Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

NASA科学者が論文「地球外生物を発見したかも」

2011-03-07 21:34:48 | Science

<2011年3月8日修正 GIZMODOの記事は無用の誤解を与える可能性があるため、リンクと写真を削除しました。写真は地球の生物で、あくまでイメージであり、NASAの公式声明でもありません。>

 思わず目が点になりました・・・その後、今起こっていることがうまく理解できずに、何度も頭の中を疑問符が駆け巡り、口からは空気が漏れるばかり・・・

 だってそうでしょ?「地球外生命体を見つけた」っていうんですから!

「地球外生命体の化石を発見」、NASA科学者が発表 APP BB News

 NASA科学者のリチャード・フーバー(Richard Hoover)氏は4日、学術専門誌「ジャーナル・オブ・コスモロジー(Journal of Cosmology)」に論文を発表。ミミズのような形をした生命体の顕微鏡画像も添付した。
 フーバー氏は、数種類の「炭素質コンドライト」と呼ばれる水や有機物などが比較的多く含まれている隕石の断片を高性能の顕微鏡で観察したところ、バクテリア様の生命体を発見したとしている。

 フーバー氏は「化石は隕石の内部で見つかったもので、地球上で混入したものではない」と主張しており、化石が仮に生命だとするならば、歴史的なファーストコンタクト(ただし化石)ですよ!

 見つかったのは化石で、しかもバクテリア・・・しかし、これが何を意味するかと言いますと、「生命は地球上だけの特別なものではない」という、とんでもなく刺激的な証明です。そう、それこそ条件さえ揃えば、そこかしこの惑星に生命体が存在するかも知れないという印が見つかったと言う事です。

 宇宙人はいるか?・・・つまり、文明を持つまで進化できるかはまた別問題ですが、今回の発見の検証次第では、ドレイクの方程式で導かれる答えが大きい方にシフトしそうですね。うん、なんともロマンのある、そして未来が楽しみなニュースです。


NASAの発表はヒ素で増殖する細菌・・・肩すかし?

2010-12-03 23:59:59 | Science

2010年12月2日・・・日本時間の3日午前4時に、NASAは「地球外生命体の探索に影響を与える宇宙生物学上の発見」を発表するとアナウンスしていました。あのNASAが、そんな大々的に発表を行うというのですから、とうとう火星か木星の衛星で生命の痕跡を発見したのか、それとも宇宙人とのファーストコンタクトに成功したとでも言うのか、とネット上では大変な騒ぎになっていました。

かくいう私も、さすがに宇宙人とは思っていませんでしたけれど、地球外でコケでも見つかったかとワクワクしていたのですが・・・蓋を開けてみると、もっと地味な話でした。

NASA、ヒ素で増殖する細菌を発見 NATIONAL GEOGRAPHIC

アメリカ、カリフォルニア州のモノ湖で発見された新種の細菌は、地球上の既知の生物とは異なり、ヒ素を摂取してDNAとタンパク質を作り出すという。この細菌「GFAJ-1」株は、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄と並び生物に欠かせない元素「リン」の代わりとしてヒ素を取り込み成長する。

これまで地球型の生命に必須であると考えられてきた元素が実は必須ではなく、似た働きの元素に置き換えられる可能性があると言うこと=地球にそこまで似ていなくても、生命が存在できる可能性があると言う事ですから・・・これまでノーマークだった星にも、具体的にはハビタブルゾーン(水が安定して存在できる惑星の位置)の範囲にない星でも、もしかしたら水以外の他の液体に依存した生命が生まれているかも知れないと言う事。SFの中だけだと思われてきた、炭素じゃなくてケイ素を核にした無機生命体ってのもあり得るかも知れません。
これは地球外生命に大きな希望が見えてきましたね。・・・共存は出来なさそうですが。

地球の上にしても、これまでの常識とは全く異なる、それこそ、今の生命体のルールとは似ても似つかないルールで成り立っている生物が見つかるかも知れませんし、宇宙人発見よりは地味とは言え、いやいやどうして、中々エキサイティングな話ですよ。


2つのブラックホールが衝突!・・・ただし、500年後

2010-12-01 20:08:29 | Science

「十年一昔」と昔から言ったもので、10年経てば人も変わり、町の風景も変わり、世の中も変わっていくもの。この言葉が出来たときと違い、今のテクノロジーの発展速度はハンパではありませんので、十年どころか五年でも技術界隈は教科書が書き換えられるレベルで変わっていくほどです。

