Cafe de Kerm ~毒味ブログ~

物言いにも、珈琲にも、もれなく毒が混入している可能性が無いこともないです。

書店のない町での署名活動

2010-01-31 23:59:59 | Thinkings

 私は書店というのが大好きです。・・・以前は帰り道にあったので、週に3回くらいは通っていたのですが、最近はちょっと足が遠のいてしまっていますけれど。

 これだけインターネットから情報が引き出せるし、Amazonその他で簡単に目当ての本だって買えるというのに、あの書店という、様々な本に囲まれている空間というのが実に好きなんです。思いもよらなかった新刊のコミックが出ていたり、手に取った雑誌が思いの外面白かったり・・・ネットでは味わえない一覧性の高さと、「店頭で見た」という広告としての役割は意外と大きかったりするのです。

 ですので、この署名を集めている人たちの気持ちというのは、なんとなく分かるのですよね。

「書店のない町」で住民が署名運動 米テキサス州南部 CNN

テキサス州ラレド(CNN) メキシコ国境に近い米テキサス州南部の町から、米書店大手バーンズ・アンド・ノーブルの系列店が撤退した。地元で唯一の「本屋さん」を失った住民たちは、再び書店を誘致しようと署名運動に乗り出している。

国境のリオグランデ川をはさんでメキシコと向き合うラレドは、人口25万人の地方都市。ショッピングセンター内にあった書店が16日に閉店し、「本屋のない町」となった。最寄りの書店へ行こうとすれば、240キロも離れた同州サンアントニオまで足を伸ばさなければならない。

 人口25万人の都市に本屋が無い、というのは日本ではちょっと考えられませんよね。私の住んでいる市は10万人もいませんが、本屋は大小合わせて何店舗か存在しているのですから。

 確かに、本屋というのは生活において必須ではないかも知れません。日本においても、雑誌と一部のコミックはコンビニで買えたりしますから、本屋でしか買えないのは、それこそ専門書や新書、文芸書といったものになります。現実として、町村レベルだと、本屋が無いのは決して珍しくないですからね。

 しかしながら、本屋は安価で手軽な趣味・娯楽を提供してきたのです。必須でもないですが、ムダでもありません。学生に撮って見ると、参考書の手近な供給先が無くなってしまうわけですから非常に困ります。その本屋がもし、半径250キロの範囲で無くなってしまったら、と考えると猛烈にイヤですね。

 今後、日本においても電子書籍が一般的になってくるような事態になると、「待ちから本屋が消えた」なんていうことが現実として起こる可能性もゼロとは言えません。個人的には、そんな未来は想像したくもないですけどね。


HV車とEV車をより安全に普及させるために

2010-01-30 22:29:01 | Technology

 私は二代目プリウスに乗っています。6年前に、車が来て初めて友人達にお披露目をしたときのことを、今でも忘れることが出来ません。
 ガレージから出てきた私の車を見て、第一声が、「気持ち悪い」だったんですから。
 なんでも、エンジン音もなく、スーっと動き出したのがダメなんだとか。さすがにもう慣れたみたいですけど。

 この、HV車やEV車のように、低速時にエンジンが止まってしまう車の「静粛性」については、これまでメリット・デメリット両面について言われてきましたが、どうやらデメリットを重く採る方向で進むようですね。

ハイブリッド車、疑似エンジン音で指針 国交省 NIKKEI.NET

 ハイブリッド車などの走行音が静かすぎて歩行者に危険とされる問題で、国土交通省は29日、エンジンに似た音を出す装置取り付けをメーカーに求めるガイドラインを発表した。新車への搭載は「可能な限り早期に」義務付け、現行車への装着も促す。

 取り付け対象はハイブリッド車、電気自動車などモーターだけで発進できるタイプ。特に走行音が小さい時速20キロ以下で、バンパー裏などに付けたスピーカーから疑似エンジン音を自動的に出す装置を求めた。

