CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆〉

2016-07-16 15:14:44 | 読書感想文とか読み物レビウー
謎のアジア納豆 そして帰ってきた〈日本納豆>  著:高野 秀行

久しぶりに面白い本を読んだと快哉、
アジア各地で食べられている納豆的なものを探す旅について
そのルポとドキュメンタリがつづられていた
非常に読み応えもあるし、楽しい一冊でありました
大変面白かった

アジアの秘境で、そういえば納豆を食べた気がする
著者の数十年前の経験から、納豆のルーツというか、
海外の納豆について調べていく内容ながら、
気づいてしまうと、納豆はそもそも日本独自のというのも
なんか違うんじゃないかと思われる様相となり、
入り組んだというか、さまざまな歴史や、実地での確認を繰り返して
納豆的な食べ物をアジア各国で探してきたと
そんなスペクタクルなお話でありました
この取材の過程が、非常に楽しそうというか面白くてよかった

タイやミャンマー、ヒマラヤのあたり
ともかく辺境部族的なところで、
よくよく食べられているということがわかってきて、
それが、はたして日本の納豆と同じか違うか、
製法から確かめてみようと
現地に飛び込んで、納豆を売っている人を探しては
作り方を訪ねてという繰り返しなんだが
これがもう、下手な旅レポよりもよほど面白い
現地の人とのほほえましいやりとりもさることながら、
納豆を通して、生活が垣間見えるような部分が
丁寧に描写されていて、なんだか
実際にそこへ訪ねていったかのような気分に浸れた
素晴らしいなこの本

製法にもさまざまな種類があって、
納豆としても、ひき割りだったり、ペーストだったり、乾燥だったりと
千差万別、ここまで多様なのかという感じで興味深い、
また使い方もあれこれ描写されていて、
字面でおう分にはどれもこれも大変おいしそうで
いい塩梅だなと、なんとも楽しい読書でありました

食べ方、作り方でなんとかルーツを探ろうという
この探究の過程が何よりも面白いので、
論文めいた内容となってもおかしくなさそうなのに
面白い読み物というジャンルから逸脱せず、
大変ためになったように感じるところ
これが取材であり、調べるということなんだなと
なんか、感心してしまったのでありました

こんな仕事で毎日過ごせたら
それはそれで楽しそうだと思ったんだけども、
これをずっとやり続けるのはやはり無理があるなぁと
自分におきかえてみて、
こういう、大人の夏休みの宿題みたいなのは
憧れもあってか、楽しい時間をくれるものだと
感心と感動を覚えたのでありましたとさ

納豆は人間の生活に根差した
根源的な食い物だというのに感動である

【ドラマ】一路

2016-07-15 20:44:36 | ドラマ映画テレビ感想
BSからの輸入ドラマだったと記憶していますが、
一路、浅田次郎さん原作だから、
これまた辛気臭かろう(失礼)と思いつつも、それを期待して
時代劇オブ時代劇を見たいと思えばこそ
楽しみに見続けたのでありました
見終わって、ちょっと長かったというか、
むしろ、一話が短すぎたんだろうか
なんか、編成に違和感があったのが一番でなかろうかと
感じたのでありました

内容としては、参勤交代を扱いながら、
藩内の陰謀であれやこれや、
殿様がうつけをかこってたり、苦労を重ねる年若主人公なり、
刺客が近くにいて挙句味方になったりと
まぁ、望んでいた通りにお約束が踏まれていて
それはとても楽しんだわけでありました
役者さんも、若い人でそろえていたのが
また新鮮というほどでもないんだが、いい塩梅で、
見守るという見方になったのは
私が年齢を重ねたせいでありましょうが
楽しんだのであります

まぁ、とはいえ、手放しですげぇ面白かったというわけではなかったというか、
やっぱり、編成のせいなんだろうか、どうも
変なところで間延びしてるように感じるし、
そうかと思うと、あわただしく終わっているようにも思うと
相反することが二つ同時に起こっていたように感じたので
やっぱり、一話が短すぎる、それでいて、
話数が長すぎると、そういうことだったのではと
思ったりしたのでありました
これはこれで実験的なものなのかもと思えば
今後、そのあたり修正した新しい時代劇を渇望するのでありました

