Xeroxと言えば、誰もが知っているコピー機メーカー(ただし、富士ゼロックスは提携先であって日本法人じゃないらしいです)ですが、そのXeroxが本国アメリカで抱えているパロアルト研究所は、コピー以外でも知られた存在。と言うよりも、パロアルト研究所が無かったなら、今のコンピューターは無かったと言っても過言ではありません。
と言いますのも、Windows及びMacintoshの事実上の原型であるAltoは同研究所が作ったものですし、イーサーネットも、ちょっとマイナーなオブジェクト指向言語smalltalkも同研究所の発明です。ちなみにレーザープリンタやワーム(コンピュータウイルスとほぼ同意)も同研究所で産声を上げていたりします。
その研究所が、今度は「紙」を発明したと言うことらしいですよ?
Xerox、「1日経ったら文字が消える紙」など新技術を発表 ITmedia
1日経過した時点で印刷された文字や図が消える紙。何度でも繰り返して使用可能で、紙の使用量を削減することを目的としている。現時点では、印刷された文字は徐々に薄くなり、16時間から24時間経過した時点で完全に消えるという。
この紙には、特定の光の波長を吸収するときに色を変える化合物が配合されている。Xeroxは、その光の波長を出すライトバーを搭載したプリンタも開発した。印刷された文字や画像は時間とともに、または熱を加えると即座に消える。
普通のインクやトナーで印刷したらさすがに消えないみたいですけれど、光を当てることで仕込んであるインクを一時的に変色させ、文字や図版を描画するようです。
用途的には繰り返し使うことを考えているようですから、やはりオフィス用が一番適当だと思います。
例えば、残しておいてはセキュリティ上よろしくない文書をこの紙に印刷してプレゼンの資料に使うとか、データの打ち込みや確認など、一時的にしか使わない資料を印刷するとか。「メインはディスプレイで紙はサブ」という今のオフィス事情にマッチした発明なのではないでしょうか。
やっぱり、ディスプレイよりも紙の方が文字は読みやすいですからね。チェックもしやすいですし・・・最終的に紙に打ち出さなくてはならない文書のチェックとか、全く無駄紙ですしね。また、先にも述べたように、「物理的に残しておいてはいけない資料」がオフィスの中にあふれるようになってしまいましたら、このような紙の需要は増えるのではないでしょうか。
とはいえ、プリンタとセットでないと導入しても意味が無いため、普及にはチト時間がかかりそう。・・・そもそもXeroxに普及させる気があるかどうかも未知数ですしね。