生できるというサービスです。
 このクラウドミュージックサービスに、本命とも言えるAppleが参戦してくるだろうと思われてきましたが、先日「iCloud」という名称でスタートするらしいという報道がありました。

 いわゆる、iTunesのクラウド版といえるこのサービス、他のサービスと違ってユーザーが全部アップロードしなくても、iTunesストアーの「在庫」に関しては流用がきき、さらに、ローカルよりも「在庫」のほうが高音質だったら、そっちを優先して流すというナイスなサービスに仕上がっています。

 ・・・ただし、有料らしいです。

 そこで、TechCrunchにはこんな記事が載っていました。
AppleのiCloudはあほらしい–あんなのiTunesの無料機能であるべき TechCrunch
ただ単に自分の音楽コレクションをインターネットからストリーミングできるだけのために、なぜ毎月会費を払うのか? それらの曲に関してはとっくにiTunesにお金を払ってあるのに、それをオンラインで聞くためにまた払うわけ? そんなの、あり得ないよな。なんとなんと、Google Muscのベータでは、すでにそれを無料でできるのに。

 同期は別に音楽データをコピーするだけではないですしね。ストレージに余裕があるなら、そこまで魅力的とは言えないかも。・・・有料なら。
 それに、自分で買った音楽を聞くために、さらにお金を毎月払うっていうのは非経済的。iTunesストアにある曲はそのままストリーミング出来るわけだから、Appleの管理するストレージの量は大幅に抑えられますし。

 ・・・そのためにレーベルに契約料を払っていたとしても、いちユーザーとしては付加サービスとしての提供が妥当だと思いますけどねえ。

通信キャリアに求められる大きな選択

2011-05-27 23:59:59 | Technology
 現在のモバイル通信で最も使われているのは、間違いなく3G、つまり第3世代通信方式と呼ばれるもので、俗にFomaとかWINなどと呼ばれているものです。
 
 しかしながら、フルブラウザやスマートフォンをガシガシ使うような用途であるとか、モバイルWi-Fiルータを使ってPCを使うような用途である場合、固定回線に比べると速度的に見劣りします。YouTube等のストリーミングサービスを受けるときにはなおさら。
 つまり、規格が時代的に力不足になりつつあるということです。

 それを受けて・・・いや受けずとも、世の中は「次の通信規格」を求め、通信キャリアは研究を続けるわけですが。
 ここで問題がひとつ。「どの規格を採用すべきか?」ということが大前提としてありますが、今のところは「LTE」という規格が本命視されており、ドコモはすでに「Xi」という名称でサービスを開始していますし、KDDI・ソフトバンク、そしてイーモバイルも採用を決めています。これによりSIMロックフリーの恩恵がより得られやすくなるという期待もされていますが、もう一つ、すでに普及が始まっている技術として「モバイルWiMAX」が挙げられます。
 実はモバイルWiMAXはLTEとよく似た技術で、機器の共通化によるコスト低減も見込まれていたりするのです。

 今後、キャリアに求められるのは、技術の取捨選択になりますけれど、それに関しての興味深い講演がありました。

ドコモとKDDI、UQが語ったLTE、そして4Gへの展開 ケータイWatch

KDDIでは、音声電話については既存のCDMA2000 1X網で、データ通信についてはLTEで行う。LTE圏外の場合でも、EV-DOエリア、1Xエリアに後方互換する。


 実はLTEには音声通話の規格は含まれないため、音声のやりとりについてもパケット通信を用いる必要があったのですが、KDDIはCDMA2000とのハイブリッド端末を利用することで、音声通話を3Gに投げるという方針を採用したことになります。また、UQ-WiMAX網の利用もしてますし、まさになんでもありです。

 このように、LTE一本ではなく、数種の通信規格を組み合わせることでパフォーマンスを引き出すという方法についても一般的になっていくかもしれません。ユーザーに取ってはよりつながりやすくなる一方、端末メーカーにとってはより悩ましい時代になるかもしれませんね。

