グリフィスの傷 作:千早茜
血がキーワードなのかしらと感じつつ読んだんだが、
傷の方だったかと改めて思いなおした
観念的な血というワードが、情景や色、痛覚、ある種の象徴として
ありあり目に浮かぶように文章に練り込まれていて、とても鮮烈だった
面白いと軽々にいうことはできない、描写といえばいいのか、
言葉選びがうまく、少ないそれらが組み合わさって、
あらゆる感情をかきたてていくようで、無駄がないというか、
読んで、揺さぶられる感情を知覚するに、読むことで傷つけられているのかとも
思ったりしてしまう読書になった、気取りすぎてる感想だけど、
そうさせられるような、影響力の強い文章の鋭さが満ち満ちている
傷というものを観念的にとらえてもいるけど、
変にひねっていたりせず、まっすぐに傷をとらえているといえばいいのか、
何かの抽象や比喩というのではないところがかっこよくて、
象徴とも異なる、傷と呼ぶものに意味があるような物語ばかりで
ぐいぐい読まされたのでありました
印象的だったのは、犬に噛まれた傷を持つ男と、男に傷つけられた女の話しで
この救いのなさもさることながら、だからこそ分かり合えてしまっているという
悲惨すぎて声もでないような短編が素晴らしくて、
なんというか、ため息がでるほどだった
また、傷が悪いイメージだけではなく、それによって救われたという話しも数点あり、
入れ墨と整形という悲しい救われ方もあれば、治療跡を傷跡と呼ぶといった感じの話しなんかも
透明感あふれてすばらしくて、様々な短編を楽しむことができた
比較的平易な文章なのに、とても深く面白いと思わされる
いい言葉選びと文章運びだと、読むのがすごく楽しかった
血がキーワードなのかしらと感じつつ読んだんだが、
傷の方だったかと改めて思いなおした
観念的な血というワードが、情景や色、痛覚、ある種の象徴として
ありあり目に浮かぶように文章に練り込まれていて、とても鮮烈だった
面白いと軽々にいうことはできない、描写といえばいいのか、
言葉選びがうまく、少ないそれらが組み合わさって、
あらゆる感情をかきたてていくようで、無駄がないというか、
読んで、揺さぶられる感情を知覚するに、読むことで傷つけられているのかとも
思ったりしてしまう読書になった、気取りすぎてる感想だけど、
そうさせられるような、影響力の強い文章の鋭さが満ち満ちている
傷というものを観念的にとらえてもいるけど、
変にひねっていたりせず、まっすぐに傷をとらえているといえばいいのか、
何かの抽象や比喩というのではないところがかっこよくて、
象徴とも異なる、傷と呼ぶものに意味があるような物語ばかりで
ぐいぐい読まされたのでありました
印象的だったのは、犬に噛まれた傷を持つ男と、男に傷つけられた女の話しで
この救いのなさもさることながら、だからこそ分かり合えてしまっているという
悲惨すぎて声もでないような短編が素晴らしくて、
なんというか、ため息がでるほどだった
また、傷が悪いイメージだけではなく、それによって救われたという話しも数点あり、
入れ墨と整形という悲しい救われ方もあれば、治療跡を傷跡と呼ぶといった感じの話しなんかも
透明感あふれてすばらしくて、様々な短編を楽しむことができた
比較的平易な文章なのに、とても深く面白いと思わされる
いい言葉選びと文章運びだと、読むのがすごく楽しかった