 確かに、ショッピングモールの駐車場等では危ないかもしれない、という懸念は実感としてあったものですから、何らかの対策は必要だとは思いますが・・・そう思う反面、静かに走れることをメリットととらえる向きも当然ありますので、「惜しい」という気持ちもいくらかあることは否定しません。

 ただ、使える音については、サイレンや自然音以外なら、別に車のエンジン音そのままじゃなくても良いみたいですので、このあたりの音選択については、各メーカーの遊び心その他に期待したいところですね。
 ・・・買ったときに希望の音源を持ち込めたりすると面白いかもしれませんねえ。希望ナンバープレートみたいな。


「家族ではなく自分に」宅配便がよりセレクタブルに

2010-01-29 23:59:59 | Thinkings

 私はAmazonでの通販頻度がとても高いです。理由は単に安いからと、欲しい商品が見つけやすいからでして、最近は色々と扱う商品が多くなってきたことから、価格比較を様々な場面で行うようになりました。・・・プロテインをドラッグストアで買おうとしたとき、Amazon価格とかなり価格の開きがあった時は軽いショックを受けましたね。

 ところで、通販で商品を買うときの問題と言えば、やはり支払いが一番に来るでしょう。代引きも一般的になってきましたし、クレジットカードも便利に使えますが、ユーザーが一番大きなリスクを感じる部分ですからね。では二番目は、と考えてみると、あるいは支払いと同時に行われるかも知れない、商品の受け取りではないでしょうか。

 と言いますのも、時間指定などのサービスを利用していたとしても、案外ちょっとしたタイミングのずれで受け取れないなんてことはよくあることです。そもそも、Amazonには時間指定そのものがありませんしね。前から疑問なんですが。

 この宅配便の受け取りについて、これまでは送り側が配送時にコントロールできるだけでした。それを、受け取り側が柔軟に選べるサービスをヤマト運輸が始めるそうです。

「宅配から“個配”へ」 ヤマト運輸、受取人が日時と方法を指定できる新サービス ITmedia

 「宅配から“個配”を目指す」――ヤマト運輸は1月27日、荷物の受け取り日時と方法を受取人が指定できる「宅急便受け取り指定」を2月1日にスタートすると発表した。「荷物は家族ではなく自分で受け取りたい」というニーズが高いという。

 新サービスでは、宅急便を配達する前に受取人あてにメールで配送予定を通知する。ユーザーは希望の受け取り日時と、受け取り場所を自宅やヤマトの直営店、勤務先などから指定する。

 この「家族ではなく自分に」というニーズは、自分でも実感として感じているのでよく分かります。特に時間指定の出来ないAmazonでの買い物の場合、家族から「煩わしい」と文句が出ていますし、買い物の頻度を監視されているようでイヤな部分もあるのです。・・・節約のため、単に控えろって話なんですけどね。
 また、代引きの場合には、比較的高価な時など、受け取るのが自分でないと都合が悪いこともありまして、それ以外の場合に増して自分で受けたいもの。そういうときにはこのサービスって便利そうです。

 問題としては、送り側がヤマト運輸を使ってくれるのかが分からないこと。こればっかりは使うサービスによって違うので何とも言えません。また、手描きの送り状に対応していない事から、コンビニ受付などでは利用できないことでしょうか。加えて、何らかの理由でメールが見られず、受け取り方が指定できなかった時の対応が分かりません。これについてはヤマト運輸のニュースリリースにもありません。確認するまで届かないのでしょうか?

 個人的には実感もあり、面白いと思いますが、送り主がヤマト運輸を使ってくれるかまではコントロールできないですしね。また、他社にも同様のサービスがあったとしても、運送会社すべてにメールアドレスを登録しておくのか、と言う問題もあります。結局の所、もうしばらく不在通知に活躍してもらうか、「本人以外受取不可」として、身分証明書の提示を求めるとかいうもうちょっと単純なサービスを始めるか・・・たぶん、世の中はもう少し、アナログ風味で進んでいくように思いますね。


アップルタブレットは「iPad」・・・欲しい?