まぁ、何よりもというか、もう一点、ただただ
ああ、これだなと見ほれてしまったのは、
渡辺大さんの演技というか、所作、声、雰囲気でありまして
お父さんそっくりだなと驚いたのでありました
もう声なんか、そっくりすぎてびびってしまった
そして意識したのかそうでもないのか、
殿様が刀奮うという不思議な光景なんだけども、
片手剣で戦う姿が、これまた、親父殿を彷彿とさせて、
ありゃわざとだよな、もう、それだけで驚いたのであります
これはこれで、ひとつ見せられたなぁと感じつつ
新たな形も今後見せてくれようと思うと
なんだか、期待できるなんて
本当、楽しみが増えたという感じで見てしまったのでありました

そのほかの役者さんも、みんな相応にといったらいいのか、
実際年齢よりは上だけども、テレビで見ていると
いわゆる若手という人たちが、相当の役職をやっているというのが
なんだかいい感じだと思えて、楽しめたので
今後も、こういう、枠を大切にしてほしいなんて願うのでありました

【読書】あの家に暮らす四人の女

2016-07-14 19:20:46 | 読書感想文とか読み物レビウー
あの家に暮らす四人の女  作:三浦 しをん

実に不思議なとりあわせの女四人が住む洋館で、
面白おかしい住人たちの生き様や、
腰の抜けたストーカー、
河童の川太郎と愉快なお父さんなどなど、
なんだか、よくわからない
気の抜けた話が連綿と続く
不可思議きわまりない小説でありました

年老いた母と暮らす、アラフォーの娘、
その友達と、友達の後輩、
こんな四人が、古めかしい洋館で暮らしながら、
他愛のない事件というか、日常を繰り広げていく
そんなお話でありましたが、
章にわかれるでもなく、まさに連綿と続く物語で、
読んでいると、ある程度エピソードごとに
話をわけられるんだけども、
その起伏が極端に少ない
まさに日常が続いているという錯覚を覚えるほどで
これはこれで面白い読み物でありました

読んでいて、ほんわかというでもないけども、
あまり何か複雑に考えることもなく、
女たちの喜劇を見届けるという感じだったのだけども、
ある種、これは理想的な女所帯というか
女の夢ではないのだろうかと思ったりするところ
男の介在の余地が、きわめて外側というか
生活には入ってこず、彩りとしてしか出てこない
暮らすという、生活部分では、
あれやこれやと、気をもむばかりの女ばかり
文句をいいつつも、結局なんだかんだみたいな
この家族的な堕落が、
なかなか楽しそうではあるなと思わされたのでありました
こんな感想抱いた時点で
世の中の女性にしばかれそうだけども、
そう感じたので仕方ありません

そんなこんなで、
とりたてて大きな事件や何かがあるはずもなく、
それでも、なんだか毎日生きていくということを
明るくとらえられそうな気分になれたので
よい小説だったと思うのでありました
女性独特の言い回しというか、
この内面描写はクセになるな、
最近こういう小説ばっかり読んでいる気がしてしまう

【読書】マル暴総監

2016-07-13 21:04:00 | 読書感想文とか読み物レビウー
マル暴総監  作:今野 敏

こわもてで、かなりハードボイルドな警察ものかと
身構えて読んだのですが、
なんてことはない、警察ものの、面白い小説でありました
ライトだったというほどでもないんだが、
コミカルで、どす黒く、血みどろのそれではなかったので
安心したという感じであります、楽しかった

どうやらシリーズ物だったようなので、
主人公の人となりは、この一冊でしかわからないながらも、
まったく気になることもなく、
新しい刑事像といっていいのか、弱弱しいけど官僚的な仕事ぶりをする
エリートではないけど、こつこつ真面目に働くという
おおよそ、マル暴対策に向いてなさそうな主人公像が
ステキだと感じた次第でありました
新しいようにも感じたけど、ひょっとすると
こういうキャラは、刑事小説業界では新興で増えてるのかも
そんな風に感じるほど、いまどきっぽかった

