CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】インフルエンス

2023-10-04 21:05:05 | 読書感想文とか読み物レビウー
インフルエンス  作:近藤史恵

女の友情を描いたというとだいぶ違うな、でも女性だからこそといえそうな
形容しがたい感情と衝動の結果を描いた事件の物語だったように感じた
キーワードというほどでもないが、背景に、
団地暮らしであったり、毒親めいたものであったり、家庭環境を起因だと匂わせるような
そういう因子がいっぱいふりまかれているのだけども、
おそらくは、それのいずれもが決定打ではなく、かといって、関係がないわけでもない
そういうどうしようもないものにからめとられた人生を生きた
三人の少女の物語であったように思う

奇妙といえば大変奇妙な絆で結ばれていて、
一種の犠牲を伴うものを強いたり、受け入れたりといったことがあり、
その渦中にあることでのやりどころのない感情や衝動みたいなのが
他人の声で聞こえたり、そうではなかったりという感じで、
つかみどころがないようで、でも、物語の真ん中にそれの存在がわかる
名もなきものを見るような小説で面白かった

三人の少女のそれぞれが、交わりそうにないようにも見えるが、
実際は友情とも異なる絆が存在して、
それぞれが、それぞれのためにという強い衝動で行動していくのが、
字面と、他人語りによる不確かさで、正確なものが何も言い当てられないというのに
なぜか、この三人は仲が良かったとか、そういうことではないもので結ばれていた
そこにもしかしたら、依存すらしていたのかとか
色々と考えさせられるのでありました

崇高とは異なる、自己嫌悪や憐憫みたいなものがごたまぜになって、
どうしたらいいかわからない、その感情を持て余して、
ある段階で、そこを踏み越えてしまう、それのきっかけも動機も
説明がつきそうでつかないというのが、非常に興味深いというか
読んでいて、わかるような気がするという、形容できないものに囚われる読書になって
面白かったと思うのだが、結構疲れて読み終えたのでありました

考えながら書いたから、多分同じことを何度も書いたような気がするが
書き直しはせず、そのままアップしよう


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