2010-01-28 22:26:38 | Thinkings

 これまで、”出るぞ出るぞ!”と噂され続けてきたアップルのタブレットがついに発表されました。名前はiPad。私はiSlateの方がカッコイイと思ったんだけど・・・。

 発表から一営業日経ったところで、各メディアのファーストインプレッションが出そろったように思います。その中から、もっとも詳しいと思われるengadgetの記事を引用。

アップル iPad 実機ギャラリー&インプレッション engadget

" latest creation"イベントで発表されたばかりのアップル iPad 実機ギャラリーをお届けします。仕様の詳細はアップル iPad 発表速報をどうぞ。ひとことで表現すれば「でかい iPod touch」そのまま。

 詳細は元記事を見ていただくとして、注目の点を上げるならば、

・9.7インチの「IPS液晶」
・バッテリー駆動10時間
・iBooksアプリ+ブックストアオープン
・お値段499ドル

 このIPS液晶というのは予想外にすばらしい。有機ELは無いと思っていたので、またTFT液晶かと思っていたのですが・・・電子ブックリーダーとしての使い方に配慮したと言う事でしょうか。この点においては、他社に対して大きく牽制出来たように思います。また、10時間も持つというバッテリーはすばらしい。こんなに薄いのに。さすがにCPUまで自社生産してしまうだけのことはあります。また、たぶん最大の目玉なんじゃないかと思われるのが、iBooks。Kindleが切り開いて、最近アメリカで大きな注目を集めている電子ブックリーダー市場にアップルが殴り込んできたというのが、一番のニュースなんじゃないでしょうか。そう考えると、Kindleに対抗しなければならなかったので、お値段は500ドル以上付けられなかった、と考えると、予想を大きく下回るこの価格も納得できるというもの。

 しかしながら、これらのニュースを持ってしても、大方の反応通り、私も肩すかしな感じでした。

・iPhone OS搭載(デスクトップUIはアイコンの間隔が広がっただけ)
・マルチタスク非対応
・カメラ無し
・Flash非対応
・USB、SDカードスロット無し

 もともとフル版のOS Xを搭載してこないかと期待していた部分もありましたが、これまであまりにも噂が先行していた部分もあり、iPhoneファミリそのままの現物に「アレ?」という感想を持ってしまったわけです。
 しかしながら、予想を超えて残念だった部分もありまして。特に、マルチタスク非対応とFlash非対応には正直驚きました。まさか!って感じです。高速なCPUと広い画面、余裕のあるメモリを持ってして、何故?という。全画面占有型のアプリばかりとはいえ、インターフェイス的にいくらでもやりようがあったと思うのだけど・・・

 私の印象としては、電子ブックリーダー含む、メディア閲覧特化型の端末だと感じました。
 結局、ノートPCの代替としては、インタラクティブなページの最大派閥を占めるFlashに非対応な時点でとてもフルブラウザとは言えないし、iWorkが移植されたにせよ、生産性では大きく劣るのは否めないです。また、iPhoneに比べて携帯性も高いとはとても言えませんしね。
 そう考えると、メディアをiTunes Store経由で購入してiPhoneやiPodよりも快適に見るための上位デバイスという位置づけではないでしょうか?

 となると、現時点での日本未発売も何となく見えてきます。ここでも触れられていますが、日本の場合、まだiTunes Store経由での映画の販売も行われていないほどですので、目玉となっている書籍についても怪しいもの。最終的に販売までこぎ着けられたとしても、どれくらい先になるかは分かりません。となると、当面の間のiPadのコンテンツは「Web」と「音楽」、そして「iPhone用アプリ」となります。大画面向けのコンテンツが事実上Webだけというのは正直厳しいかもしれないですね。・・・どこぞで、「iPhoneは小さいから老眼には厳しい。だから売れる」とかいうコメントを見ましたけれど、高齢者が買うデバイスだとはとてもじゃないけど思えないし・・・

 せめてFlashには対応して欲しかったというのが最大の残念な点です。あとUSBコネクタを「オプション」にしないで欲しかったです。とりあえず、現時点では購入は無いですね。もちろん、日本で売ってくれるかどうかは分からないですけど。