だいぶいい加減な警察組織というか、
警察のキャラクタが面白おかしい感じでよかったのでありますけども、
話としては、殺しも絡みつつ、ミステリになりつつで
あれこれ謎解きしながら挑める内容
最終的に、切った張ったなんか出てくることもなく、
少しばかり、ヤクザ屋さんとのやりとりに
ケレンミが見られたくらいで、あとは
まずのほほんとした感じでよかったように感じたのでありました

かけだし刑事の成長ものと読むこともできるし、
ありがちな関係と言ってしまえそうなんだけども、
非常に安心して読める、上司部下の関係でもあるなと
なんだかんだ、和みながら読み進めたわけであります

まぁ、最終的にはキャバクラを奢るという買収工作が
これほどまで力を持っているとはと
しょーもないことを覚えて終わる感じでありましたけども、
そのあたりも含めて、昭和っぽさと平成っぽさが
ごたまぜになった刑事もの小説だったと
感じたのでありました

【読書】言葉が鍛えられる場所

2016-07-12 21:04:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
言葉が鍛えられる場所  著:平川 克美

エッセーでありますけども、
内容は、詩歌に関するもので、非常に興味深い内容でありました
前日に読んだ、「自分の時間」でも、本を読むことが奨励されていて、
とりわけ、詩歌に関する著述が優れていましたので、
まぁ、期せずして、詩歌に親しむ機会とは
なかなかどうして、縁のものだと感じるのであります

内容は現代詩についての感想と、それにまつわるエッセーでありまして、
正直、知らない内容ばっかりだったわけですが、
それでも、中学のときに国語の教科書で読んだと思い出すような
有名な詩もありまして、なかなか面白かったのであります

よくよく思い出してみても、
詩というのを国語で習ったとは思うんだが
実際、それがどうだというのは
もしかしたら教えてもらったかもしれないのに
さっぱり記憶にない、あるのは詩そのものを記憶させられた
それだけだなと、情けない有様なのでありました

そこにきてこの本で、詩歌の読み方というか、
著者が読んで感じたところを書いているというのが
なかなか面白いといっていいのか、興味深いのでありまして
読み方を教えてもらうような
そういう気分で読んだのでありました

まぁ、そういう手習いの気持ちがあったわけなんだけども、
やっぱりよくわからんというのが正直なところで、
詩歌は、できるだけ研ぎ澄まされた、言いたいことを凝縮して選んだ言葉であると
そこはなるほど、わかるなと思えたわけで、
でも、個人的にはそれなら、短歌や川柳でよくないかとも
思ったりしてしまうんだが、それとは別の
魂みたいなのが、この詩というものにはあるのだと
おぼろげに学んだ気分に浸るのでありました

伝えたいことを強烈な言葉に託すという
その所業が、芸であるのが詩のようであるが、
それを感じ取るには、なかなか修行がたらんなと
自分を省みる一時でありました

【読書】自分の時間 1日24時間でどう生きるか

2016-07-11 21:17:21 | 読書感想文とか読み物レビウー
自分の時間 1日24時間でどう生きるか  著:アーノルド・ベネット

あんまり知らないで読んだのですが、
読んでおくべき古典の一つにあげられていると
解説あたりに書いてありました
時間に対する心構えといえばいいのか、
その価値と利用について、簡潔にまとめた本でした
書いてあることは、なるほどと
納得に次ぐ納得でありまして、
良書すぎるせいで、何回か読まないと
血肉にならないと思わせる
読みやすく、そして、含蓄の深い内容でありました

この世でもっとも大切で、
なるほど平等なものとして時間を挙げております
残り少ないとか、唐突に明日がこなくなるとか
そういうのは、ひとつ考えの外にしまして、
誰に対しても、1日は平等に24時間しかやってこず、
それを、前借もできなければ、後ろ送りにすることもない、
24時間過ぎたら、また、誰にでも
まっさらな24時間がやってくる
こんな凄いものをちゃんと利用しないで
人生がうまくいくはずもないと、
まぁ、そういうお話が書いてあったわけでありまして
そりゃもっともであると
頷くばかりでありますところ