その進歩した科学技術が、正に「直近で起こる」と言える天文現象を観測しました。しかも、平均で太陽の10億倍以上の質量がある超巨大ブラックホール同士の衝突という、まさしく一大イベントです。

2つのブラックホール接近観測 500年後に衝突へ 日本経済新聞

巨大銀河の中心にある2つのブラックホールが約500年後に衝突することがわかったと、国立天文台と名古屋大学、岐阜大学の研究チームが発表した。ブラックホールが衝突を繰り返して大きく成長し、巨大銀河を形成していくとする説を裏付ける有力な観測結果。1日発行の米専門誌に掲載される。

なんでも二つのブラックホールは0.02光年≒1900億kmしか離れていないとか。天文学の世界では500年なんて一瞬の出来事ですから、正に歴史的瞬間を目の当たりにしていることになります・・が。人間の時間感覚で言えば、その歴史的瞬間は、えーと1世代が30年として、ざっくり16世代後まで立ち会いつづけることになるわけですね。やっぱりながいなぁ。

天文学の世界で直近と言えば、オリオン座の一等星であるベテルギウスが、それこそ地球時間の明日にでも超新星爆発をするかも知れない、なんて話が一年半くらい前にありましたね。こちらも宇宙スケールの話なので生きている間には見えないかも知れませんが、可能性がある分だけ楽しみになる話ですね。

それにしても、こういう宇宙の話が理論的に詰められてきたのは、ほんの50年ほどの間。コペルニクスから数えてもせいぜい600年弱の話ですから、宇宙的なスケールで言えば”ほんの一瞬”の間に、宇宙に対しての理解を人類は深めてきたと言えます。そう考えると人類のやってきたことと言うのは、自然界の速度からすれば凄まじい話だと改めて思った次第です。


はやぶさは、イトカワからサンプルを持ち帰ってくれていた

2010-11-16 22:20:03 | Science

平成22年6月13日、小惑星探査機「はやぶさ」が世界ではじめて小惑星から地球に戻ってきました。7年もの旅路の果てに送り届けられたカプセルを、オーストラリアのウーメラ砂漠で回収してから5ヶ月、ついにその中から回収された微粒子の正体が明らかになりました。

はやぶさカプセル内の微粒子の起源の判明について JAXAプレスリリース

サンプルキャッチャーA室から特殊形状のヘラで採集された微粒子をSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察および分析の上、1,500個程度の微粒子を岩石質と同定いたしました。更に、その分析結果を検討したところ、そのほぼ全てが地球外物質であり、小惑星イトカワ由来であると判断するに至りました。

「ほぼ全てが地球外物質」・・・つまり、はやぶさは当初の目的を達成し、世界中の科学者へ、貴重な「原始太陽系のサンプル」をプレゼントしてくれたのです。

最初に着陸に失敗したとき、粉じんを巻き上げる弾丸が発射されていなかったのを知ったとき、「サンプル回収は失敗しているかも」と思っていましたが、地球に近づくにつれて、「なんとか少しでも舞い込んでいてくれれば」と祈っていました。それが現実になったと言うことで、はじめてこのニュースを確認したときには、思わず声を上げていました。

このサンプルから分かる太陽系の起源についても非常に興味深いですが、何よりうれしいのは、はやぶさ2への希望がつながったと言う事。これだけの成果を上げたなら、事業継続、予算付けにも大きな影響がある事でしょうからね。

とりあえずは、持ち帰ってくれたサンプルから、太陽系の形成についてどんな新発見があるのか。様々な研究機関へ旅立っていくサンプルの今後が非常に楽しみです。


火星への片道切符・・・それでも行きたい?

2010-10-30 22:37:25 | Science

人類が過去に行ったことのある地球以外の天体は、夜空にひときわ強く輝くお月様のみ。他の天体だと、火星、金星、水星、太陽、木星、土星・・・ボイジャー計画をはじめ、様々な探査機が送り込まれたものの、人間が行くなんてとてもとても。そもそも、それらの探査機は行ったきりで、地球に戻ってくることはありませんでしたからね。だから戻ってきたはやぶさは注目されたんです。

人間が行くならば、「地球に帰す」事が大前提。新たな衛星や惑星としてぐるぐる回るなんていう計画はもっての他なわけです。

しかし、倫理観さえどうにかなるなら、火星への片道切符を用意できるかもって話が・・・

The Hundred Year Starship: The Nasa mission that will take astronauts to Mars and leave them there forever Mail Online

The mission is to boldly go where no man has gone before – on a flight to Mars.