ウィルコム、会社更生法を適用・・・となるかも知れない

2010-01-27 20:26:34 | Thinkings

 昨日は、突然の発熱、止まらない咳、節々の痛み・・・つまり風邪を引いてしまって、ずっと寝込んでおりました。インフルエンザではなかったようですが、だいぶん苦しみました。やっぱり健康が一番ですね。

 さて、風邪を引いた程度では、長くとも数日も伏せっていれば元気になりますけれど、会社の場合、症状が表面化するのは手遅れに近い状態でしょうから、そうも行かないんでしょうね。と言う事で、現在、全国区で唯一のPHS事業者であるウィルコムが、会社更生法を適用、という報道がありました。もっとも、ウィルコム自身は否定していますので、日経のとばし記事という可能性があるわけですが。

ウィルコム、会社更生法を適用へ (追記:ウィルコムいわく「憶測記事」) engadget

やっぱりこうなりました。今朝の日経報道によると、経営再建を模索してきたウィルコムは会社更生法の適用を受ける方向で最終調整に入ったとのこと。
-中略-
企業再生支援機構およびソフトバンクの支援を前提に法的整理を経て再生を目指すものになるようです。日経報道にいわく、ウィルコムは2月にも東京地裁に会社更生法の適用を申請する方向で調整中。

 ウィルコムによれば、これはあくまで日経の憶測記事であり、顧客や代理店への影響はない、とのこと。

 ウィルコムと言えば、安価な定額性データプランですが、最近はE-Mobileのような新興企業にくわえ、3大キャリアもデータ通信には力を入れていますので、速度的にも価格的にも優位性が薄れているというのが現状です。現時点では会社更生法は無いにしても、何かしら次の一手が無いことには、最終的には会社更生法の適用となるのではないでしょうか。

 そういえば、私の連れの一人がウィルコムを使っているのですが、以前に「ソフトバンクが支援に乗り出す」という話をしたところ、「ソフトバンクがイヤでウィルコムにしたのに、そんなのってないよ!」と嘆いておりました。会社更生法が適用になり、ソフトバンクのグループ会社にでもなった日には、彼はなんて言うでしょうかね?


地上アナログ停波実験をやってみたらしい

2010-01-25 22:46:06 | Thinkings

 地上アナログに乗り換えどころか、初めて買ったテレビが地デジ対応だった私ですが、我が家には地デジ非対応テレビがまだ一台残っています。そのテレビの処遇をどうするか、ちょっとばかり悩んでいるわけですが・・・

 それはそうとして、地デジ非対応のブラウン管テレビを使っている知人のアパートにて、「このテレビが使えなくなるまで、あと1年7ヶ月しかないじゃん」という話をしていました。自分の環境ではすでに地デジに完全移行してしまっていますので、アナログ停波のことなんてすっかり頭から離れていた矢先の出来事でした。これまではぼんやりとしか考えていなかったのですが、年が代わったことで急に実感が湧いてきました。

 そんな中、こんなタイトルのニュースが目にとまったのはある意味必然だったのかも知れませんね。

地デジ完全移行、石川県珠洲市でリハーサル実験が終了 CNET

 総務省は、地上デジタル放送への完全移行に関するリハーサル実験が1月24日に終了したと発表した。これは石川県珠洲市と能登町の一部で実施されていたものだ。

 今回の実験は、2011年7月のアナログ停波を前に一部地域でアナログ放送停波させ、予想されるトラブルの認知や、対応策を講じるために実施されたもの。石川県珠洲市と能登町の一部地域がモデル地区となり、1月22日正午から24日正午までの48時間、アナログ放送が停止された。

 一部地域がどれくらいの範囲を差すのかは分かりませんが、まだ移行が住んでない世帯が含まれていたとしたら、丸二日間なんてたまったものじゃなかったでしょうね。とりあえず、24時間くらいで様子を見ておけば良かったのに・・・

 サポートには49件の問い合わせが寄せられたそうですが、総務省のページに行っても資料が無い為、その母数がどれくらいかが分からないため、本当に「大きな混乱が無かったのか」は分かりません。その実験の前にきちんと周知をしていたとしても、丸二日間、全くテレビが見られない世帯がかなりの数あったと思いますので、それなりに混乱はあったんじゃないでしょうか?