内容は、そのうち、糊口に関わる8時間が、
退屈で窮屈で死にそうだという人にとって、
それ以外の16時間に焦点をあてて、
また、その16時間をどれほど有効につかうかによって
人生の彩りが変わってくるということを
力説していたわけでありました

また、8時間はおろか、働く時間に相当を占められると
そのあたりについては、それだけ働くならば、
その働きのなかに生きがいがあってしかるべきなので
なんもないで過ごす人生よりは
よろしかろうという、ちょっと突き放されているものの、
確かになぁと思わぬこともない、
されど、現代社会ではそうともなぁと
これまた思わなくもないんだが
24時間は、当時も今もかわらないはずなのに
不思議であります

と、まぁ、そんなわけながらも
一週間を6日間として計算し、
かつ、予定を綿密に計算し、なによりも
集中する訓練をすることで、無駄時間を利用して
円満に仕事をすすめて、待ちに待ったそれ以外の時間に
楽しみの最大をもっておけば、
毎日が充実して仕方ないと
そう書いてあったわけでありまして

なるほどなと、早速行動に移そうかと思いつつ
そう、この行動したというのが大切だと
これまた、それについても言及していて
なんだか、よくわからんが励まされたように感じた
一冊でありました
こういう読み方する本じゃない気がするけど
まぁ、いいや、楽しかったし

真田丸  不信

2016-07-10 19:49:52 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了というか、いや、やな話だったな
そう思っているのであります
あんまり見たことないアングルというか
こういう、すれ違い話好きだよなと
新撰組!のときの、届かない御用金の話を思い出させる
後味の悪さでありました
面白いんだが、日曜日の夜に見たくないのう

ここまでしっかりと秀次事件を扱った大河は
初めてみたと、まぁ、暦が浅いという話でもあるんだが
なかなか面白く見終えたのは確かなのであります
人間不信をもとに、どうしても歯車が違っていく秀吉と秀次
これもありそうな話だけど、
今まで見たことなかったので新鮮でありました
不信がきわまって、ろくでもなオチに転がるなんて
人生ありそうな話なんだが
なかなか、凄いなと秀次周りの話は白眉であります

豊臣が滅んでいくターニングポイントといってもいい
重大事件を描いているので
当たり前だとは思うものの、これだけ丁寧にやられると
秀次が位に対して人がなかったと
それだと思い知るわけでありまして、
このあたりが、豊臣の人材不足というべきか
哀しいところだなと思わされるに十分であります
素晴らしいな

ああいう、いい人なんだけど上司にはちょっとという
まさに、そこらにいそうな人が秀次だったという解釈は
個人的には、違うなと思ってしまうんだが
この話では、すとんと落ちるというか
見事に作られてるなと
ここを基点に、相当の話が詰まれてきたと
うなってしまったのでありました
あの人のよさから、まぁ、悲劇的だろうなと思ってたが
ここまで凝った解釈が見られるとは夢にも思わずであります

来週、より一層の悲劇をもって死ぬだろうと思うと
なんとも、楽しみにするのは不謹慎ながら
待ちわびてしまうのであります

【読書】大きな鳥にさらわれないよう

2016-07-09 19:50:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
大きな鳥にさらわれないよう  作:川上 弘美

あかん、理解できなかった…
そんなわけで、久しぶりに飲み会が続いて
そぞろに読んだというのも災いしてか、
どうもうまく消化できませんでした
地球と人間を描いたSFだったと思うんだが、
根幹の語りたかったものとか、メッセージみたいなのが
掴みきれなかった、無念である

と、そんな按配の感想でだしなんだけども、
童話風というには少し小説めいている、
扱っているものは露骨に描写されてるんだが
裏で語ろうとしているものが、
見え隠れするんだが掴めないなんて、
かっこいい読み方をしてしまうような
不可思議なお話でありました
どうも、こういうのはうまく読みきれないと、
失われた町を思い出してしまうのであります

