CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】一私小説書きの日乗 堅忍の章

2022-08-17 21:22:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
一私小説書きの日乗 堅忍の章  作:西村賢太

少し前にお亡くなりになってしまった西村氏の本、
日記をそのままといった感じなんだが、
これもまた、新しい私小説の形なんだろうか、わからんな
読みながら、自身の小説を読んで勘違いして喜んでいる輩が、
甚だ迷惑だと書いているところがあって、
それって俺のことなんだろうかとか、
意味のわからない不安にかられたりしながら
ただただ、自堕落とも異なる、妙な毎日を数行ずつつづってあるものを
えんえんと読まされる本でありました

実際の生活に即しているのか、そのあたりは闇の中なのだけども、
だいたい昼過ぎ、なんだったら夕方くらいに起床して、
とりあえず風呂、あるいはサウナに2時間とか、そんな生活をしていて
結構健啖家だったのか、どっかで飯食ったとか、自分で作ったとかの記述で
やたら料理が多いというか、書かれているのだけ読んでいると
一日というか、起きている間にとりあえず一食食べるみたいな
そういう生活を続けていたようにみえて
そりゃ早死にするなと、速かったといえるかどうかはともかく
不摂生を絵にかいたようだと思いつつ、
それでもあんがい、いいものを食べていたんだなと感嘆するのであった

編集者との楽しい飲み会の一言感想であったり、
ライフワークの実現に喜びの一言があったり、
読んでいて、そういう感じなんだと、なんのためかわからん理解が深まっていくのが
なんだか楽しいと思えた一冊だった
しかし、下の方もずっと元気だったようで、
どこで何をしていたか詳述はされないものの
感想で、当たりかどうか、そのさりげない一言が、
深いではない、なんだか、心の底から出ている何かを表しているようで楽しい
そういうお店も含めて、やたら風呂ばっか入ってるので
綺麗好きだったんだと思ったりしたのである

時折思い出したように、嫌いな人への悪辣な罵詈雑言を載せていたりするのも
なかなか楽しいのだけども、はっきりとした志というか、
書こうとするものがあって、それをひねり出しているんだなと
その職業姿勢に関心したりできて、ずいぶん楽しんだのでありました

長生きは無理だったろうけども、
この生き方で、このように生き抜けたのは
実によいことだったんじゃないかとか
勝手な感想を並べておくのである
駄文の餌にされたと、罵倒されそうなことを書いてしまった