割り切る、と言う事は意外なほど大切なことです。時と場合にもよりますけれど、八方美人に手を出すよりも、何かしら集中的にリソースを投資した方が、良い結果を出せることが多いです。
会社経営だと、色々と手を広げた結果、本業以外で損失を出してしまう会社が多いなか、得意分野に注力している企業が伸びていくと言う例は珍しくありません。これはデジタルデバイスに関しても言えることで、例えばポメラは、「文字入力」のみを追い求めた結果、大きなヒットに結びつきました。
Eee PCでネットブックの市場を開いたAsusが今回発表したのも、一点豪華主義の、実に目的が明確なデバイスです。
Asus、「2450dpi」手書きタブレット Eee Tabletを発表 engadget
高精細なモノクロ液晶ディスプレイを採用し、「紙に書いている感覚」「世界でもっとも正確で感度の高いデジタルノートデバイス」をうたっています。(リリース本文では「2450 dpi」。ディスプレイ解像度ではなく手書きデジタイザの分解能ではないかと思われます)。
そのほか判明している仕様は画面がバックライトなしの64階調グレイスケール、ページ更新 0.1秒、本体に画像取り込み用の2メガピクセルカメラ、microSDスロット、PCとはUSB接続、バッテリーは10時間など。詳細が分かりしだい続報でお届けします。
紙にペンで書く、と言う事に徹底的にこだわったかのような異質なタブレットです。カラー液晶ではなく、バックライトなしの64階調グレイスケールをあえて採用しているところからも、その本気度が伺えます。
今まで、自由に描けるメモ帳というのは、タッチパネル搭載のモバイルデバイスにはつきもののアプリケーションでしたが、あくまでオマケ程度、とっさの走り書き程度の目的が主立った使い方でした。静電容量式タッチパネルにおいて、指で細かい画なんて描けませんからね・・・。ですが、本製品はペン入力に特化させることで、紙の自由さを前面に押し出すことに成功しています。
もっとも、後々のメモの再利用とかは無視ですね。デスクの上のメモ帳代わりにしか”最終的には”ならないと思いますし・・・ビジネス用途と言うよりも、趣味的な要素が強いと思います。
「書く」と「描く」。ベクトルは真逆ではありますが、ポメラの兄弟と言えるかも知れません。ただ、先にも書きましたが、ビジネス用途にはあんまり向かないかも知れません。そういう意味で、「使う人を選ぶ」本当に狭い分野の人にしか訴求力のない製品だなあと。
ただ、超豪華な「せんせい」というコンセプト自体はものすごく面白いので、価格次第では欲しいなあと思ったのですが、199ドル~299ドル、つまり2~3万って事ですよね?ペンタブレットとしては妥当な価格帯だと思いますけど、おもちゃとしてはちょっと高いかも知れないですね。・・・そもそも、コンセプトだけで終わる可能性も否定できませんしね。
とりあえず、Computex 2010に出品されそうな気配ですので、実機のレポートが待ち遠しいです。