滅び行く人類について、その滅び行く世界を
ゆっくりと、時にスピードにまかせて、
時空の観念がゆがんで見えなくなるような
点々とつづられる情景みたいなのをくっつけて、
個人だとか、人間だとかを考えさせられる
そんな読み物だったように思うのであります

随分哲学的な思想だったようにも思うんだが、
もっと若い時分に、感受性豊かな身の上で読んだら
ぜんぜん見えるものが違ったんだろうかなと
ちょっと思わされたりしたのでありました
芥川賞系ではないんだけども
随分と難解だと、感じさせられた一冊でありましたとさ
ちょっと、濫読はなはだしいな

【読書】天下一の軽口男

2016-07-08 18:34:33 | 読書感想文とか読み物レビウー
天下一の軽口男  作:木下 昌輝

上方落語の始祖「米沢彦八」を描いた小説でした
まさか実在の人物だったとはつゆとも知らず、
お笑いを時代歴史ものとして読ませる
酔狂な小説だと思っていたので驚きであります

初期のお笑いの成り立ちを面白おかしく描いていて、
落語がだんだんと形作られていくさまが
非常に楽しく読めたのであります
「笑わせる」ということを仕事に仕上げて、
その方法を練っていくというのが斬新というか
面白い読み物たる部分であります
これって、いわゆる落語だよなぁなんて
読みながら思わされていったのでありますが、
順序立ててというか、彦八があれこれ工夫しつつ
仕上げていくさまを見ていると、
落語がなんであんな形になったのかが
いやにしっくりきたというか
なるほどなぁなんて、すっかり騙されたのであります

実際、小説中に、これが落語であるなんて
一言も出てこないというか
まだ、落語という言葉が生まれる前であるからか
お笑い噺をする芸という位置づけで、あれこれ、
このあたりが、今でいう落語の様々なジャンルにつながっていくというのが
ちょっと面白くて、もう少し落語に対して、
自分が知っていると、さらに面白かったのではないかと
惜しく思ったりしたのであります

軽いロマンスも彩られつつ、
真摯にお笑いで身を立てるため、あれこれ工夫していく様が楽しくて、
最後のオチというか、仕舞の部分については、
なんというか悲しさが、じんわりとやってくる、
この口惜しさみたいなのが、彦八本人にはなかろうに
読んでいるこちらには、ずいぶん残るというのが
新しい感動体験だなと思わされたのでありました
もうちょっとなのに、とか、そういうことを言いたくなる最後なのでありました

読む落語といっていはなんだけども、
そういう語り口で描かれていて
楽しく読み終えたのであります

【映画】TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ

2016-07-07 22:13:53 | ドラマ映画テレビ感想
私のおぼろ豆腐のような脳みそによると、
「若すぎて死ぬ」という訳なんじゃないかなんて
思ったりしたんだが、まぁ、どうでもいいや

そんなわけで、よくも悪くもクドカンの話だったと
それで事足りてしまいそうな、なかなかステキな映画でした
140分は長いと思っていたけども、
見終わってみると、まずまず、こんなもんじゃないかと
飽きることなく見られたので驚きでありました
終始、細かいギャグというか、しょーもないノリを
どんどんと乗っけてくるというか、押し付けてくるような
不思議な映像体験でありました、面白かった

見終わって感動、ないし、感激したという部分は、
・TOKIOの長瀬は歌がうまいんだという事実
・歌詞はなんだけど、曲が凄いよかった
・出演者数が多いうえに豪華
このあたりでありましょう
特に、出演者の多さ、その豪華さが並々ならぬ感じで
驚いてしまったのであります
人脈といったらいいのか、なんか出てみたいと
役者の人たちに思わせる何かがあるんだろうなと
感じた次第であります
みうらじゅんから、Charまでって、
どういうジャンルでどんな広さだよ

内容は、終始くだらない感じで、地獄に落ちた青年が、
どうにかして恋したあの子にもう一度会いたい的な話だけども、
まぁ、正直そのあたりもどっちでもよかったというか
話の筋とか、あんまり関係がない
以前、自伝というか自著でも語っていたとおり、
独特の、まさにクドカンというべき空気、童貞感がハンパねぇというか、
ものすごい垂れ込めるように充満していて、
変な笑いが5分に一回くらい訪れるところがステキでありました

