Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

ウイルスバスター、検索にクラウドを導入

2010-08-31 23:59:59 | Technology

 IT関連ビジネスワードの中で、昨年あたりから継続的に高値安定しているものと言えば、間違いなくクラウドでしょう。かのGoogleからamazonまで、様々な企業が大なり小なり参入していますが、その活用の仕方は様々です。・・・というか、やや乱用気味というか、何でもかんでもひっくるめた、耳障りの良い言葉・・・マジックワード的な使われ方をしている様な気がしています。ネットの向こうで処理すれば確かに「クラウド」ということで、わかりやすいと言えばそうですが、何らかの形で言葉の細分化や整理をして行かなくてはいけない時期ではないでしょうかね?

 さて、そのクラウドの波はセキュリティソフトの分野にも押し寄せておりまして、ノートンやマカフィーと共に最大派閥を形成するウイルスバスターが、メジャーセキュリティソフトウェアの中ではいち早くクラウドを導入しました。

クラウドで安全で軽く! トレンドマイクロが「ウイルスバスター2011 クラウド」発表  日経トレンディネット

  企業向けのウイルスバスター2010で実装した「スマートスキャン」を一般消費者向けにも採用して、安全性と軽快動作を両立した。スマートスキャンは、クラウド上のデータベースを参照してウイルスを検出する方式だ。パソコンの中の定義ファイルなど約80%をクラウド上に移行することで、パソコンの動作が重くなるのを防いでいる。

 市販のセキュリティソフトでは、F-SecureKingSoft Internet Securityが同様にクラウドを導入していますので、今後はクラウド導入がブームになる可能性があります。ちなみに、ノートンの2011年度版は違うみたいです。

 ウイルスバスターでのクラウドの使い方は、パターンファイルの80%をサーバーにおいて、マッチングをサーバー上で行う事。これによって、ローカルへのインストール容量の軽減や、ウイルス検索時をサーバーに肩代わりさせることによっての動作の向上が見込まれるとのこと。

 「回線が切れちゃったら無防備になる」とかいう考えが頭をよぎりましたが、「そもそも回線が切れたら脅威にも接触できない」という事実に気付き、このクラウドの使い方は理にかなっていると今更ながら思った次第。とりあえず、まだウイルスバスターの有効期限が残っていたのでサクッとアップデートしましたが、元々そんなに重く感じてはいなかったので、体感では特に違いは分からないです・・・

 ところで、「80%はクラウド」ということは、当然ローカルでも20%分は仕事をするわけですから、クラウドとローカルのハイブリットで動作ということ。このように、市販のソフトウェアで「肩代わりできるところはクラウドで」というハイブリット型のアプリケーションは今後増えていきそうな気がしますが・・・「フォトショップでフィルタだけはクラウド処理」なんていうことになったりするんでしょうか?うーん、なんとなくイヤかも知れない。なんとなく。


もういちどさようなら、ATI

2010-08-30 20:00:48 | PC

 2006年10月25日、PC界隈で大きなニュースが生まれました。「AMDによるATIテクノロジーズの買収劇」です。これによってATIはAMDの傘下に入ったものの、これまで通りATIブランドでグラフィックカードを作り続け、NVIDIAと熾烈なシェア争いを繰り広げていました。

 しかしながら、その日々にも終わりがやってくるようです。・・・AMDがATIブランドの終息及びAMDブランドへの統合を発表したからです。

AMD、今年中にATIブランドをAMDブランドに統合 PC Watch

 米AMDは30日、ATIブランドを今年中にAMDブランドに統合すると発表した。

 AMDは2006年にATIを買収。以降も、GPUなどには「ATI Radeon」などとATIブランドが冠されていた。ブランド統合後、製品ブランドやロゴからATIの文字が消え、AMDが取って代わる。

 同社は近く、GPU機能をCPUのダイに統合した「Fusion」プロセッサを投入する予定。

 この戦略は、引用の最後の部分、GPU統合CPUの誕生による部分が大きいと思われます。CPUとグラフィックスで別れていたブランドを統合することにより、GPU統合CPU誕生に伴うブランドイメージの分化を食い止める必要があったのでしょう。「どちらに比重を置くか」というのは中々難しい問題ですし、ブランドの併記というのも誤解を呼ぶ恐れがあります。

