あの図書館の彼女たち 作:ジャネット・スケスリン・チャールズ
パリにあるアメリカ図書館という施設を舞台にしたお話、
二次大戦中の話が出てくるんだが、これが史実ベースだというのが衝撃的だったんだが
難しい内容だと思っていたけど、最終的にはよくある人間の情動を描いた
シンプルな作品だったと思うのである
現代といっても少し前、1980年代を軸に、
アメリカに住む少女が、近所の人付き合いをしない謎のフランス人夫人と
奇妙な友情ともいえる仲を培うところから始まる
いや、始まりは、その夫人の若い頃、1939年のパリを舞台に
上述の施設で働いていた彼女の生活、そして、迫りくる第二次大戦、ナチスの軍靴の音、
そういったものを示しつつ、その過去が、現在の彼女に何を及ぼしているのか
それが解き明かされていくといった感じなんだが、
現代のアメリカに住む少女が、歴史的事実から比べると些細な、
さりとて、誰にでも起こりうる人間的な過ちや葛藤というものに悩み、
そこに夫人が助言をし、そして、過去の夫人の後悔が明らかになるといった感じで
歴史的事実の描写のすごさ、重さというものもしっかりと存在するけど
その裏にあった、人間の葛藤というものは
今現在、誰にでもあるそれこれの可能となんら変わらない
そういうことを示しているようにできていて、とてもよかった
アメリカ図書館というものが、パリで外国人向けの図書館として機能していたというのが
そもそも偉大なことだと思うわけだけども、当然そういった施設を
大戦中に敵国であるナチスドイツが占領下で許すはずもなく、
その占領下における悲惨さ、そして、それから解放されたときの危険性、
占領下のドイツ軍とよしみというほどでもない、
何か便宜がとあった人たちへの許されることのない私刑の数々というのが重たくのしかかり
そういったものを引き起こすのは、結局、思想やなんだということではなく、
ごく単純な人間の妬み、嫉みといった感情でしかなかったのではないか、
一時のそれに集団が当たり前に振り回されてしまったという事実、
それがともかく重く、そして、その重さが夫人の後悔を深く暗くしているというのが
暗たんたる内容なんだけども、
これがまた、いい感じで最期は救われていくような予感で終わるところがよくて
とても素晴らしい創作だと感じたのでありました
子供が成長するという過程、
その中で味わう人間的な感情の揺れというのが
大きな戦争時に、大人子供問わずに起こるという危険を示唆しつつも、
それを経て成長していくのだという強い光みたいなものが描かれていて
すごくよかったと思うのである
パリにあるアメリカ図書館という施設を舞台にしたお話、
二次大戦中の話が出てくるんだが、これが史実ベースだというのが衝撃的だったんだが
難しい内容だと思っていたけど、最終的にはよくある人間の情動を描いた
シンプルな作品だったと思うのである
現代といっても少し前、1980年代を軸に、
アメリカに住む少女が、近所の人付き合いをしない謎のフランス人夫人と
奇妙な友情ともいえる仲を培うところから始まる
いや、始まりは、その夫人の若い頃、1939年のパリを舞台に
上述の施設で働いていた彼女の生活、そして、迫りくる第二次大戦、ナチスの軍靴の音、
そういったものを示しつつ、その過去が、現在の彼女に何を及ぼしているのか
それが解き明かされていくといった感じなんだが、
現代のアメリカに住む少女が、歴史的事実から比べると些細な、
さりとて、誰にでも起こりうる人間的な過ちや葛藤というものに悩み、
そこに夫人が助言をし、そして、過去の夫人の後悔が明らかになるといった感じで
歴史的事実の描写のすごさ、重さというものもしっかりと存在するけど
その裏にあった、人間の葛藤というものは
今現在、誰にでもあるそれこれの可能となんら変わらない
そういうことを示しているようにできていて、とてもよかった
アメリカ図書館というものが、パリで外国人向けの図書館として機能していたというのが
そもそも偉大なことだと思うわけだけども、当然そういった施設を
大戦中に敵国であるナチスドイツが占領下で許すはずもなく、
その占領下における悲惨さ、そして、それから解放されたときの危険性、
占領下のドイツ軍とよしみというほどでもない、
何か便宜がとあった人たちへの許されることのない私刑の数々というのが重たくのしかかり
そういったものを引き起こすのは、結局、思想やなんだということではなく、
ごく単純な人間の妬み、嫉みといった感情でしかなかったのではないか、
一時のそれに集団が当たり前に振り回されてしまったという事実、
それがともかく重く、そして、その重さが夫人の後悔を深く暗くしているというのが
暗たんたる内容なんだけども、
これがまた、いい感じで最期は救われていくような予感で終わるところがよくて
とても素晴らしい創作だと感じたのでありました
子供が成長するという過程、
その中で味わう人間的な感情の揺れというのが
大きな戦争時に、大人子供問わずに起こるという危険を示唆しつつも、
それを経て成長していくのだという強い光みたいなものが描かれていて
すごくよかったと思うのである