CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】パイルドライバー

2017-09-15 20:58:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
パイルドライバー  作:長崎 尚志

ハードボイルド小説といっていいんだろうか、
刑事モノ小説で、未解決の世田谷一家殺人事件をモチーフにしたと思われる内容、
それと同じような事件がまた起こりと、書いていたら、
なんか64もそういう筋だったよなと思い返したんだが、
そもそも、過去の事件の繰り返しというのはよくある手法なんだと
思い至ったのであります、読書量が足らないなぁ

さて、それはよいとして、その模倣なのか、あるいは再度なのか、
そのあたりの謎を追いかけつつ、警察内にも謎の圧力だとか、
様々な陰謀めいた話が出たり入ったりして、
煙にまかれながら話が進んでいく
主人公は、警察辞めようかと迷っている弱弱しい刑事で、
そこにベテランというか、既に引退していた辣腕OB刑事がやってきてと
クラシカルな二人組みが事件に挑んでいくのであります
この二人の関係もなかなかステキな感じでありながら、
主人公が成長というよりも、その才能を適応させていく
向いていないと思っていた刑事の仕事に
だんだんと目覚めていくような展開がステキで
読んでいて、わくわくさせられるのでありました

それでいて、物語、いわゆる捜査の進展は
進んでいるような、そうでもないようなということが
何度も繰り返されたりして、やきもきしつつも
辣腕OBの素晴らしさで少しずつ近づいていくんだが
これを疎ましく思ったり、なんだかんだがあってと

はては、移民問題だとかもかかわりだしてと
えらいことになったと思えば、真相はなるほどというところに
落ちていくのでありました
解けてしまうとなんというでもないと思えるけども
非常に面白い小説でありました

昔モーニングでやってたマンガに似ていると思ったんだが
どうもその原作者の人だったようで、移民について一家言というか
ひとつなにかあるんだろうなと思わされたりしつつ
関東の移民状況というのはどんなものなのか
なんだか、気になったというか興味深いと思わされたのでありました