涙するとか、説教とか、そういうのじゃなくて、
なんか面白そうなくだらないことを、ずらずらっと並べていくという
とんでもないものでありまして、その場、その場面、瞬間の面白さが
のべつまくなし並べかけてあるような感じでした
面白いんだけども、なんだろう、なんもないといったらいいのか
そこがいいんだが、どうとも言葉にできない

6弦の2フレットと1弦の24フレットを押さえるだとか、
地獄音楽バトルの見せ方だとか、
あのあたりはちょっと、もう何してんだか、
わかるようで、まったくわからない、たぶん撮ってる方も、やってる方も
みんな判ってないけど、勢いで押してきたという感じが
凄い面白かったように思えたんだけど
本当に、中学生から高校生くらいの男子の妄想とイメージと生活が
実にすばらしく再現されていたと感じたのでありましたとさ

あとは、オノマチが凄い上手かった
ああいうのも、まったく違和感なくというか
むしろ、すきっとハマってる感じが最高にロックだった
なんだかんだ、よい映画だったと思うのであります

【読書】秋霜

2016-07-06 20:08:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
秋霜  作:葉室麟

久しぶりに骨太の時代小説でした
面白かった、厭世的ではないんだけども、
突き放した感じの生き様、
武士のそれぞれの言い分と死に方をさらり描いていて
現世からでは没交渉めいた矜持が見え隠れして
凄くよかった

領主としての武家、武士とはといったことについて、
領民の暮らしを助けることだと
これを是とし、明らかとした立場からの小説で、
そこにそぐわぬ統治者や、
立場において責任を果たさぬものについて、
なかなか、考えさせられるところでありました
ちょっと、時代劇すぎているというか、
悪いやつが一方的に悪すぎたのは、
なんともはやというところでありましたが、
物語なんだからそりゃそうだろうというところ
本筋は、そこではなくて、
それに対して、そうではないという精力と
その方向とは違う、第三の道を探すというテーマが
見事であったように感じたのでありました

淡いロマンスもありつつの、
それよりは男たちの生き様、しかも終わりの、
責任の取り方なんて姿をいくつか描いていて
それぞれが、それぞれの矜持に従っていて
どれがよいとか悪いとかという
軽々しいものではないのが、ステキでありました

正直なところでは、最近疲れているせいか、
ここまで厳しく、それでいてわずかな希望で終わるというのは
なんというか、すかっとしない、
なんとも気が晴れないと感じてしまったのだけども、
考えるまでもなく、作者の作風であって、
これを楽しまずにどうするのだなんて
思ってしまったのであります
生きるというよりも、生きたという姿を見せて、
だけども生きるのが…みたいな感じ、
好きなんだけども、なかなか、ドラマとかで見ても
すきっとしないから流行らないだろうなと
感じてしまうのでありました
いい話なんだけどなぁ

そんなわけで、極めて厳しいものをさす秋霜に例えた、
世間や、なにかれに関する仕置きについて書いた
小説であったように読んだのです

【読書】アンと青春

2016-07-05 20:47:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
アンと青春  作:坂木 司

続きものの二つ目だったなんて知らなかった
そんな按配だったので、読んでいて、
この人誰だ?と思うような部分もあったけども
なかなか楽しく読めました
読み終えて、和菓子が食べたくなったから
お茶飲みに行っちゃったよ(抹茶点ててもらった)

そんなわけで、和菓子に関するエトセトラを教えつつ、
それでいて人生に悩む女子を描き、
話としては、ちょっとした言葉や、仕草をキーに
謎解きめいたもので進むという
不思議な短編連作というのか
連載的な小説でありました
あっさり読めるし、浮き沈みも緩やかなので
安心して読めました
そうだよ、こういうのでいいんだ、最近は心が弱ってるのか、
ぐるぐる動くのはしんどいのだ