Wi-Fiタップで節電を

2011-05-25 23:59:59 | Technology
 福島原発の事故は、現在進行形で生活に影を落としています。放射能の不安はもちろんですが、目下の大きな問題としては「電力不足」という、シンプルにして不可避の問題が横たわっています。盛夏に向けて、関東地方だけでなく、福島原発事故の余波を受けて浜岡原発が冷温停止となってしまった中部地方でも無視できない問題となっています。

 このような状況下ですから、当然節電対策に関しては全国的なムーブメントとなっており、当面は「如何にして節電をしながら快適に酷暑を乗り切るか」という軸で動いていく模様。屋上緑化や緑のカーテン、扇風機の併用による空調効率化、そして仕事時間のシフトなど、様々な取り組みが行われています。

 ところで、家庭での節電意識を高めるには、やはり今使っている電力を知ることが一番。リアルタイムで使用電力量を知るにはワットチェッカーが必要ですが、ここはもうちょっとスマートな方法を試してみるのも面白いかもしれません。

消費電力の“見える化”や電源ON/OFFの遠隔操作が可能な「iRemoTap」 RBB Today
「iRemoTap」は、電力消費量を無線LAN経由でクラウド上にアップロードすることで、電力の“見える化”を可能にするもの。またクラウドにアップロードされたデータは、特定のコンセントについての、時系列での推移などを各種グラフで確認できる。さらに無線LAN経由で、タップのコンセント単位で電源のON/OFFをコントロールできる。

 大きめの四つ口タコ足コンセントにWi-Fiを搭載し、つながれている機器の電力管理をよりスマートにしようというコンセプト製品です。
 手軽にPCやスマートフォンで電力量の推移を見ることが可能になるため、節電意識や利用形態の検討に役立つ他、やはり気になるのが遠隔操作機能。
 特に電気カーペットやヒーターといった暖房器具、そしてエアコンがそうですけれど、「電源を切ったかどうか外出先で不安になる」ということはよくありますが、そうなったときにも、慌てず騒がずスマートフォンから電源を落とすことが可能になります。真夏に外から帰ってきたときに、部屋がひんやりしていてガックリすることを防げるわけですから、それだけでも買いですよ!

 ちなみにこの製品は参考出品という形で、今のところ商品化の予定はまだ無いとのことですが、一万円以下で提供できそうだという話もあり、商品化の可能性が全くないわけではなさそうです。なにげにデザインもソリッドで素敵ですので、なんとか買えるようにならないものかと思った次第です。

復活の標準電波

2011-04-23 23:59:59 | Technology

 あれは21日の夕方のこと。部屋の片隅の置き時計に「電波受信OK」のサインが出ていました。3月12日の大震災を境に停波してから、はがね山の60kHzはさっぱり拾わなかった個体でしたから、そのときは「電波の出力を上げたのかな?」程度にしか思っていませんでした。

 ところが、翌日に確認すると、私のG SHOCKに40kHzを拾ったと表示が出ているのです。福島原発の避難区域に指定されているはずですから、無人での運用が難しい以上、復旧は長引くだろう・・・と勝手に思っていたのですが、彼らはもっと自分の仕事に真摯でした。

おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)は暫定的に送信を再開しました NICT

 おおたかどや山標準電波送信所では、福島第一原子力発電所の周辺地域を対象に避難指示が出されたことを受け、標準電波の送信を3月12日19時46分から停止していましたが、必要な措置を実施し、4月21日13時54分に暫定的に送信を再開しました。

 公式ページのお知らせには「必要な措置」としか書いていませんでしたが、その必要な措置の中身は以下の様なもののようです。

情報通信研究機構 東日本の標準時刻電波、送信再開  日刊工業新聞

NICT職員や運用委託事業者など10人が現地に入り、遠隔で送信を停止できる装置や通信用の衛星回線装置を設置。機器の動作に問題はなく、無人稼働が可能になったことから約40日ぶりに再稼働した。

 無人運用に耐えるため、遠隔での操作ができるよう必要な措置を施した・・・と、だいぶん機能が拡張されたみたいですね。

 それにしても、ちょっと驚いたのが元記事のこの部分。

昨年の国内出荷量のうち、置き時計では約6割、腕時計でも約4割が電波時計だ。

 こんなにも電波時計のシェアって高かったのか・・・・。確かに時刻合わせ不要というのは、実に大きなアドバンテージだと思います。まず楽ですし、安心ですしね。その分、電池切れになっていたときのダメージは計り知れませんけど・・・

