一八〇秒の熱量 著:山本草介
あるボクサーを追ったドキュメンタリ番組の取材を
改めて文章に記したものでありました
ドキュメンタリのほうを見ていないのでなんともいえないが
タイトルの通り、凄い熱量というか、
青木ジムの会長、著者、ボクサー、トレーナー
それぞれが狂っていたと、みんなが言うような状況に
文章を読んでいて、飲み込まれた
一種、自分も一緒に狂うことができたと思えたような
凄くいい本でした
これは読んでよかった
うだつのあがらないというか、
あんまりぱっとしたところのないボクサーなんだが、
30歳デビューで、年齢による強制引退が控えているという状況、
回避するには、誕生日までのわずかな時間でチャンピオンになること
という、とんでもない状況でトライしていくドキュメンタリだったようで
これは、番組のほうもなかなか面白かったんじゃないかと
読んでいて、まさかと思えるような展開に
わくわくさせられたのであります
興行だから、ひょっとしたら八百長も含めてあったのかと
テレビだけだったら、穿った見方をしてしまいそうだったけど
この本を読む限り、実に不思議なものだ、
そして、よくわからない勝利というか、一歩一歩先へ進んでいくことの楽しさ
そこに挑む狂気が伝わってきて凄い面白い
また、ボクシングジムのマッチメイクという仕事の謎にも
少しだけ迫っていて、こちらの記述も凄い面白かった
いや、この物語(実話だけどもさ)の面白さの半分は
このマッチメイクにあったともいえる
これがボクシングという世界なんだなと
まったく知らない面白さに衝撃を受けたのでありました
どうやって、自分のボクサーを格上と戦わせるか、
そのためにどんな駆け引きをするか、
その挑戦の先に、思わぬラッキーが転がってきたり
それがまた、危険極まりなかったり
悪辣極まりなかったりとか、まぁ、なかなか面白い
ボクサー本人の、ある種謎めいた生活なんかも面白さに拍車をかけていて、
手放しにヒーローとして喜べる感じではない、
妙なこだわりでもないが、どこかおかしいと思えるところと、
さしたる武器もないのに、ただ、一点突破に張っていくだけという
危険な賭けを続けていく戦い方が、本当に面白くてよかった
ろくでもないことだけど
これが面白さなんだなと感じ入ったのでありました
残りは余生という話には、衝撃を受けるようでもあるが、
実際そんなものだとも思えたのが怖い
このときから余生と思えるような人生を送ったということは
ある種羨ましいのではないかとも感じたのでありました
自分には、少なくともここがというところが
見えてこないし、先にあるとも思えないとすると
余生を明確化できないという、悲しみがあるなと落ち込むのである
実際は、番組が成立するか危うい感じでもあったようで、
文章で、ブーストされた熱量にあてられてるだけで
もっとしょぼかったのかもとも思ったりするんだが
ともかく、面白く読めたドキュメンタリ本で
大変満足でありました
あるボクサーを追ったドキュメンタリ番組の取材を
改めて文章に記したものでありました
ドキュメンタリのほうを見ていないのでなんともいえないが
タイトルの通り、凄い熱量というか、
青木ジムの会長、著者、ボクサー、トレーナー
それぞれが狂っていたと、みんなが言うような状況に
文章を読んでいて、飲み込まれた
一種、自分も一緒に狂うことができたと思えたような
凄くいい本でした
これは読んでよかった
うだつのあがらないというか、
あんまりぱっとしたところのないボクサーなんだが、
30歳デビューで、年齢による強制引退が控えているという状況、
回避するには、誕生日までのわずかな時間でチャンピオンになること
という、とんでもない状況でトライしていくドキュメンタリだったようで
これは、番組のほうもなかなか面白かったんじゃないかと
読んでいて、まさかと思えるような展開に
わくわくさせられたのであります
興行だから、ひょっとしたら八百長も含めてあったのかと
テレビだけだったら、穿った見方をしてしまいそうだったけど
この本を読む限り、実に不思議なものだ、
そして、よくわからない勝利というか、一歩一歩先へ進んでいくことの楽しさ
そこに挑む狂気が伝わってきて凄い面白い
また、ボクシングジムのマッチメイクという仕事の謎にも
少しだけ迫っていて、こちらの記述も凄い面白かった
いや、この物語(実話だけどもさ)の面白さの半分は
このマッチメイクにあったともいえる
これがボクシングという世界なんだなと
まったく知らない面白さに衝撃を受けたのでありました
どうやって、自分のボクサーを格上と戦わせるか、
そのためにどんな駆け引きをするか、
その挑戦の先に、思わぬラッキーが転がってきたり
それがまた、危険極まりなかったり
悪辣極まりなかったりとか、まぁ、なかなか面白い
ボクサー本人の、ある種謎めいた生活なんかも面白さに拍車をかけていて、
手放しにヒーローとして喜べる感じではない、
妙なこだわりでもないが、どこかおかしいと思えるところと、
さしたる武器もないのに、ただ、一点突破に張っていくだけという
危険な賭けを続けていく戦い方が、本当に面白くてよかった
ろくでもないことだけど
これが面白さなんだなと感じ入ったのでありました
残りは余生という話には、衝撃を受けるようでもあるが、
実際そんなものだとも思えたのが怖い
このときから余生と思えるような人生を送ったということは
ある種羨ましいのではないかとも感じたのでありました
自分には、少なくともここがというところが
見えてこないし、先にあるとも思えないとすると
余生を明確化できないという、悲しみがあるなと落ち込むのである
実際は、番組が成立するか危うい感じでもあったようで、
文章で、ブーストされた熱量にあてられてるだけで
もっとしょぼかったのかもとも思ったりするんだが
ともかく、面白く読めたドキュメンタリ本で
大変満足でありました