と、言いつつも、なかなか仕事で悩む女の子というものが、
これまた、悩み方が些細じゃない
仕事とは何か、どうして生きてんだろうか、みたいな
えらい壮大な悩みについて思いつめていて、
気付くと、ちょっと疲れてしまってお休みみたいな
欝の初期症状みたいなのも出てきて衝撃
とはいえ、それがメインの話ではないので
まぁ、なんだかんだ、物語が進み、謎が解けていくと
前向きになるから
いいものでありました

和菓子に関する薀蓄が相当に多いので
なかなか楽しかったのでありますけども、
やや謎解きの忖度っぷりが、どうなんだと
思わなくもなかったところ
個人的には、蓬莱山の話は好きなんだが、なんだろう
考えすぎじゃないかと思わされたりしたんだけども
なかなかどうしてでありますね
あと、放射能に関する部分については
ちょっと考えさせられてしまった、そうなのかやっぱりなと
あんまり回りでそういう人を見ないせいか
堪えてしまった

京都についての話が、もうちょっとつっこんだところになるかと思ったけど、
独特の京都描写と、いけずめいたお話だけで終わって
ちょっと物足らなかったのでありますが
面白く読めたのでよしとするのです

【読書】国のない男

2016-07-04 21:15:45 | 読書感想文とか読み物レビウー
国のない男  著:カート ヴォネガット

アメリカのユーモア小説作家なんだそうであります
知らないで読んでしまったのでありますが、
世間に対してはすに構えた感じを
ケレンミたっぷりな文章で見せてくれた
面白いエッセーでありました
すでにお亡くなりになっているようですが、
戦争を生きて、人類のばかばかしさに愛想をつかした
そんな偏屈した感じが、
いやみなく、口うるさい爺のイメージでやってくる、そんな読み物

詩のような、
と例えていいのかわかりませんが、
メッセージを切り取った表現なんかが秀逸で、
ちょっと思想が表に出すぎというか、
かなり尖った感じで世間というか、人間に対して喧嘩を売ってるんだが、
腹が立つとか、不快になるというではないところが
不思議な魅力であります
なんせ石油に関して、その嫌悪が凄いというか
ここまで罵倒するかというほど
堕落している人類に対しての憤りが
ほとばしりすぎているのでありました
凄いな

戦争を体験し、人生において様々なことを想い考えて、
面白いとは何か、笑えるってどういうことかと
そういうことを突き詰めた人だったようで、
そこに対する、笑い=平和、なんて感じのことを
つらりひらりと書いているのが
軽妙で面白く読めたのでありました
極論ではあるけども、そうであってもいいなぁと
そんな風に感じる内容なのであります

そのコメディというか、笑いに対するありかたが、
イギリス人っぽいななんて勝手に思っていたんだが、
実際はドイツ人に近いんだそうで、
まぁ、この当てが外れた感想を読んでもらったら
それこそ腹を抱えて笑ってくれそうな具合なんだけども
シニカルと呼ぶのか、はすっぱで、噛み付く感じの笑いが
魅力的に書かれているのでありました
アメリカ人が、アメリカ人を馬鹿にしちゃいかんと、
一番馬鹿にしている人が書いてんだから
もう、そこ笑うところなのか、どうなんだと
思ったわけでありますわい

読み終えて、短いのになんかずっしり読んだなと
感触を重たく感じたのでありますけども
また、別の本を読んでみたいなと思わされた
不思議な魅力に触れた一冊でありました


真田丸  瓜売

2016-07-03 20:45:16 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
ドタバタしつつ、話は随分動いたというか
年表が進んだという印象でありました
やってることは、瓜売についてで、
結婚披露宴スピーチにおける上司間のエピソード奪い合いみたいな
そういう具合でありましたけども
まぁ、なんだ、現代からも変わらぬ日本人らしい何かですな(テケトー)

さて、全体を通して、
非常に重要なエピソードをいくつか通過したようにも思うところ、
個人的には、この世界にまっとうな女キャラはいないのかと
嘆息みまいたい、刑部殿の娘、ばば様の退場と同じくして出てきたけど
ちょっと、あのキャラの女多すぎだろう、
茶々が退場しない以上、きりがどうなってしまうのか
不安を覚えつつ見守りたいのであります