The snag is that you’d never come back.

The U.S. space agency Nasa is actively investigating the possibility of humans colonising other worlds such as the Red Planet in an ambitious project named the Hundred Years Starship.

で、こっちがSlashdotのスレッドへのリンクです。要するに、「片道なら」火星に行くにはコスト的にも技術的にも遙かに易しくなるということ。でも、「帰ってこられない」のだし、最初のうちは生活するにも地球からの物資に頼らざるを得ないのだし・・・政治的に物資供給が「ムダ」と判断されたら、勝手に事故死扱いされて供給を止められるリスクも当然ありますよねえ・・・。そうなると、やるは良いけど人選が大変でしょうなあ。

なんでも、すでに実現の為のファンドを立ち上げるとかいう話まであるみたいですけど、果たして宇宙飛行士が見つかるかどうか・・・少なくとも私は「第一陣」ではいやですな。ちなみに、Slashdotの方のコメントに、

それに備えて、部屋で籠って孤独に耐える訓練をしているところだ。

なんてのがついてましたけど・・・まさかね。


はやぶさのカプセルから微粒子が!

2010-10-07 22:35:39 | Science

 大気圏に突入するときに、ばらばらに砕けながら燃え尽きた”はやぶさ”。私はライブでは見る事は出来なかったのですが、録画された、光り輝く姿に単純に感動し、何とも言えない寂しさを覚えたものです。

 そのはやぶさが持ち帰ってくれた、小惑星イトカワの資料が入っているかも知れないカプセルが回収されてから早4ヶ月弱。カプセルの中にはたくさんの微粒子が入っていたものの、これまではすべて地球由来のものでした。
 ところが、資料採集用のへらをつかってカプセルの内壁をこすり取ったところ、約100個程度の微粒子が新たに見つかったというのです。

はやぶさから微粒子、新たに100個 地球外の可能性「チャンス広がった」 ITmedia

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は10月6日、小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったカプセルの中身を電子顕微鏡で調べたところ、由来不明の微粒子が新たに約100個見つかったと発表した。「地球外物質が見つかるチャンスは、若干広がったかなと思う」――同日の記者会見で、JAXAの研究者は言葉を選びながらこう話す。

 他の報道と併せて記事を読むならば、「地球由来と断定するのは難しい微粒子がある」ということで、手放しに喜ぶことはまだ出来ませんが、JAXAの研究員の言葉通り、「チャンスが広がった」と解釈して良いでしょうね。文章はこんなですが、内心はとてもワクワクしているんです。これによって太陽系の起源、原初の地球の姿に迫れるのですから、結果いかんでは本当に教科書が書き換わってしまうかもしれない時代に立ち会えるというのは、実にエキサイティングなことですからね。

 そして、もう一つはもうちょっと切実な話。
 「帰ってきただけでも大きな成果」であることは間違いないですが、目的を完遂したならば、宇宙開発(というかJAXA)に対する(財務省の)目もまた変わると言うもの。なんだかんだ言って宇宙開発の最大の障壁は「お金」ですので、何とか地球外物質をひっさげて、今以上の成果を上げて欲しいところです。


DNAのバーコード?

2010-10-02 13:48:53 | Science

 毎日、私は車通勤をしており、仕事中は外に出ることは少ない。となると、季節の変化が寒暖の差位でしか分からなくなってしまうこともしばしばです。あるときふと土手に目をやったときに、めいっぱい生えているヒガンバナに気付いて、めっきり秋だと言う事を思い知り、ちょっと愕然としました。

 ともすれば忘れてしまいがちになりますが、世の中は生命で満ちています。それはもう、数え切れないほど。私たちの生活で目に付くのは非常に限られた種ですけれど、それでも数えていけば結構な数の生物が身近にいます。ひとたび生活圏を離れれば、その数は爆発的に増えてきます。人間の生活にかかわらず、生き物は日々その種類を変動させながら、生命を謳歌しているというわけです。

