世の中には様々なニュースソースが存在します。テレビのニュース番組、新聞、雑誌、そしてネットの中には大手新聞社が運営するネットニュースや、ベンチャーがやっているブログスタイルのニュースなど、その数はごまんと存在しています。狭義においては、ほぼ孫引きオンリーとは言え、ここCafe de Kermもニュースサイトの一つでしょう。
私はこのブログをやっていることで、普通の使い方をするよりもずっとネットニュースにお世話になっています。それこそここ数年、毎日お世話になりっぱなしです。
これらのニュースを利用して様々な記事を書いているわけですが、こういうネットニュースの良いところは、引用をしたときに元記事に手軽にリンクが張れる点。自分の書いていることの根拠を簡単に示すことができますし、大手新聞社の記事はそうでもないですけれど、数年前の記事でもサーバーに残っていることが多いですから、元記事の全文も参照しやすいのは大きな利点です。
そんなわけで、こういう事が実際に起こると、私はいろんな意味で困ってしまいます。
ニュースサイト有料化で「読まなくなる」が9割、アイシェア調査 INTERNET Watch
無料のニュースサイトを見ていると答えた525人に対して、有料化したニュースサイトの購読を続けるかどうかを尋ねたところ、69.7%が「続けたくない」と回答。「どちらかというと続けたくない」(26.3%)をあわせると、96.0%と9割以上が「続けたくない」と答えた。
情報はタダ、とは言いませんし、有料の情報の価値を軽視するわけでもありませんが、ネットニュースの手軽さが大きくスポイルされてしまいますので、私は非常に困ってしまいます。すべてのネットニュースが有料化したなら、自ずと情報を得るサイトを絞り込まざるを得なくなりますし、引用も難しくなりそうです。また、有用だと思うページにリンクを張ろうにも、ユーザーがそのサイトと契約しているかは常に不明ですので、おいそれと出来なくなってしまいます。となると、得てきた情報を元に、すべて一から書かなくてはいけませんから・・・まあ、それは別に良いですけど、情報を広げるのが難しくなってしまいます。
まあ、一つや二つなら、そこの記事を避ければ良いだけの話。もし、ネットニュースを有料化するような動きが出てきたとしても、数社が裏切ればたぶん破綻するでしょう。それくらい、インターネット上のネットニュースは無料化が当たり前になってしまっているんです。
ですから、今あるありふれたニュースサイトを「有料化するのどうか?」という話ではなくて、「金を取れるニュースとはどういうものか」という質的変換が起こらない限りは、ニュースサイトの有料化は失敗するのではないでしょうか。
私が有望だと思うのは、「ニッチ」とか「ディープ」とは言われるもの。とにかく対象を絞って、狭く深いニュースを継続的に配信出来るニュースサイトなら、価値を見いだすユーザーは必ずいるでしょう。例えばデザイナーズ家具のみを扱ったニュースサイトとか、高級機械時計のみを扱ったサイトとか・・・えーと、こっち寄りだと、携帯電話のみを扱うニュースサイトとか、テキストエディタのみを扱うニュースサイトとか。DTP日報とかプログラム言語最前線とか入力デバイス専科とかですね・・・あー、最後の二つ。本当にあったら読みたいですねー。