 なお、RadionやFireProという製品ブランドはそのまま継続する模様。当分の間、GeForce vs Radionの構図は変わらないようです。

 ・・・しかし、IntelのCoreシリーズと言い、今回のAMDのFusionといい・・・ある程度の性能を持ったGPUを統合するCPUが主流になってくると、グラフィックスカードは一部のエンスージアストとゲーマー向けの、非常にマニアックな製品になってしまうんでしょうかねえ。自作PC市場がそもそもマニアックだという意見はさておいて。今回のブランド統合の件でそういう流れが加速しそうな気がしますが、なんというか、それはそれで寂しい気がしますねえ。


ようやくスタートラインに立ったドコモのスマートフォン戦略

2010-08-29 23:16:05 | Thinkings

 なにを今更、という話なんですけれど、一般的なケータイとスマートフォンは違います。電話をかけられるところは一緒ですが、パケットの使い方、搭載しているソフトウェアが全く違うんです。

 その最たる例が、メール。ケータイは各社が別々の仕組みを使ってサーバーと通信している関係上、同じEメールとは言えスマートフォンに実装する事が難しかったんです。そのため、スマートフォンに乗り換える際には、同じキャリアでの機種変更にもかかわらずメールアドレスの変更が必要になるという不便な事情があったのですが・・・

 iPhoneを擁するソフトバンクは、早い時期からsoftbank.ne.jpアドレスが使用できるようアプリを開発しました。私はiPhoneでソフトバンクに乗り換えたので、ほとんど使っていないのですが。
 また、auはスマートフォンへの参入が最後発だったこともあり、最初からezweb.ne.jpドメインのアドレスが使える状態にして出荷しています。

 残るは業界最大手のドコモだけだったのですが、ようやくドコモでも従来のアドレスが使えるサービスが始まる模様です。

ドコモ、スマートフォン向け「spモード」を9月1日に開始 ITmedia

 NTTドコモは8月27日、スマートフォン向けISP「spモード」を9月1日(午前9時)に開始することを発表した。spモードでは、「@docomo.ne.jp」のメールアドレスを利用できるのが大きな特徴。このほか、スマートフォンで購入したコンテンツ代を毎月のケータイ代と一緒に支払える決済サービスや、「メールウイルスチェック」「spモードフィルタ」「spモードフィルタカスタマイズ」などのアクセス制限サービスも提供する。

 このspモードが開始されることによって、ドコモの通常のメールアドレスをスマートフォンでも利用できるようになります。この際、新規でアドレスを作るのではなく、これまで使っていたものを引き継ぐことも出来る様になります。
 これによって、「メールアドレスを変えたくないないからXperiaに移行するのを躊躇していた」ような予備軍の背中を押す効果が期待されます。

 また、地味にiモードから改善された点として、この記事によると

iモードメールが送受信できる添付ファイルは最大2Mバイトだが、spモードでは最大10Mバイトのファイルが送受信可能。また、メールアドレスのあて先はiモードメールは最大5件だが、spモードでは最大100件を設定できる。

というスマートフォンならではの機能拡張はうれしいところ。特に、iモードメールが5件までにしか送れないというのは初耳だったので、使う人によって大きな機能改善かも知れません。

 このところ、iPhoneやAndroidの知名度のおかげでじわりじわりと普及を見せているスマートフォン。日本独自ケータイからの移行という点において、明らかに他社に対して遅れをとっていたドコモは、ある意味「ようやくスタートラインに立った」といえます。XperiaのAndroid 2.2へのバージョンアップも控えていますし、巻き返しを期待しましょう。


普通のテレビをニコニコ実況対応にするセットトップボックス

2010-08-27 21:21:38 | Digital Devices

 ニコニコ動画の会員になって久しいですが、最近はどんどん見る時間が無くなって来て寂しい限り。ランキングもしばらく見ていないですねえ・・・

 しかしながら、間違いなく動画中に流れるコメントのリアルタイム性は面白いです。この場所、この場面ごとに、それにそったコメントが流れますので、見ている時刻は違っても、そのシーンに対する一体感みたいなものを感じられるのは今でもすごい発明だと思っています。

 また、テレビの放送に合わせてコメントを書き込めるサービス・・・テレビを「別で」見ながら、画面の映っていないニコニコ動画に描き込むというサービスがありますが・・・その「実況」をテレビ画面にオーバーレイ表示するセットトップボックスが発売されるようです。

