Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

TransferJet、早々と商品化

2009-11-30 23:59:59 | Technology

 どんな技術でもそうなんですけれど、基礎研究から実用化のめどが立ち、実際の商品化までの道のりというのは本当に長いものです。例として、次世代メモリと言われるものが、このブログを始めてからでもいくつか発表されてきましたが、世間では相変わらずDRAMとNAND Flashが市場を席巻しています。また、SEDや大型有機ELディスプレイ、指向性スピーカーやフェムトセルなど、市場投入を期待されながらも足踏みを続けている技術はいっぱいあります。

 その中で、異例とも言える早さで市場への製品投入を果たした技術があります。

ソニー、世界初「TransferJet」規格対応のLSI @IT

 ソニーは2009年11月30日、近距離無線伝送技術「TransferJet」規格に対応したLSI「CXD3267AGG」および「CXD3268AGW」を商品化したと発表した。今月より出荷を開始し、サンプル価格はともに1500円。

 TransferJetの開発発表が2008年1月7日。パナソニックや東芝が加盟したコンソーシアムの発足が2008年7月17日。実に発表から2年足らずでの商品化と言う事になります。・・・もっとも、まだチップだけで、エンドユーザーに届く「製品」にはなっていないのですが。

 この技術がここまで早く形になったのは、「3cmの近さで高速通信」という明確なコンセプトだからこそではないでしょうか。
 無線高速通信技術の有望株として、他にBluetoothがあります。Bluetoothが割と何でも出来る規格に対して、TransferJetは応用範囲が大幅に限られます。有効距離をあえて短くし、通信を意図的に制限することで、用途をより明確に想像できる訳です。

 今現在、想定されている使い方として、携帯電話同士でのタッチデータ通信や、クレードルを利用してのデジカメからのデータの吸い出しなどが上げられていますが、消費電力も小さく、干渉の心配が少ないため認証も甘めに設定でき、転送速度も速いこの規格の応用範囲は意外に広そうです。
 この、3cmというほぼ物理的にふれあう距離は、より直接的なコミュニケーションを予感させます。どんなデバイスが、どんな「触れ合い」を実現するのか、今後の利用展開が実に楽しみな技術ですね。


プラットフォーム共通の影響

2009-11-29 20:30:57 | Technology

 PCの世界では、ハードウェアとOSを切り離して考えるというのはほとんど当たり前のことです。広く使われているx86アーキテクチャーのPCの場合、Windows、Mac OS、そしてさまざまなLinuxファミリに加え、AndroidやChrome OSといったニューカマーが控えています。

 しかしながら、それ以外のハードウェアは制御用のソフトウェアと一体で提供されるのが一般的。たとえば、コピー機やFAXなどの事務用機器、冷蔵庫や電子レンジのような白物家電、テレビやレコーダーのような情報家電。これらは、ソフトウェアの規模が小さかったり、世代によりハードウェア構成が変わったりするので、ソフトウェアを共通化する必然性が薄いというところもあります。

 また、携帯電話のように、これまでは機種ごとにソフトウェアを用意していたハードウェアでも、高機能化により、ソフトウェアが切り離されつつあるものもあります。

モバイルを軸に300億ドル規模のビジネスへ――Acer事業説明会 ITmedia

 スマートフォン市場への参入については、インターネット端末としてPCと携帯電話が融合しつつある現状を挙げ、モバイル市場でスマートフォンが重要な位置を占めると説明。会場にAndroid 1.6を搭載したスマートフォン「Liquid」などを展示し、新しい分野での施策もアピールしていた。

 これまで携帯電話事業にまったく絡んでこなかった、PC関連企業のAcerがこの分野に入ってきたのも、スマートフォンというプラットフォームがあるから。Windows MobileやAndroidといった共通プラットフォームが台頭・・・というのは日本の現状を考えるとそうも言えませんが、ノウハウの蓄積が少ない企業の参入障壁が大幅に下がっているのは事実です。

 中国ではすでに起こっていることですが、電気自動車へ注目が集まるにつれ、ありもののモジュールを組み合わせることで、無名メーカーが安価なモデルを市場投入しているという流れがあります。安全基準や品質に対する目が厳しい日本市場にはそのまま当てはまることは無いでしょうが、日本や世界の家電メーカーも電気自動車市場になだれこむ可能性も指摘されています。