 とにかく、電波時計ユーザーにとってはとても明るいニュースですね。NICT関係者の尽力に感謝しつつ、今後も活用していきたいと思います。

 ところで、今後また、停波になったときのメモとして追記。これ以上長引くようなら・・・ともう少しでこのソフトを導入してアンテナ自作するところでした。

フリーソフト 電波時計用JJYシミュレータ のページです StarStoneSoftware Development Inc.

 PCから標準電波(40kHz)を出せるようにするフリーソフトで、確実な運用にはちょっとした工作が必要です。今後の保険として覚えておくと安心かも知れませんね。


正しい時刻補正の手段を増やすために

2011-04-03 23:59:59 | Technology

 地震の影響で福島の標準電波が停波してから早半月。・・・中部地方は、九州からの電波も届くと甘い見通しでいたのですが、そちらからの電波の方が弱かったみたいで、私の住んでいる地域では補正をしてくれないことが多くなってしまいました。

 月差15秒くらい良いじゃない・・・という話もありますけれど、やはり電波時計と言うからには、常に正確な時刻を刻んでいて欲しいもの。というわけで、標準電波が届かなくてもものともしない、この時計の存在が徐々に気になり始めました。

スマートフォンと通信できる“G-SHOCK” カシオ計算機プレスリリース

今回ご案内します“G-SHOCK”の新製品は、世界中で時刻を自動補正できる機能性を追求した、当社が次世代腕時計“スマートウオッチ”と位置づけるBluetooth® Low Energy対応ウオッチの第一弾です。
今年、市場に登場するといわれているBluetooth® Low Energy対応のスマートフォンと通信ができるので、スマートフォン側の時刻と腕時計の時刻が自動で同期します。また、スマートフォンは、タイムゾーンの異なる国や地域に移動しても現在地の時刻を自動で取得するので、腕時計も現在地の時刻に自動で補正します。

 日本に二カ所しかない標準電波発信源に比べ、インターネットはアクセスできる経路が圧倒的に多いです。そのため、対応機器さえ持っていれば、確実に時刻を補正できるというのは大きな強みになります。今回の様に電波が停波したときや、海外のようにタイムゾーンが変わったときも、標準電波に頼らないで時刻補正できるのは安心感と手軽さが違いう・・・と、実際に補正できなくなって初めて思いました。

 ただ、やはり初物ですから、ソーラー電波時計のような「基本的にメンテナンスフリー」というわけには行かず、ボタン電池を二年ごとに交換しなくてはいけません。近頃の時計にしては電池寿命がやや短めなのが気になりますが、常に無線通信を続けている以上、仕方ないことでしょうか・・・他にも、スマートフォンと連携して使える機能があり、本来からすればそっちの方がメインの機能なんでしょうけど。

 冷静に考えると、スマートフォンと常にセットで運用していかなくてはいけないわけで、思った以上に制約が多いかも。腕時計をする人がどんどん減ってきている中、キワモノで終わってしまわないことを祈ります。


Gmailの広告サービスが一歩前へ

2011-03-30 22:56:58 | Technology

 なんだかんだ言って、Gmailは非常に使い易いメールサービスです。無料ですし、容量は多いし、Webアプリでも使い易く、一般的なメールクライアントでも問題なく扱えます。要するに、制限が少なくてメジャーなんです。

 ただ、一般的な無料メールの例に漏れず・・・というよりも、Gmailこそがすでにスタンダードとも言えますけど、広告が表示されることがあります。その広告の表示方法は、メールの内容から最適なものを表示するというもの。例えば、その内容がソニーの「サイクルエナジー」とパナソニックの「EVOLTA」に関する激論だとしたら、サンヨーの「eneloop」の広告が表示されるかも知れないと言うことですね。・・・これは、悪い例。