『ニコニコ実況』をテレビで楽しめるフルHD対応『デジタルテロッパ』発売へ ガジェット通信

『デジタルテロッパ』は、DVDレコーダーやCATVチューナーなどと家庭のテレビの間に接続し、インターネット経由で取得した『ニコニコ実況』のコメントをテレビの映像にリアルタイムで重ね合わせて表示できるネットワークライブテロッパ―。HDMIに対応した完全デジタル方式で、フルハイビジョン画質(1920×1080)のままで、テレビ画面上にコメントなどの文字情報をスムーズに表示できます。

 つまり、リビングのテレビにニコニコ実況のコメントが、ニコニコ動画そのままに被さって表示されるわけですね。ニコニコ実況と違って二つの画面を見比べる必要が無いですから、より没入して楽しむことが出来る訳です。ニコニコ動画を日常的に視聴していて、コメントのない動画が物足りなく感じる場合はマストバイアイテムだと言えそうです。

 そうでないなら・・・ちょっと高いかなあ・・・。通常価格1万9800円、特別価格1万2525円を出す価値があるかは、人によって大きくばらつきがありそうですね。また、コメントが投稿できない、弾幕には対応しない(同時に3行まで)という制限もネックになりそうではあります。無線LANも搭載していなさそうですし。

 ただ、「テレビに機能を付加する」という点に加え、「リアルタイムで見る番組をより面白くする」というところは、今の「HDDレコーダーにとりあえず録画する」「タイムシフトって便利」という風潮にあえて対立するものですから、テレビ関係者も注目してよい商品なんじゃないですかねえ。


家庭の電力消費量を70%カット 大胆な省エネ政策

2010-08-26 20:55:51 | Thinkings

 今年の夏は本当に暑いですね・・・。例年は極力クーラーを使わずに過ごしていた私ですが、今年はさすがにムリでした。もともと暑いのには耐性がある方で、これまでだと寝るときは常に扇風機だけだったんですがねえ。
 暑くて目が覚めるなんて本当に久しぶりだったのですが、それがほぼ毎日。そもそも寝付けないですし。クーラーを使わないと汗が止まらないなんてことも珍しくない、本当に酷暑ですね。しかも、8月が終わるというのに、もうしばらく暑さには悩まされそうです。・・・かといって冬は嫌いだしなー。

 クーラーを初め、空調機器を本格的に使い出す季節になると、心配なのが電気料金。「快適さよりもちょっとした不便」の空調節約も今年はもろくも敗れ去りましたし、この夏は相当な電力消費量になっているようで恐ろしいです。そして、一世帯ごとではなく、地域全部で考えたなら・・・それはもう、とんでもない量の電力増なんでしょうね。

 水の汚染もそうですけれど、電力消費量も、家庭での消費が最大の割合らしいですので、一世帯がちょっとずつ努力すれば、数の力でかなりの効果を上げることが出来ます。そこで、ポスターとかTVCMによる「促すだけの」方法ではなく、もっと効果が出る形で家庭の電力消費量を下げていこうという試みがアメリカでされているようです。

米国地域プロジェクト紹介:電力利用料モニターと太陽光パネルを利用すれば、電力消費量の70%をカットできる TechCrunch

プロジェクトでは、各家庭のエネルギー効率を調査し、そして新しい管理システムを導入してその効果を確認するということを目的にしている。GEによれば各家庭の電気料金は70%削減することができるのだという。30%は利用状況をモニタリングして調整することで、そして40%は太陽光パネルの導入により可能になるのだとのこと。アメリカの平均的家庭における電気料金は年額1,240ドルとなっている。GEはここから850ドルが削減可能だとしているわけだ。

 70%とは大きく出ましたが、うち40%は太陽光パネルの分。要するにブースト分です。・・・むしろ、アメリカの一般家庭が太陽光パネルを付けても40%しか電力をまかなえないという方が驚きですわ。で、残りの30%は、電力使用量をモニタリングする事で減らす・・・要するに、ユーザー自身が「ムダを認識して」減らすという、しかもそれを地域全部でやるという、本当に画期的な試みです。