 そうなると困るのは、生物学者の人たち。すさまじい数の種を分類するのはただでさえ大変です。そのときに困るのは、近縁種であるとかの分類がしづらいものをどう判断するかという問題。そこで、カナダ・ゲルフ大学のポール・エベール氏はDNAの一部を識別に使う方法を開発しました。

 ナショナルジオグラフィック2010年10月号に乗っていたその方法は「CO1」という遺伝子の一部を使い、得られる結果がバーコード状になるとこから、そのままDNAバーコードと呼ばれているようです。これは多細胞生物の種ごとに違ったバーコードが得られるため、近縁種などの分類や、各生物標本のラベリングに大きな効果を発揮すると期待されているようです。

 これをデータベース化すれば、新種であるかどうかの判定も簡単に行えるようになるとか。遺伝子工学とコンピューターは、正に生物学に革命をもたらしたみたいですね。


宇宙ヨットイカロス、実証実験成功

2010-07-10 23:59:59 | Science

 ヨットを含む帆船とは、風を帆で受けて推力に変え、航行する船舶です。エンジンを使う船舶に比べて、速度は遅いけれど燃料が要らないという利点があります。今では人件費その他を考えると、長距離航行には全く向かないんですけどね。

 それを真空である宇宙空間で行おうとしているのが、JAXAの打ち上げた世界初の宇宙ヨット、イカロスです。地球上とは違い、いわゆる風の元となる空気が無い宇宙空間で代用となるのは、太陽光。普段はあまりにもその力が弱いので感じることは出来ませんが、光にも物質を”押す”力はあるのです。
 そのイカロスの実証実験が成功したというニュースが入ってきました。

太陽光受け帆走、初実証=宇宙ヨット「イカロス」-一円玉の1割の圧力 時事ドットコム

 宇宙航空研究開発機構は9日、金星を目指して打ち上げた宇宙ヨット「イカロス」が、1カ月前に帆を展開して以来、太陽の光の粒子を受けて航行する基本機能を実証したと発表した。惑星間航行では世界初の快挙。

 何でも、一辺が14メートルあるイカロスの帆が受ける太陽光の圧力は、何と0.114グラムだとか。地上ですと空気抵抗であるとか摩擦で消し飛んでしまうくらいの力でしかありませんが、何も邪魔するものが無い、真空の宇宙空間ならば話は別。力を受ければ、例えそれが僅かでも、その分加速していきます。その僅かな力を正に「塵も積もれば山となる」ように、長い時間をかけて推進力に利用するわけです。燃料の供給などが期待できない惑星間航行においては、例え長い時間がかかったとしても、燃料が要らないというのは非常に大きなメリットになります。

 実証実験が成功したことで、燃料をそんなにたくさん持って行けなく、距離が長く推進力蓄積のメリットが見込める外惑星探査に関して、ソーラーセイルの採用例が出てくる知れませんね。
 なによりも、宇宙を帆船が航行するなんて、字面だけでも何ともロマンチックな話じゃないですか・・・


辞書の”サイフォン”の記述が間違ってる!とある物理学者が指摘

2010-05-15 23:59:59 | Science

 サイフォンの原理ってご存じですか?Wikipediaによると次のように概要が説明されています。

サイフォン(Siphon)とは、隙間のない管を利用して、液体をある地点から目的地まで、途中出発地点より高い地点を通って導く装置であり、このメカニズムをサイフォンの原理と呼ぶ。 Siphon[2]

 

 

 私は一時期、下水道に関わる仕事をしていたことがあるのですが、下水道管が河川や地下埋設物がある地点を横断しなければならないとき、それらをU字にくぐってやり過ごすという方式がよく使われていました。原理的には正にサイフォンです。(参考)そんなわけで、この件にはちょっと興味が湧いています。

辞書のサイフォンの定義、1世紀近くも誤ったままだった? jiji.com

オーストラリアの物理学者がこのほど、辞書に載っている「サイフォン」の定義が間違っているのを見つけた。この誤りは1世紀近くの間、訂正されないままだったとみられるという。

 辞書の記述が間違っている?しかもほとんど正しく記述してある辞書が無く、さらに一世紀近くも放っておかれているですって?なるほど、中々ゆゆしき事態です。では、実際にどう間違っていたかと言いますと、

 この学者は天文学や隕石、惑星、月などを研究分野としているクイーンズランド大学のスティーブン・ヒューズ氏で、辞書が「サイフォン内の液体を動かすのは大気圧である」と誤って記述しているのを見つけた。正しくは「サイフォン内の液体を動かすのは『重力』で、下向きの長い管の水が短い方の管の水を吸い上げている」と同氏は説明。