 今現在、我が家のアナログテレビは祖父母専用となっています。使用頻度は当然私よりもずっと高いです。このような実証実験が今後どれくらい行われるか分かりませんが、自分の住んでいる地域が対象となったときには、ちょっと対策を考えなくてはいけないですね・・・


粘菌は路線設計のスペシャリスト?

2010-01-24 23:59:59 | Thinkings

 現実世界に起きる事象を想定し、複数の要素を与えることで模擬的に事象を再現、経過観察・実験する事を、一般にシミュレーションと言います。シミュレーションは、理論物理学のような極小かつ観測が難しいものや、天体の運動のような複雑且つタイムスケールの非常に長いもの、都市計画におけるインフラ整備のように莫大な予算のかかるもの・・・要するに、現実世界で実験するのが難しい分野において、その中でももっとも正解に近いであろうものを絞り込むのに使われます。
 同じ実験をするにしても、あらかじめシミュレーションでもっとも効果的なパラメーターを絞っておいて、それに近い範囲を重点的に調べることで、寄り少ない工程・予算で目的の結果を検証することが出来ると言うわけです。

 このようなシミュレーションは、主にコンピューターを使って行われます。使うリソースが電力と時間だけですので、トライアンドエラーがやりやすく、かつ作成するプログラムによって柔軟にシミュレーション内容を変えられるのが強みです。

 しかしながら、逆に言えばプログラムがうまくできていなければ、目的の結果に近づけないという事です。例えば、鉄道や道路、電力などと言ったインフラ網は、様々な条件の重なった複雑な地形状に張り巡らさせる為、「正解」を導き出すのは難しい分野です。そこで、こんな面白いものを使って鉄道網を「シミュレーション」した例が報告されました。

広がる粘菌が作った鉄道網 本物より「輸送効率」優秀? asahi.com

 アメーバ状に自在に広がる単細胞生物の粘菌が、駅の配置に似せてエサを置いた板の上で実際の鉄道網そっくりのネットワークを形成することを、科学技術振興機構の手老(てろう)篤史・さきがけ研究者(北海道大学電子科学研究所、数理生物学)らのチームが確かめた。粘菌のつくるネットワークは効率性や障害に対する強さの面で優れ、交通や物流、通信などの分野に応用できる可能性がある。

 元々粘菌は、迷路状の容器の中心に配置し、入り口と出口にエサを置いておくと、その迷路を最適解で解くようにネットワークを形成するという特徴がありますが、それを応用した形です。なるほど、高効率、高リスク耐性の栄養伝達ネットワークを作るように進化することで、これまでの淘汰の歴史を生き抜いてきたわけですから、この結果も納得できるというものです。
 なお、すべての駅をうまく結ぶために50回ほど実験を繰り返し、成功例は20回ほどだそうです。成功率も中々ですが、その実験アプローチは正にコンピューターシミュレーションのようですね。

 将来的には、鉄道だけではなく、他のインフラにも応用したいとのことですが、近い未来、粘菌によって設計されたインフラが、実際に敷設される日が来るかも知れませんね。


充電池にも”入門用”

2010-01-23 22:34:24 | Thinkings

 最近のモバイル機器は、ほとんどの場合専用設計の充電池を使うか、もしくは取り替えられない形で内蔵しています。例えば、手元にある携帯電話、iPodなどの携帯音楽プレイヤー、ほとんどのデジタルカメラ、ノートパソコン、そして携帯ゲーム機もそうですね。
 対して、従来からあるような単3電池等を使う機器というのは、時計やリモコン、懐中電灯と言った「電池交換のスパンが長いもの」と言うように、機器の棲み分けが出来てきたように思います。