 そして、この試みが「いけそうだ」と思うのは、スマートメーターと組み合わせた電源管理ガジェットの存在。

またGEが提供するオンラインダッシュボードには、各家庭のリアルタイムでの電気利用状況が過去データとともに表示されるようになっている。何が大量の電力を消費しており、またその機器のスイッチを切ったりオフピーク時間に利用するようにすることで、どの程度の効果があるのかを簡単にチェックできるわけだ。GEはモバイル機器からも情報にアクセスできるようにしたいとしている。

やはり、「今どれくらい使っているか」「これを使うとどれくらい増えるのか」を可視化することで、ユーザーのモチベーションや危機意識、そしてコスト意識を電化製品の利用に求められるというのは、電力節減に対して本当に効果的だと思うのです。

 水道や電気という基本的なインフラは「あって当たり前」そして「使い放題」ですから、「どれくらい使うといくらか」というコスト意識がすっぽりと抜けてしまって、ただ月末の請求書を見て「高いなあ」とか思うだけになっている様な気がします。それから脱却する事こそが、家庭での節約・ひいては地域の電力使用量の節減につながります。そのための試みとしてリアルタイムでの電力使用量チェック・・・えーと、「見える化」でしたっけ?これを日本でもやることで、非常に大きな効果が見込めると思いますよ。

 家電業界にとっても、省エネ家電への買い換えが促進できると思うので有効だと思うんですけどね。国策としてスマートメーターへの置き換えを支援するのは、「次の公共事業」として道路を作るよりも、子ども手当よりも有効だと思いますけどね。


国内勢頑張れ!東芝が”全部入り”Androidタブレットを準備中

2010-08-25 20:24:14 | Digital Devices

 昨年まではあんなにも猛威をふるっていたネットブックですが、今年に入ってからぱったり話題に上らなくなりました。特需に湧いていたメーカー各社としては、次の「柳の下のドジョウ」をゲットすべく、日々市場動向へと目を光らせているわけですが・・・中国のパチモノメーカーや台湾のPCベンダーの動きからすると、携帯電話以外の分野で大きな注目と売り上げをさらっているタブレット(※ただしiPadに限る)に照準を合わせているようです。

 とは言え、iPadをコピーするにもiOSが手に入りませんから、ベンダー各社がこぞって採用しているのがAndroid。何よりオープンソースで導入コストがかかりませんし、カスタマイズが最小限でもそれなりのパフォーマンスを発揮しますから、iPadに対抗できる低価格デバイスを作るのに最適・・・と言うわけです。元々モバイルデバイス用に開発されましたから、要求スペックも高くないですしね。

 このような流れの中、元気がないのは日本企業各社。Android搭載のスマートフォン端末はシャープやソニーがリリースしてきましたが・・・東芝がタブレットを投入するようです。まさに、満を持して。

東芝がAndroidタブレットを準備中、HDMI端子付き・Tegra 2採用? engadget

東芝のAndroidタブレットらしきものが、Notebook Italiaに掲載されています。Androidらしい4つの物理ボタン、スクリーン上部のウェブカメラっぽいものが見てとれるほか、続きに掲載した側面写真からはHDMIポートやUSBポート、ドッキングポートなども読みとれ、徹底的にポート類の搭載を見送った / 排除したiPadとは対極のデザインです。

 まだリーク情報の段階ではありますが、とにかく圧巻なのはポートがてんこ盛りであること。引用部分にあるUSBやHDMIのほか、SDカードスロットらしきものも確認出来ます。これだけあれば、拡張には困らなさそうですが、それらを搭載した分、やや分厚くなっている感は否めません。また、Tegra2が搭載される見込みと言うことで、HDMI出力に見合うHD映像再生が期待できますが・・・

 果たして、価格はいくらくらいになるんでしょうか?ここまで豪華仕様だと、いくらAndroidといえど結構なお値段が予想されますが、なんとしてもiPadを下回る価格設定でお願いしたいところ。また過当な価格競争に陥ってしまうのはこちらも御免被りたいですが、iPadの知名度を切り崩すには、当面の感は価格が大きな武器になる事は否めませんから。

 東芝がリブレットを発表したこと、そしてかつてのダイナブックがPCの世界にのこした爪痕はまだ消えていません。きっと。
 今度のAndroidタブレットも、「黎明期のマイルストーン」として燦然と輝くデバイスになる事を願ってやみません。