 さて、このようなメールの内容から表示する広告を一歩進めた、よりユーザーを深く理解する広告システムが登場するとか。

Gmailがユーザの受信トレイから学習する広告システムを立ち上げ TechCrunch

Gmailが新しい、相当強力なものになると思われる、広告システムの準備を進めている。ユーザのメールの習慣からそのユーザの関心を読み取り、その関心に即した広告を表示するのだ。
-中略-
 たとえば友だちと料理についてメールで会話することの多い人は(それらの着信メールをちゃんと読んでいれば)、料理教室や料理道具(それらを売ってるお店)などの広告を見ることになるだろう。

 要するに、自分があまりメールを送信していないとしても、テック系のメルマガなど、ある程度偏った広告メールを受信していたならば、さらにそれっぽい広告が表示されると言うこと・・・?
 メール一つ一つの断片的な情報ならまだしも、メールボックス全体から傾向と対策を学習されるというのはあんまりいい気はしませんね。それによって、本当に必要としている広告が表示されたとしても、なんというか、眉をひそめる・・・いや、眉間にしわが寄ってしまうような気がします。

 「機械が読むだけで人の目には触れない」とは言え、逆に言えば「Googleの機械が全てのメールに目を通しています」と言っているのと同じ事。その気になれば様々なことに使われてしまいそうですから、本気でイヤだと思う人は早めに設定を切っておいた方が良さそうです。


Androidアプリを「店頭で試用」 アマゾンAppstoreがサービス提供へ

2011-03-28 23:59:59 | Technology

 iPhoneを使う上で、悩み、困ることはそんなに多くありません。しかしながら、使いこなすためには必須とも言えるAppストアを利用する時ほど「悩み、困る」事はないかも知れません。というのも、ほんの数点の画面写真と口コミだけで、出費を決断しなくてはいけないのですから。

 その状況はAndroidでも同じ事・・・だったのですが、アマゾンのAppstoreの提案がスタンダードになれば、今よりももっと安心してアプリを購入できるようになりそうです。

アマゾン Appstore にブラウザから試用機能 Test Drive 、EC2上の仮想Androidマシンで実行 engadget

先日開店したアマゾン独自のAndroidアプリストア Amazon Appstore は売価をアプリ開発者ではなく店側が決める、 Android端末がなくてもウェブから買えるといった特徴を備えていますが、さらにAndroidアプリをブラウザからその場で試せるというユニークなサービス " Test Drive " も提供しています。始めかたは対応アプリの商品ページにある " Test Drive " アイコンを押すだけ。4つのボタンを備えたAndroid携帯のモックアップがアプリを起動した状態で現れ、ボタンや画面をクリックすることで本物のアプリを自由に試用できます。

 アプリを購入することなく、ブラウザからアクセスできる仮想環境上で30分間お試しが出来る、というこのシステム。小粒のゲームやジョークアプリのように「30分」が長すぎたり、カメラや傾き検知のように仮想環境にないデバイスを使うアプリは試用できないという問題があるものの、とりあえず外観やもっさり感、ユーザーインターフェイスが「合うかどうか」をみるには最適でしょう。

 それなりに豊富なラインナップ、慣れ親しんだユーザーレビュー方式、すでに登録済みのクレジットカードに加え、試用環境の提供まで始まった今、もしかしたらAndroidのAppストアーは、本家を差し置いてアマゾンがスタンダードになる可能性も捨てきれなくなってきました。


Itaniumよ、さようなら?減り続けるベンダー

2011-03-24 23:59:59 | Technology

 当時、といってもそう遠くない過去のこと。サーバー用プラットフォームと普通のPC用プラットフォームは明確な違いがありました。具体的には、サーバー用とPCは、CPUのアーキテクチャがそもそも違ったのです。

 しかしながら、AMDのOpteronを初めとする、x86アーキテクチャを採用したサーバー用CPUの信頼性向上、性能向上による躍進に伴い、徐々にではありますがサーバー専用CPUのシェアが食いつぶされていくことになります。

 インテルの従来の流れをくむItaniumファミリーも、そのあおりを受けて苦しんでいます。
 というのも、まずRed Hatが2009年に、マイクロソフトがその翌年にItanium対応製品からの撤退を表明しているから。要は、サーバー用OSデベロッパーの相次ぐ離反を受け、窮地に立たされているというわけです。