 これを踏まえて、いざeneloop等の充電池を活用しようとすると、交換頻度の低い機器に充電池を使ってももったいないですから、使い道に困る場面というのが出てくるわけですね。・・・いや、普通は用途を決め打ちして買ってくるわけですから、そんなことにはならないですかね。我が家の場合は、Wiiリモコンと、旧型の携帯音楽プレイヤー用に現在使っており、今後は携帯電話などを出先で充電できる汎用充電器にも活用する予定です。

 考えてみると使用する機会は限られますが、うまく使えば非常に便利な充電池ですが、普通の電池に比べると、どうしても初期投資は大きくなりがち。そこで、パナソニックは充電池の「入門用」を設定して間口を広げる模様です。

充電式エボルタ安く…パナソニック YOMIURI ONLINE

 パナソニックは、乾電池型ニッケル水素電池の新製品「充電式EVOLTA(エボルタ)e(イー)」を4月20日に発売する。単3形2本で645円で、従来のエボルタより約250円、子会社となった三洋電機の「エネループ」より約150円安くなったという。充電式電池を使ったことのない層を中心に「入門用」などとして売り込む。

 従来品位比べて電池の容量は約半分で値段はだいたい5分の3といったところ。充電池を使う用途はスポット的なものも多いですから、使い方にマッチすればお得かもしれません。

 それにしても、ちょっと解せないのは、SANYOとの合併が秒読みと言われている中、何故わざわざEVOLTAブランドで出したのか?という点。個人的な予測ですが、合併後、ブランド力から考えて充電池はeneloop、通常の電池はEVOLTAで展開していくだろうと思っていますので、早めにブランドの統合を図った方が良いように思えるのですけどね・・・

 それよりも・・・これはちょっとどころではなく難しいのかも知れませんけれど、各社の充電池に対する充電器の互換表を付けてもらえると大変助かるのですが。基本的には使えるのは分かっているのですが、やはりメーカー違いのものを使おうとなるとちょっと抵抗がありまして。それとも、やはりパナソニックあたりが中心となって、ユニバーサル充電器の規格を作ってくれると良いかなあと思ったりもします。似たような製品が多いし、大きさや電圧的には規格化されているものですので、次はそのあたりの改善が進んでいったら、もっと便利になるのでしょうね。


3Dテレビ普及の壁

2010-01-22 23:59:59 | Thinkings

 断言しても良いですが、3Dテレビはしばらく普及しません。少なくとも後3~5年は経たないと、日常的に3Dコンテンツが流れる状況にはならないのではないでしょうか?

 先日、アバターの3D上映を見てきました。映像はすばらしかったのですが、3D映像になれていないのでやや疲れること、そして、やはり3Dメガネをかけなければいけないことが気にかかりました。普段、メガネをかけ慣れていない身としては、どうしても気になります。

 この3Dメガネですが、方式は違えど、現在発表されている3Dテレビにもほとんどの場合必要となります。テレビを見る際に何かが必要だというのは、例えばながら見と言った用途にはあまり向きません。また、正面から見る必要もありますので、要するに、あまり気軽に見ることが出来ないわけです。

 次に、コンテンツの問題。もちろん、今現在の放送、ビデオコンテンツの大部分は2Dです。つまり、これらを撮影している機材もほとんどが2D用であると言うこと。これを3D用に置き換えて行くには様々な面でコストがかかります。一部のスポーツチャンネル用に導入が始まっているものの、一般的な用途に関しては、今のところその動きすら無いと言うのが現状です。製品が初めて市場に出る頃、地デジの黎明期がそうであったように、本当に一部の番組で3Dコンテンツが流れると言う事になるのではないでしょうか。
 もっとも、ゲームの分野では、PS3ならば既存コンテンツでも3D化できるという発表もありましたので、早い段階からそのメリットを享受できるかも知れませんが。