 ・・・本当に最近の東芝は輝いてるなあ・・・


とうとう出た!裸眼3Dテレビが東芝から

2010-08-24 21:10:04 | Technology

 やっぱりアバターの衝撃って大きかったんでしょうか。相変わらず映画館では3D映画がたくさん流れていますし、予告編でも3Dに力を入れている大作や人気シリーズの続編が多い模様です。

 また、ワールドカップでの買い換え需要が終わった今、テレビ各社の新たな目玉としての「3D対応」が大きくクローズアップされています。録画テレビはすでに珍しい機能ではなくなってしまったようですから、需要喚起の柱として、また2011年アナログ停波による買い換え需要への布石として、各社・・・具体的にはソニーとパナソニックがしのぎを削っています。

 しかしながら、それらの3D映像は例外なくメガネを必要とします。液晶シャッター方式にせよ偏光フィルタ方式にせよ、メガネをかけて適切な距離で画面に正対しなければ、うまく立体には見えません。それに、3D視聴用ガイドラインなる3Dテレビ用の視聴ガイドが発表されるなど、とてもじゃないけれど「気軽に3D」とは言えない状況です。
 このような状況は消費マインドを刺激できるはずもなく、現在3Dテレビの”販売シェア”は多くて3%程度だとか。・・・なるほど、普及率は誤差の範囲って事ですね。

 しかし、その状況も一変する可能性が出てきました。問題が山積する中、東芝から裸眼で視聴可能な3Dテレビが発表されたのです。

メガネ不要!裸眼で見られる3Dテレビ発売へ YOMIURI ONLINE

これまでの3Dテレビは、左目用と右目用の二つの映像を高速で連続して表示することで、見る人の脳内で立体的な映像を再現させていた。専用のメガネを使って、右目用の映像が映る時は左目が見えず、左目用が映る時は右目が見えなくなり、物の奥行きを感じる仕組みだ。

 東芝が開発した「インテグラルイメージング方式(光線再生方式)」は、角度が異なる多数の光を出すことで、専用のメガネがなくても、脳内で立体的な映像を再現することができるようにした。見る人が位置を変えても立体的な映像を楽しめ、画像も自然で目が疲れにくいという。

 裸眼で3Dに見えて、かつ、位置的な自由度も高い・・・正に革命的です。ながら見が出来ない、メガネが重いなど、これまでの3Dテレビが抱えていた様々な問題を一気に解決できる、実に魅力的な製品です。HD-DVDが負けたとき、これからの東芝はどうなっていくのか正直不安でしたが、最近の東芝はなんだか輝いているように見えますね!

 これで3Dテレビの普及にも弾みが付くか?と思ったのですが・・・ちょっとした落とし穴がありました。

 発売するのは、画面サイズ21型を中心に3タイプ。年末商戦に向け、準備を進めており、価格は数十万円になるとみられる。

 ・・・小さくて高いよ!
 
21インチだと現在の普及価格帯が4万円~7万円なのに数十万円!?うーん、間違いなく同社のCELL REGZAを買った方が満足度は高いような気がするのは、私の深層心理が3Dを求めていないせいなんでしょうか?

 家庭用の3Dコンテンツも正直さっぱりという深刻な問題もありますし、やはり後5年は普及に時間がかかりそうですね・・・


プライバシーを自ら投げ出す人々

2010-08-23 23:50:45 | Thinkings

 日本人は、欧米人に比べるとプライバシーに対する意識が低い(CNET)、なんていう話があります。なんでも、ネットでのプライバシー漏洩のリスクに対してブラウザの設定を変えるとかの対策をとらず、個人情報保護をサービス提供側に丸投げする傾向が強いんだとか。確かに、セキュリティ対策ソフトを期限切れのまま放っておくとか、プライバシー・・・と言うか情報セキュリティに対するコスト意識はずいぶんと低いような印象を受けますが・・・

 でも、こんな物を見てしまうと、それだけで本当にそんなことが言えるのか?と改めて疑問に思いますね。

Facebook友だちがあなたを見守っている ― 世界は1984に近付いたのか? TechCrunch

ジョージ・オーウェルの小説『1984』は、主役のウィンストン・スミスが「偉大な兄弟があなたを見守っている」と書かれたポスターを見ている場面から始まる。2010年、これが「FACEBOOKがあなたを見守っている」に置き換わるかもしれない。いや、「FACEBOOK友だちがあなたを見守っている」の方がいいかもしれない。Facebookでは、ユーザーの選択によって、現在位置を自分または友だちが投稿して、その情報を共有できるようになった。

 簡単に言えば、Facebookのアカウントと位置情報を紐付けるサービスです。許可さえするならば、Facebook上の友人たちは、その人がどこにいるかを「常に」把握することが出来る訳です。・・・ある意味、究極の駄々漏れじゃないですか?