 これと同じように、共通化によって、思いもよらなかったメーカーからの参入というのは今後、驚くほど増えてくるのではないでしょうか?このような動きの先にあるのは、大概の場合において過当競争。ユーザーや市場にとって、悪影響の少ない方向で納まってくれるといいのですけどね。


「子供向けオフィス」アドインを公開

2009-11-28 23:59:59 | Thinkings

 私が学生をやっていた頃、中学校の技術の時間で教えられたのは、FM Townsですらない富士通製のPCで使うBASICや、コンピューターグラフィックスという名のお絵かきでした。・・・今も各学校にはたくさんのPCが配備されていますけれど、いったい何に使っているのか、その片鱗を推測することが出来るものが公開されました。

子ども向けにカスタマイズされた「Microsoft Office きっず 2007」が公開 マイコミジャーナル

「Microsoft Office きっず 2007」は、Office 2007用(Word/PowerPoint)カスタマイズツールとして公開され、学校の先生など現場の声を反映して小学生が楽しく使えるようにユーザーインタフェースなどが改良されている。小学生の授業で使うであろう機能は「きっずリボン」ひとつに集約されているほか、フォントの指定、用紙設定といった設定画面もわかりやすいメニューとやさしい言葉に置き換えられている。

 つまり、現在のPCの授業では、どうやらオフィスツールを使って発表資料を作ったり、ワープロ原稿を完成させるという授業が行われているらしいです。全国津々浦々までどうかはよく分からないけれど、少なくとも、プログラミング体験や図形でのお絵かきよりは、実際の使われ方に即してますよね。

 そういう意味では、わかりやすいキッズメニューも良し悪しかなあ・・・などと思いますが、使う学年に従って本来のメニューを使うよう促せば即時対応していくでしょうから、まずはキーボードやGUIに慣れさせることが前提なんでしょうね。

 ところで、このアドインはOffice2007限定。スクールニューディール政策の関係で、学校のPCの大々的な入れ替えがあったとは言え、すべてのPCに2007が入ってはいないでしょうから、そのあたりは少し残念と言えばそうです。
 ただ、このようなメニューカスタマイズもリボンインターフェイスがある前提の話なんですよね。大きなアイコンと見出しがあるリボンインターフェイスだからこそ、このようなカスタマイズも生きてくる訳で。

 私はリボンインターフェイスを使い始めて一年くらいになるのですが、改めてOffice 2000のシンプルなメニューを使ってみると、「実はリボンって使いやすかったのか」と思ってしまったんです。アイコンとタブで、すぐに選択できる主要操作って慣れてしまうと相当便利だったのですね。今回のようなカスタマイズでも、直感的な操作ができるような専用UIを用意できるのは結構大きな強みだと思いますよ。
 今のところ、オフィススイートでリボンをやっているのは当然マイクロソフトだけなのですが、かつて嫌われ者だったリボンインターフェイスがいつか強みになる日が来るんじゃないかと、作業をしながら思ってしまった次第です。


メディア付きの使い切りバックアップソリューション 三菱化学メディアが発売

2009-11-27 23:59:59 | PC

 物事の印象というのは、表現の仕方一つで大きく変わるものです。例えば、

a.A社の製品は利用実績が3ポイント減の67%と、大幅にシェアを落とした
b.他社製品が3ポイントの伸びを見せたものの、A社製品は依然67%と高いシェアを維持している

 二つの文は同じ内容を扱っているにもかかわらず、受ける印象は真逆と言えます。今回の記事に関しては、そういう意図を持ってタイトルを考えてみました。

バックアップソフト入りDVD-R 三菱化学メディアが発売 ITmedia

 バックアップソフトを内蔵したDVD-Rが三菱化学メディアから。DVDドライブに挿入するとソフトが自動で起動、データをバックアップできる。

 製品としては、DVD-Rメディアを利用した、手軽なPC内ファイルのバックアップを実現するもので、パーソナルユースでもビジネスユースでも使えるもの。メディアをドライブに挿入するだけで、PCの中から対象のファイル(PhotoSaveなら写真、OfficeSaveならドキュメント)を自動で検索し、バックアップしてくれるという、ユーザーの手間を極力省いている設計がウリとなっています。