 そして最大の問題は、まだ3D対応テレビが市場に出回っていないと言うこと。ごく一部の機種で販売が始まっていますけど、大手メーカー各社は発売を半年以上控えている状態です。ソニー自身が「3年後にはラインナップの主流に」と言っているくらいですから、3D対応ではないテレビの置き換えが完了するのはまだ大分先の話になりそうです。・・・地デジ対応テレビもまだ行き渡っていないですし、放送にしてもハイビジョンとSDが混在しているのですから、地デジのように「アナログだと見られなくなる」という切羽詰まった理由のない3Dの普及はさらに遅れると思われます。
 ブルーレイにしても、ソニーが初の民生機を出してからもうすぐ7年になりますが、未だにDVDの方が遙かにたくさんのコンテンツが発売されていますからね。

 これらの要因から、3Dテレビの動向について、今のところは特に神経質にならなくても良いと思われます。今年の夏くらいから各社のフラグシップ機を皮切りに徐々に3D機能が付けられていくと考えられますが、一般普及帯に降りてくるまでは数年はかかるでしょう。それまでに新しもの好きの皆さんが普及の是非を占ってくれると思いますから、コンテンツがそろい始める頃合いを見計らって動いても全く遅くないでしょう。

 と言うわけで、しばらくは2Dで良いんじゃないか?という記事でしたが、私はどうしても、日常的にメガネをかけてテレビを見るという生活が想像できません。ここぞと言うときだけ3Dにして見るようにするんでしょうか?出来れば、大画面に応用できる、メガネの要らない方法をどこかが発明してくれると助かるのですけどね。


Amazon Kindle、アップルのタブレットに対抗か

2010-01-21 20:44:14 | Thinkings

 「来る1月27日のアップルのイベントでいよいよタブレットが発表される」、という”噂”が、今ネットニュース界隈では「当然あること」という雰囲気です。真偽の定かでないリーク情報やその筋からの話が日々続々と出てくる。こういう流れは、アップルの基調講演前の風物詩にでもなってしまったかのようです。今更ながら、アップルのバイラルマーケティングの力はすごいなあ、と。

 さて、そのような噂に追われてか、それとも、iPhoneからの流れを受けての当然の準備か知りませんが、AmazonがKindle関連のニュースを二つ投下しました。

Kindle向け出版物の著者印税率を70%に倍増できるオプション

“Kindleアプリ”を開発・公開可能に、Amazon.comがSDKを提供へ 二本ともINTERNET Watch

 前者は、条件付きで通常35%の印税を70%(!)に倍増するオプション。後者はKindleでパズルゲームやガジェットを製作できるSDKの公開となっています。
 条件付きとは言え、印税が倍になるのは出版社にとっても魅力的なはず。Amazonは、コンテンツのさらなる拡充と、Kindleならではの機能を使えるコンテンツを増やすことで、ユーザーを囲い込む目的でしょう。
 SDK公開の方は、電子ペーパーではインタラクティブなコンテンツはちょっと難しいので、前述の通り、パズル等の動きの少ないアプリが多くなるでしょう。ただ、他社の電子ブックリーダーには無い、様々なアプリケーションを提供できる下地を整えることで、単なる電子ブックリーダーとは別のアプローチをユーザーにかけることで、新規顧客の獲得を目指すと言う事ではないでしょうか。

 そしてこれらは、動画や音楽に加え、電子ブックリーダーとしても使えると噂される、アップルのタブレットが発表されるであろう、月末の貴重講演会前になんとでも発表しなければならなかった・・・と考えると実に自然な流れの様に思えます。アップルの新製品に対してのマスコミの動きは、最近はちょっと過剰とさえ思えます。本当にアップルのタブレットが月末に発表されるならば、Kindleの話題なんて簡単に吹っ飛んでしまうことでしょう。

 と言うわけで、Amazonのこの動きから、私には1月27日のアップルのタブレット発表は「ある」としか考えられないように思えてきました。もしかすると「Today!」とか「Now!」とか壇上で言って、そのまま製品が発売される流れもなきにしもあらずです。・・・もっとも、1000ドルと言われる同タブレットを、実際買うかどうかはまた別の話ですけどね。