すっかり婿殿という具合でもないが、
お兄ちゃんがいい塩梅で大名として扱われつつあり、
徳川というか、本多から一目おかれるという素晴らしさに
感心しきり、瓜売りをぜんぜんうまくやれないところが
なんとも哀しい限りでありましたが、
そこも含めて、いい育ち方だと思うのでありました

それでいて、秀吉の中身というか
晩年衰えた説において、このあたりからおかしくなったと
そう評してくるところを、まだまだ現実を見たまま
踊ることでどうにかしようと苦闘していた秀吉とするのが
なかなか見ていて、いい塩梅だと思われるところでありました
ただ、ビッグスターの秀吉と家康が
腹のそこでそう思っていたとすると
あの宴自体が、なんといったらいいか
恐ろしく怖い宴会だったんじゃないかと思わされるのであります
大変よなぁ

結局秀頼について、その出自は
秀吉説でいきそうな風でありますが、
これもまた、見守りつつ楽しんでいきたいと
思ったりなんだったりなのでありました
何よりも、秀次がいい塩梅で狼狽してるのが
先の悲劇もふまえて、なんというか
楽しみといっていいのか、期待するところでありました

【読書】細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!

2016-07-02 13:55:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
細野真宏の数学嫌いでも「数学的思考力」が飛躍的に身に付く本!  
著:細野 真宏

数学はどちらかというと好きなんだけども
下手の横好きというジャンルなので、
これはと一つ、勉強がてら読んでみました
内容は、題名の通りで数学が苦手な、
どちらかというと中学生、高校生くらいが読むと
ほどよいといった具合の本でありました
さりとて、面白いといっていいか、
わかりやすく数学的思考について説明していました

最終的には、
・疑問を持ち
・仮説を立て
・検証する
これを繰り返すことが肝要であると、
よくある指南書のようになって終わったのでありますが、
その道程で、新聞の読み方だとか、
話の仕方なんかにクローズアップして、
こうこうすれば、かくかくなると
まぁ、そんなお話をレクチュアしてくれるのであります

読む分には、なるほどなと思って
本にもあるとおり、わかった風になれるわけですが、
実際の勘所は、何度も読む、ないしは実践しないと
身に付きませんというのはその通りでありますところ
これによって、数学的な思考を手繰れたかは
正直よくわかりませんが、
社会人も随分暮らしてきた身分としては
これに近い感覚は養っていたんじゃないかと
思ったりしたのであります

そういうわけで、学習的なそれこれというよりも
一番気になったというか、あれこれ考えたのは
掲載されていた、ただの数学の問題で

1,2,3,4,5というボールを
A、B、Cという箱に入れる
ただし、どの箱にも必ず1つはボールが入るとした場合
その組み合わせは何通りでしょう

これが非常に楽しかったのであります
答えは掲載されていて150通りとなっていたわけで
そこにいたる解法をずっと考えていたというか
この問題だけに、1時間くらい手間取ったあたり
自分の数学下手感がありあり出ておるなと思ったところ
結局、解法は掲載されていないので
どうしたもじゃろのうという感じなんだけども
考えてみたのは、

A、B、Cにボールが入るパターンは、
3・1・1、1・3・1、1・1・3、(3,1,1の組合せ)
2・2・1、2・1・2、1・2・2、(2,2,1の組合せ)
の6通りで、それぞれのパターンを算出し合算すればよいかと、
で、それぞれのパターン配分について、
3、1、1については、順列組合で5×4=20なので
3×20=60通り
とまではよかったんだが、2,2,1の組合せがよくわからん
5×3×2=30 で、3通りなので 30×3=90
60+90=150通りが正解?

と、まぁあれこれ考えたんだが、
4つから2つとる組合せが6通りなのが
計算でどう出すんだったか、3×2だとは思うんだが
これがどうやったら出てくるんだったっけかなど
あれこれ考えて、結局わからないまま
悶々としたのでありました
とりあえず、数学はやってないと衰えるということが
自分自身としては思い至った答えなのであります