 この製品を、元記事のように「DVD-R」とするならば、今や1枚数十円のDVD-Rの相場を考えると「3枚1000円か、ペンも付いているけど高いな。」となるかもしれません。だから、見出しの付け方として、何かもったいないなと思った次第。
 もっと相場のはっきりしない、「バックアップソリューション」を前面に持ってきて、「撮り貯めた写真のバックアップ、レーベル書き込みペン付きで3回1000円」の方が、何となくお得に感じるような気がします。商品コンセプトからしてバックアップ以外の用途に使わない、使わせない訳ですから、やはりDVD-Rとすると逆に誤解を招くようにも思います。

 商品としては、「とりあえず、全部」という使い方をする前提で、非常に面白いと思います。特に仕事用に使っているPCとかの月一のバックアップ等の用途に利用するには最適ではないでしょうか?手間いらずなので、思い立ったらすぐ出来るところも魅力です。・・・私の自宅PCみたいに、雑多なデータがモリモリ入っているような環境には全く向かないですが・・・
 それだけに、メディアの露出もほとんど無いような今の状況は、ちょっともったいないような。アスクル等のオフィス用品通販と共同でキャンペーンが張れれば、面白い展開になるかもしれないな、と。


放り込むだけデスクトップ整理「FenrirFS」は使える?

2009-11-26 23:59:59 | PC

 仕事をしているとき、他人のデスクトップを覗く機会というのはそれなりにあるものです。その時に、奇抜な壁紙とかタスクバーの個性的な位置や使い方、開いているウインドウの多さに驚くというのはそうそうありませんが、それよりももう少し高い確率で遭遇するのは、アイコンで埋め尽くされたデスクトップの姿です。

 これからすぐ使うものを、すぐ目の届くところに置いておきたいのは人の常。と言う事で、私もダウンロードしてきたファイルや、自分の作った文書を「とりあえず」デスクトップに置く、というのはよくあることです。圧縮解凍ツールもディフォルトの解凍場所はデスクトップですし、「究極の一時作業スペース」というデスクトップの本来の使い方を満喫しておりますが・・・それが一時スペースに収まらなかった場合、前述のように、画面をアイコンが覆ってしまうという事態が発生するわけでございます。

 さすがにそういうデスクトップはイヤだ。と言う事で、日頃はこまめにデスクトップを整理しているのですが、どうしてもうまい整理方法が思いつかなかったときがありました。そのときの解決方法は、「20091126デスクトップ」というフォルダをユーザーフォルダに作って、そこにデスクトップのアイテムを放り込んでおく、というひどいやり方でしたが・・・それをもっとスマートにやってのけるためのツールを、Sleipnirの開発・提供元であるFenrirがリリースした模様。

フェンリル、Gmailライクな操作性のファイル管理フリーソフト「FenrirFS」をリリース CodeZine

 国産タブブラウザ「Sleipnir(スレイプニル)」やiPhoneアプリ等を手がけるフェンリルは26日、ファイル管理用のフリーウェア「FenrirFS(フェンリルエフエス)」をリリースした。同社のウェブサイトからダウンロードできる。

 Gmailに似たインターフェイスを持ち、日頃使い慣れた操作感でファイルをラベルやスターで分類したり、インクメンタル検索機能(ファイル名やコメントが対象)で、すばやくファイルを探し出したりすることができる。ラベルは20色用意されており、グループ化も可能。

 私がiTunesを使っている最大の理由は、「音楽を取り込んだら勝手に整理してくれる」こと。これをファイルでやってくれるというのですから、何とも便利そうではないですか?何も考えずにダウンロードしておいたファイルの整理ほどやっかいなものもありませんので、試しにダウンロードしてみることにしました。

 短い時間でしたが、実際に使ってみますと、雑多でばらばらなファイルを一つずつ扱うには確かに便利かもしれません。そのままウインドウに放り込むだけで勝手にデータベースに登録され、そのまま分類されていくのはいいです。そのままでは拡張子ごとにしか分かれてくれませんが、それだけでも後々の整理がだいぶん楽そうに思えます。

 ただ残念なのは、フォルダを放り込むと、ショートカットとしてしか登録出来ないこと。個々のファイルをデータベース管理するソフトの性質を考えれば当然の仕様かもしれませんが、フォルダ単位でまとめて管理したい場合もあり、それに対応していないのはちょっと残念です。フォルダを移動すると、自動でスマートフォルダを作ってくれるような機能があれば、もっと使いやすそうだったのですが・・・

