CLASS3103 三十三組

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【読書】マネーモンスター

2024-07-24 21:02:56 | 読書感想文とか読み物レビウー
マネーモンスター  作:黒木亮

空売り屋シリーズとのことだが、そんなに既刊あったかしらと思いつつ
前読んだときは、どっちもどっちの集団の話しだなと感じた覚えだけあったのだけども
今回は、空売りの矜持といっていいのか、潰れてもいい会社を狙って空売りを仕掛けると
そういうお話になっていて、3本のマネーゲームが短編連作となっていました

どっかで聞いたことあるような話しやら、ないような話しやらといった感じながら
実際に、こんな感じの会社がいっぱいあったりするのかと思いつつ読む、
シャープを模したそれの話しは、読んでいて悲しい気分になってしまったのだが、
そのあとのEVに乗っかって、嘘八百でのし上がっていたアメリカ起業の話しについては
こんな感じの事件が実際あったんだろうかと、
あったとしたらとんでもねぇなと背筋が凍るような気持ちになって読んだのである
さらに、日本の地方銀行の話しとかも、なんか似たようなことがあったようななかったようなと
感じつつも、その内実のひどさというのが、なんとも読んでいて気が滅入るレベルで
なかなかどうして楽しいと言い難いが、面白い小説でありました

実際はもうちょっとわかりづらいものだろうと思うのだが、
空売り屋のレポートというのは実に興味深いので
ちょっと読んでみたいもんだと思わされたりしたのである
こういう仕手とは異なる一種の投機を呼び込む投資戦略というのは
実際あるのかどうか、世直しはさておいて、こういう値動きで儲けるというのは
実際ありそうだなと興味深く読むのでありました
とはいえ、虚業といってしまったら、元も子もないのだが
物語上ちゃんとやっている人たちが少しは救われるような気分になれるという感じが
よいようにも思うのだけど、結局そのどさくさで大儲けしている空売り屋というのは
やっぱり好きになれない業だなと思わされるばかりでありました

しかし、ひところ流行ったEB債というものの仕組みが、
ここにきて初めてわかったというか、
ここに書かれていた通り、ブレイクして大損こいた身分としては
ああ、そういうことだったのかと、プットオプション売りの意味を初めて知って
なかなか衝撃的というか、お金かかってんだから
ちゃんと勉強しようよ自分と反省ばかりつのったのである
本当、ちょろちょろ儲かっているような気分で、最後にやられるというのが
まさに書かれていた通りの動きをした自分を顧みる一冊となった


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