 もともとFacebookを初め、アメリカにおいては実名でサービスを利用している人たちが多いです。Twitterにしろブログにしろ・・・そういう状況になれきってしまった一部の人たちは、「その人の名前で検索して、ブログやFacebookで人となりを確かめてからでないと、会って話をしたくない。どんな人か分からないから」なんて言っているほど。どんな人か分からないから会って話をするんじゃないの?そんな人たちと比べてプライバシーに対する意識が低いなんて言われたくないなあって、正直思います。

 でも、近い将来日本でも同じような事が起こるかも知れません。Twitterにはすでに位置情報サービスがあるし、Facebookは日本ではちっとも普及していないけれど、それをmixiやモバゲーに置き換えて見ると、今どういう状況にあるかすぐに分かりますよね。SNSのユーザーは、これまで以上に注意深く、サービス運営元の動向に気を配り、共有する情報やTwitterのつぶやきにも気を配らないといけない。当たり前の事ですけれど、サービスの利用が気軽すぎて忘れてしまう場合もあるでしょうから。

 自らの弱点であるとか、プライベートをさらけ出して他の人と共有するのは、連帯感も生むけれど、リスクも同時に生むことになります。自らが情報を簡単に発信できる今だからこそ、匿名文化を初めとする「情報のさらし方」について、小学校・中学校などの教育機関での学習も含めて考えていかなければならない時が来ているのかもしれません。


岡崎市の図書館HP閲覧不能事件に思うこと

2010-08-22 23:59:59 | Thinkings

 愛知県岡崎市の市立図書館で起きた”サイバー攻撃”に係る逮捕劇について、ネット界隈において予想外に余波が広がっている模様。事件の経緯を事の発端となった朝日の記事から引用します。

図書館HP閲覧不能、サイバー攻撃の容疑者逮捕、だが… asahi.com

 男性はソフトウエア技術者で、岡崎市立図書館から年に約100冊借りていた。図書館のホームページは使い勝手が悪く、新着図書の情報を毎日集めるプログラムを作り、3月から使い始めた。

 図書館には同月以降、「ホームページにつながらない」と市民から苦情があった。相談を受けた愛知県警は、処理能力を超える要求を故意に送りつけたと判断し、業務妨害容疑で男性を逮捕した。名古屋地検岡崎支部は6月、「業務妨害の強い意図は認められない」として起訴猶予処分とした。

 

と、ここら当たりが最も適当だと思いますけど、詳しくは元記事を参照してください。

 で、この逮捕の根拠になる「サイバー攻撃」というのが、「10分間にわずか1000回のアクセスを受けると落ちる」という「仕様」にそもそもの原因があったことが判明。さらに、システムの提供・保守を行っていた三菱電機インフォメーションシステムズはこの問題について当初から把握しており、かつ他市でも同様の案件があったにもかかわらず、図書館側に問題を伝えていなかったこと。その問題について新たに導入をした新バージョンのソフトウェアでは改修を行っていたことが分かっています。

 私の認識として、警察は被害届を出された以上、適切な措置(この場合は逮捕)を行わなければなりませんから、警察の対応については間違っているとは思えません。少なくとも、この取材記事[bROOM.LOG!]を読む限りはそう思わざるを得ないんですよね。では、どこにこの問題のキモがあるかといいますと、もちろん問題を把握していながら放置し、情報提供も怠っていた三菱電機インフォメーションシステムズにも大きな責任がありますが、この件の最大のキーは、このような認識しか持っていない図書館側にあると考えます。

図書館長「了解求めないアクセスが問題」 HP閲覧不能 asahi.com

「(男性の自作プログラムに)違法性がないことは知っていたが、図書館に了解を求めることなく、繰り返しアクセスしたことが問題だ」
ー中略ー
「図書館側のソフトに不具合はなく、図書館側に責任はない」