 手始めに、日本語のオンライン辞書を調べてみましたが・・・えーと、この辞書は原理についての言及がありません。他の辞書も確かに重力に関する言及があるものは無いですね。では、次は本番。英語の辞書をいくつか調べてみました。定番のOXFORD以外にも、MSNのエンカルタYahoo DictionaryCAMBRIDGE Dictionary OnlineLongman、これらについては重力の言及は無し。半分くらいは動作原理の記述がそもそもありませんので、ある意味セーフだと思いますけどね。
 原理的な話をするならば、サイフォンの原理の下敷きになっているベルヌーイの定理でもg、すなわち重力加速度が出てきますので、「大気圧による」という説明だけでは確かに不足なんですよね。

 ここで注意しなくてはいけないのは、これらの辞書はいわゆる「国語辞典」であるということ。もともと言語学的な点を重視して編纂されている物ですから、原理的な部分についてのチェックが甘くなるのは仕方ない部分もあると思います。だからといって間違った記述が許されるとは言いませんけれど、辞典全般が間違っているという印象を持たれるのはちょっとマズイです。

 というのも、百科事典であるブリタニカについてはきちんと記述がされているため。(逆に大気圧について言及が無いのはちょっとマズイかも知れないけれど)Wikipediaについても、日本語英語ともしっかりと重力についての言及がありましたよ。

 こういう「権威があるとされているもの」についての間違い探しは面白いですね。よく調べると、ほかにもぼろぼろ出てくるとは思いますが・・・やっぱり、「餅は餅屋」ってことなんでしょうね。


生命の起源は宇宙から?

2010-04-07 23:59:59 | Science

 地球が生まれて45億年、そして生命が地球上に誕生して38億年。三葉虫が生まれたのが5億年ほど前で、恐竜が絶滅したのが6500万年前・・・本当に長い時間をかけて現在の姿になった生命ですが、”はじめての生命”がどうやって生まれたのかは、未だに多くの謎に包まれています。それこそ、材料となるアミノ酸の出所すら、はっきりと分かっているわけではないのです。

 これまでの最も広く知られている案に、原始地球の海に雷が落ちることでアミノ酸が生まれるというものがあります。これは、あくまで地上でアミノ酸が生まれたというスタンスの説ですが、今回はもう一つの方の説が有望そうだという話です。

国立天文台ら、生命の起源が宇宙から飛来したことを裏付ける根拠を観測 マイコミジャーナル

国立天文台は4月6日、地球の生命の源となるアミノ酸が隕石とともに宇宙から地球に持ち込まれた可能性を支持する観測結果を発表した。同発表は、これまで多くの科学者が主張してきた「地球上の生命は宇宙から飛来した隕石に含まれるアミノ酸に由来する」という説を裏付けるものと言える。

 アミノ酸には”左型”と”右側”があります。アミノ酸を合成したときに、二つの型の発生確率は半々なのですが、何故か地球の生命はほぼ左型のみを使っています。この不思議をうまく説明できるのが、地球での合成説ではなく、隕石による供給説だというのです。

 なんでも、大質量星の中には円偏光という、アミノ酸の左右どちらかの型のみを壊す特殊な光を発するものがあり、かつての地球とその周辺の小惑星は、その中でも右型を壊す円偏光をあびたと考えられるとのこと。この説の裏付けとして、大質量星の周辺の広い範囲に円偏光が放出している事が、今回の観測で分かったらしいです。

 ちなみに、アミノ酸は隕石表面でも合成されることが理論的にも確立されています。別に宇宙人が持ち込んだわけではないですよ?

 時に、地球のエネルギーサイクルとか生態系、果ては経済活動に至るまで、すべて「地球の中で閉じている活動」だと考えがちになります。しかし、太陽からの光であるとか今回のアミノ酸でもそうですが、結構な要素で外的要因を受けて今があるわけです。今後も、空から降ってくる何かに思わぬ影響を受けることがあるかもしれませんね。
 ・・・それにしても、小学生だった当時に最も支持されていた、雷によるアミノ酸生成説が覆されようとしている訳です。最先端科学の分野の進化を肌で感じると共に、なんとなーく寂しいですねえ。