 感想としては、デスクトップや一時的な作業フォルダに散らばっているファイルをまとめるのに役立ちそう。そのまま使い続けても良いけれど、最終的に自分で整理する場合の「仮置き場」としても便利に使える、という印象を受けました。別にFenrirの回し者でも何でもないですが、常時デスクトップにファイルが散らかっていると言う方は、導入を検討されても良いかなあと思います。

 もっと簡単に、そしておおざっぱで良いという方は、「日付+デスクトップ」フォルダにとりあえず突っ込んでおくという方法・・・まるで台無しですが、おすすめしておきます。
 意外と何とかなるもんですよ!


Googleカーナビ、日本でサービス展開すると・・・

2009-11-25 17:57:18 | Thinkings

 日本ではスマートフォンの市場はあんまり大きくないので、今の所は表に出てきていないですが・・・

 とにかく、何でも無料が大好きなGoogleが作ってしまった「カーナビ」。元々Google Mapsや自前撮影のストリートビューといった地図情報を大々的に扱いだした時点で、いつかこの日が来るとは思っていたのですが・・・いざ、出来てみると、これが無料とは思えないくらい出来がよろしいようで。その事実が発覚したときに、困ってしまったのはポータブルナビ専業でやってきて、Googleの”同業他社”になってしまった企業と、その株主。

震撼 (Google Maps Navigation) engadget

発表直後に株価は急落。とにかく(一部では)衝撃的なニュースでした。

 そのGoogleカーナビが、さらに提供範囲を広げたとか。

Googleカーナビ、Android 1.6向けにも提供開始 engadget

Googleの辞書に「出し惜しみ」という語はないようです。先月唐突に発表され市場を混乱に陥れた同社の無料カーナビアプリ Google Maps Navigation (Beta)が、Android 1.6向けにも提供開始されました。ボイスコマンドなど一部機能はAndroid 2.0でしか利用できませんが、基本機能は変わりません。アプリのおさらいは過去記事へ。ダウンロードはAndroid Marketで。今のところ米国でしか使えませんが、ストリートビューなど過去の例を鑑みると各国対応も時間の問題かもしれません。

 さて、このGoogleカーナビが日本にも対応した場合、どのような事態が起こるでしょうか?

 まず考えられるのが、アメリカと同様のポータブルナビ市場への打撃。これについては、先に書いたように日本でのスマートフォンの市場規模はそこまで大きくありませんし、特にAndroid携帯の普及台数は微々たるものです。ですから、アメリカほど極端な影響は無い、と考えられます。・・・当初のうちは。

 というのは、Andoroidも無料のオープンソースOSですし、Googleカーナビも当然無料。ですから、ありもののハードウェアを組み合わせるだけで、ノウハウや地図データを持っていない企業でも、すぐにカーナビをくみ上げることが出来てしまうと言う問題があります。これにより、これまでカーナビを手がけてこなかったメーカーや、海外のメーカーが衝撃的な価格の新製品をリリースすることで、既存企業に大打撃を与える可能性はあるのです。

 また、既存企業も廉価機種にAndoroid+Googleカーナビを導入しないとは言い切れず、そうなったときに「地図データを提供していた企業」、具体的に言うとゼンリンや昭文社への地図データの契約減や値下げ圧力などにより、業績や株価の悪化が懸念されるところです。

 地図まで外国資本のみ、という未来は正直マズイと思いますが・・・アメリカにおいても、Googleの他分野一社支配はよろしくないと思うのです。何より、Google自体が、広告収入だけで今後存続できるとはとうてい思えませんので、どこかのタイミングで有料に切り替えると思うのですけどね。


はじめてのタミフル

2009-11-24 23:59:59 | Life

 まだ飲んでませんが。

 昨日は寝オチ、というか寝込んでいたので朝の更新です。
 日、月と旅行に行っていまして、連日長距離運転+人混み、寒暖の差にすっかりやられてしまったようです。

 のどはがらがら、間接の節々は痛く、鼻水は色づいて、と健康診断の日なのに散々ですよ。・・・今回はパスですかな。そんなわけで医者に行ってきたのですが、診察の結果「インフルエンザの可能性があるので、熱が上がったらこれ飲んで」と。