 そもそも、図書館側の出した被害届によって”誤認”とも言えかねない逮捕者を出し、後の展開によって「すでに明らかになっていたソフト側の不具合が原因」であると判明していたにもかかわらず、このような発言をしたことに対しては理解に苦しみます。また、そもそも違法性が無いという認識であったのに、一足飛びに被害届に至った理由も説明不足・・・というか、発言によって余計に分からなくなりました。

 とりあえず、図書館側・・・というよりも市が早急に行わなければならないことは、逮捕に追い込んだ男性に対して謝罪することだと考えます。いくらシステムに無知な文系の事務屋といえど、この期に及んでこんな発言が許されるはずなんて無いはずです。今後の展開、具体的には市側の誠実な対応を望みます。


○○のゲームが遊べるのはモバゲーだけ!

2010-08-21 23:59:59 | Thinkings

 様々な分野において、そのサービスなり商品なりが統合・淘汰され、市場が成熟していく過程において、少なからず起きている現象に「囲い込み」があります。

 自社の製品やサービスを使っている顧客に対して、他社にはない魅力的な特典や使い続ける事によるアドバンテージ、逆に他車に乗り換えることを防ぐ様な罰則を設けることで流出を防ぐ、「ユーザーの囲い込み」が一般的です。アップルならば、iTunesを核とするエコシステムを作り上げることで、顧客が他社製品への移行に障壁をもうけていますし、携帯電話キャリア各社は料金設定が格安になるなるプランに二年間加入を義務づけることで、乗り換えを防いでいます。

 これらを行う上において、重要なのが魅力的な何か・・・俗に「キラー某」と呼ばれるものですが、それを自社ブランドで提供できればそれで良いのですが、第三者の製品がそうなる可能性も多々あります。その場合、最も手っ取り早いのが生産者の囲い込みです。一番良い例が「鳥山明先生の作品が読めるのはジャンプだけ!」で有名な独占契約。有力な、顧客を引っ張ってこれる生産者を「囲い込んで」他社に渡さなければアドバンテージが取れる・・・と言うわけです。

 この生産者の囲い込みが、ケータイSNSの世界でも始まったようです。

[jp]モバゲータウンのオープンゲームの囲い込みが始まった! TechCrunch

さて、いよいよ始まった。何がだって。ソーシャルゲームの世界でのベンダーの囲い込みだ。

モバゲータウンを運営するディー・エヌ・エーは、7月下旬から8月上旬にかけてソーシャルゲームのプロバイダー(一般にはソーシャルアプリケーションプロバイダーでSAPと呼ぶ。以下SAP)などに対して、競合するGREEにソーシャルゲームを今後提供した場合には、モバゲータウンで提供するゲームにトラフィックを流さないと複数社に通達した。ただ、GREE以外のmixiなどにはゲームを提供してもいいのだという。

 モバゲーとGREEが仁義なき戦いを繰り広げているのはみんな知っていますけれど、それがもっと直接的な形で表面化して生きている現れですね。

 最近の流行として、これらSNSプラットフォームで動くアプリの仕様をオープン化し、ゲームを初めとするアプリを第三者が提供できるようなってきています。
 生産者としては、出来るだけ顧客にリーチ出来る方が良いに決まっていますので、WiiとPS3とXBOX360、オマケにPCでも発売して売り上げを稼ぐという、コンシューマーゲームにおけるマルチプラットフォーム戦略よろしく、様々なSNSプラットフォームで自社製品展開という形を当然とりたいわけです。しかしながら、モバゲー側が「GREEでソフト公開したら、検索でヒットさせないようにする」という制限を持ち出してきたというわけですね。まさに生産者の囲い込みです。

 元々サービス自体が似通っていますし、ユーザーにとってはアカウントを二つとるだけですから大した話ではないのですが・・・これが横行することによって、開発会社の青田買いに近い状況が生まれるような気がする一方、提供するアプリがはっきりと差別化されることで、ある意味市場の活性化につながらないかとも期待しています。よって、あんまりネガティブな印象は持っていませんが、これが広く公になったら、モバゲーのイメージダウンはある程度覚悟しなければいけないでしょうね。

 と、私はiPhoneがメインですので、二つとも全く使っていないのですがね。