 そんな中、また新たな離反者が出ました。しかも、今度はかなりの大口です・・・

オラクル、Itaniumチップ対応ソフトウェア開発の中止を決定 COMPUTERWORLD.jp

 Oracleが22日に出した声明には、「Intel経営陣と何度か話し合いを持った結果、我々はIntel Itaniumマイクロプロセッサ上で開発してきた全ソフトウェア・アプリケーションの開発終了を決めた。Intelの戦略的焦点はx86マイクロプロセッサに置かれており、Itaniumはまもなく寿命をまっとうすると同社の幹部らは言明した」とある。

 まあ、当のインテルは今後もItaniumを続けていくと言っている訳ですが・・・
 オラクルは、よく考えればSUNを飲み込んでいるわけですから、UNIX・Solarisサーバーに甚大な影響をもたらすことは必至。HPはサポートを継続すると言っているようですけれど、さすがにこれで終了かも知れませんね・・・

 今回の件に至る決定的なターニングポイントは、インテルがx86アーキテクチャのサーバー用CPU、Xeon 7500番台をリリースしたことで、x86ベースでも高信頼性が求められるサーバー用途の使用に耐える、とベンダーが判断したことにあるようです。結局、自社製品が自社製品の首を絞める結果になったわけですが、オラクルの話が本当ならば、インテルのシナリオ通りに事が進んでいると言えそうです。


福島原発は最悪の場合、どうなるのか

2011-03-21 23:59:59 | Technology

 連日、大震災関連の報道が続く中、福島原発の動向は関心事の中でも常に上位に食い込むものだと思います。

 毎日の様に「煙が出た」「放射線量は~マイクロシーベルト」などという単純な事実のみの報道は、いたずらに不安をあおる様に思えてなりません。その中で、「今後最悪の場合に起こること」について、かなりわかりやすい記事を見つけましたので紹介します。

「最悪のシナリオ」という脅しに騙されないために ガジェット通信

3月15日に個人的に知りあった原子力関係者の方たち、さまざまな分野の友人に声をかけて、メーリングリストを立ち上げました。私が最も信頼し、共にダイアローグ研究会を立ち上げた、原子力の技術者である東北大学の北村正晴先生は仙台で被災したために連絡が取れませんでしたが、15日にやっとメールを交換できるようになりました。それで、先生を中心に意見交換ができるような場を作ろうと思いした。

 作家の田口ランディ氏がメーリングリストで意見交換をした内容をまとめた記事です。中身をはしょって結論を紹介すると、燃料棒が融解して格納容器の底部にたまり、再臨界に達したとしても、チェルノブイリのような爆発的現象は起こらない。よって、

苫米地さん(編註: 苫米地英人さん、脳機能学者)のブログで引用されている「1つの原子炉がメルトダウンしても、被害が出るのは50キロ圏内。2つ以上の原子炉がメルトダウンしても、被害はあまり変わらない。現在の20キロ圏内の避難勧告は、妥当な判断。」という記述は理にかなっていると考えます。

 この内容の真偽は、元のガジェット通信に寄稿されている記事を読んで判断していただきたいですが、個人的にはわかりやすく、納得できる記事でした。デマや必要以上に不安をあおる記事よりも、遙かに有益であると判断します。

 ただ、この記事内容をそのまま受け取るとしても楽観視は出来ません。再臨界に達した場合、事態の長期化は避けられませんし、メルトダウンした場合、原発の50キロ圏内は「期間不定で使用できなくなる」ことは避けられません。また、風評被害による地域経済への打撃も大きな不安材料です。
 何より、「放射能漏れ事故を起こしてしまった」事による、原子力行政の先行き不安と、単純に東電の電力需要の3割を担う福島原発の停止による経済活動の停滞と代替手段の確保問題は、今後の最大の懸念材料と言わざるを得ません。

 やはり、正しい情報を知ることの重要性は凄まじいものがあります。なんというか、この1週間は、それを痛感しっぱなしでしたね・・・