 我が家に来た初めてのタミフルと言う事で、今まで見たことが無かったんですが、カプセルなんですね。飲まずに済めば良いですが、一人で寝てたりすると、いざ熱が出たときに飲むタイミングを逸してしまうようで怖いです。

 ・・・何より怖かったのが、インフルエンザだと診断された瞬間に、一週間を棒に振るという事実。うあ、洒落にならない・・・なんとか、発病してくれるなよ、と午前中はこのまま寝ていることにします。


Blu-rayプレイヤー、数年後には7000円にまで値下がりする予測

2009-11-23 23:59:59 | Thinkings

 発売されているテレビのほとんどはHD、つまりハイビジョン対応ですが、記録メディアの方はなかなかそれに対応できているとは言い難い。今のところ、レンタルビデオ店でもDVDが大勢を維持している現状を鑑みるに、そう考えて間違いないでしょう。安くなったとは言え、ハイビジョン対応の記録メディアであるブルーレイのプレイヤーが2~3万円はしますし、DVDでも取り立てて困る訳でもありませんから、置き換えが進まないのも無理なからぬ所ですが・・・そのプレイヤーの値段が、2012年には7000円程度まで下がる、という予測が出ています。

まだまだ高いBlu-rayプレーヤー、将来的には7000円程度にまで値下がりする見込み Gigazine

この記事によると、11月19日に台湾メーカー各社が台北で行ったBlu-rayディスクに関するフォーラムにおいて、現在平均販売価格が193ドル(約 1万7000円)となっているBlu-rayプレーヤーが2012年には77ドル(約6850円)程度に値下がりすると予測されたそうです。

 廉価DVDプレイヤーの価格が5000円前後である事を考えると、7000円という価格は取り立てておかしいものではないように思えるから不思議です。しかしながら、実際の普及には、プレイヤーだけでなくコンテンツの値下がりと充実も必要でしょう。

 映像を出力する先、つまりテレビの方は、来るアナログ停波によって大きく置き換えが進むでしょうから良いとして、レンタルビデオ店での取り扱い面積の拡充や、販売パッケージの増加、そして販売価格の低廉化など、ソフト側の対策が大きく影響していくことでしょう。

 ですので、今普及しきっているDVDの黄昏はまだまだ遠そうですから、真の意味でブルーレイが普及するのには、まだまだ時間がかかりそうですね。


メールは永遠に死なない、ってGMailの作者の人が言ってた

2009-11-21 23:59:59 | Thinkings

 私の今の仕事をする上で、ネット環境というのは切っても切れないインフラになりました。特にここ数年で、紙と電話から急速に置き換わりましたね。どうしても置き換わらない部分もあるにしろ、いわゆるクラウドが業務に入り込み、勢力を伸ばしたのは間違いないです。
 それとは別に、これが無いと仕事にならないというネット界隈の技術に、メールがあります。もちろん電話も重要なインフラなんですが、手軽に「まとまった文字データや資料」を送れるというのはとんでもなく大きなメリット。記録も逐一残りますし、使えなくなると間違いなく仕事がストップしますね。

 その電子メール以外にも、今日ではネット上に様々な通信手段が存在しまして、いわゆるメッセンジャーやTwitterといったマイクロメッセージと呼ばれるものが今のはやりです。そのような新興勢力を前に、電子メールは今後も主要な手段であり続けるか?という質問に対して、GMailの作者は”No”という答えを出しています。

Gmailの作者曰く「メールは永遠に死なない, Google Waveは試してない」 TechCrunch

メール(email, 電子メール)は消滅しない。たぶん永遠にね。人類がロボットに全滅されるまでは“…Paul Buchheit。PaulはGmailの作者で、FriendFeedの協同ファウンダだ。現在はFacebookでインフラ方面の仕事をしている。
-中略-
Buchheitの発言がなかったとしても、多数意見は“ノー”だ。コミュニケーションの手段は多様化しているが、メールは要らないとはまだ言えない。それどころか、TwitterやFacebookのような新しいサービスでも、新しいフォロワーや新しいメッセージの通知はメールでもらっている。

 私もこの問いにはNoですね。
 メールの利点として、

1.特定の相手にまとまった量のテキストを瞬時に送ることが出来る
2.(可能なら)様々なファイルを添付して送ることも出来る
3.利用ソフトウェアやプラットフォームを問わず、相互に利用できる
4.送る相手の状態を気にしなくても良い
5.ファイルが届いたとき(望むならば)通知を受け取れる

といったことがざっと上げられると思います。これらの条件をすべて兼ね備えているのは、今のところメールのみ。しかも、プラットフォームを問わず大きく普及していますので、今更置き換えるのも難しいですし、現状は特に置き換える理由もありません。

 ただ、今のままのシステムでこの先もずっと続いていくか?と言うならば、答えはノーでしょう。元記事でも「変わりつつある」とまとめていますけれど、いつか、プロトコルを変えなければいけない時期が来るでしょうね。
 しかし、例えそうであっても、上に上げたようなメリットを手放すことはないでしょう。そして、シンプルなサービスであるが故に、先のメリットをすべて兼ね備えたメールを時代遅れにしてしまうような技術というのは、今後なかなか出てこないでしょうね。
 さすがに人類滅亡までには出てくるかもしれませんが・・・ロボットに滅ぼされるのはイヤだなあ・・・


Chrome OS、テクニカルプレビューが公開

2009-11-20 23:59:59 | Technology

 PCとその類似デバイス上の、OS模様がずいぶんと複雑になってきましたね。
 Windows 7は絶好調みたいですが、一方で勢力・・と言うか話題をさらいつつあるのがAndroid。ARM搭載のネットブックという、Atomよりもさらに安価なネットコンパニオンが注目を集めるようになってから、俄然存在感を増してきたように感じます。その影響で、インテルが開発主導しているMoblineやその他のLinuxベースの軽量OSの影がどうにも薄くなってしまったように思いますが・・・

 そんな中、製作は発表されていたものの、詳細は明らかにされていなかったGoogleのChrome OSが、開発者向けのテクニカルプレビュー&オープンソース化を一気に発表してきました。

Google、Chrome OSの詳細を発表 (動画&ギャラリー) engadget

Googleが Chrome OSのプレビューイベントを開催、アルファ版の実機デモやハードウェア・ソフトウェア設計、今後の展開について発表しました。今年7月にプロジェクトが発表された Chrome OSは、ネットブックなどウェブ利用に特化したデバイス向けにシンプル・高速・安全なOSを再設計する試み。シンプル・高速・セキュアはChromeブラウザの特徴とされる要素ですが、Chrome OSはウェブ利用すなわちChromeブラウザを前提にOSおよびハードウェア構成までも再設計するプロジェクトにあたります。

 当初は、ネットブック市場における、Windows 7の存在を脅かすと言う事で注目された訳ですが、なんというか、ちょっと毛色が違ってきました。というのは、Googleが打ち出した方向性は(当初から変わらないものの)思った以上にタイトな環境を想定していたからです。

 まず、ユーザーはハードウェアに一切アクセスすることが出来ません。例外的にUSB接続のストレージは許可されるようですが、操作はすべてブラウザを通したクラウド上で行われることになります。
 デスクトップもスタートメニューも存在しません。ウェブアプリを快適に使うための”固定タブ”は用意されますが、すべてChrome内で操作します。
 ハードウェア構成を勝手に変更することは出来ません。起動の高速化とセキュリティの為、使うハードウェアはあらかじめGoogleの認証を受ける必要があります。

 これらの特徴を見るに、安価なネットブック対象はもちろんなんですけれど、わざわざ高価なPC用の汎用ハードウェアを使う必要は全くないかも・・・という印象を受けました。特にハードウェア固定のあたり。そして、内部ストレージがキャッシュにしか使われないというあたりも。
 そう考えると、各社がAtom搭載機ではなくCULV搭載の普通のノートPC市場を模索している中、x86よりはARM搭載のネットブックがむしろ主生息域になりそうな予感。となると、ライバルはWindowsよりも、やはりMoblineやAndroidですかね。

 どちらにしろ、WindowsやAndroidに比べて出遅れた感があるのは事実。とくにAndoroidがここまで攻勢をかけている中ではその印象はぬぐえないところ。エンドユーザーには来年後半の提供となるChrome OSですが、それまでに状況が大きく変わって要るような気もしないでもないです。
 ・・・Moblineはどうするんでしょうね。