CLASS3103 三十三組

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【読書】くらやみガールズトーク

2023-03-29 20:55:24 | 読書感想文とか読み物レビウー
くらやみガールズトーク  作:朱野帰子

なんとなく嫌な予感しながら読んでしまったんだが、
案の定というか、暗い気分になってしまう小説だった
ガールズトークという名とは裏腹というか、
実際ガールズトークってそういうものなのか、わからんけども、
「女」というものに対してのいかんともしがたい違和感、世の中の歪さを描きつつ、
そこへの憎悪というか、なんとも恨みつらみに近い感情をぶつけた内容で
極めて露悪的でもあり、嫌な気分になってしまう
そんな短編集でありました
まぁ、なんというか、やだなぁ

オカルトやホラーとも肉薄する感じの物語なんだが、
これって、昔からそう思われていて、
そういう思念、情念というものが幽霊のようなものとして認識されていて、
ある種、現代版の妖怪記録のようでもあるのかとも感じた
いずれにせよ、女性だからと言われてしまいがちな怨嗟というものが、
悪霊めいた何かと近しい、そんな気がしてしまうもので
男性という身分であると、これを読むのは、なかなかつらい体験になったのである
女房子供がいない身分にはわからんことが多いが、
世界観というか、30年くらい前の中島みゆき的な女性像がつまっていたとか思ったんだが
いや、それともまた、ちょっと違うのか

ともかく、ホラーテイストではあるんだが、
単純に幽なるものというわけではなく、強い怨念や情念のようなものを描いて、
そこから湧き上がってくるような不気味さが、ふんだんに書かれていて大変よかったのでありました
残酷な話といってしまっていいのだろう、容姿に恵まれなかったことによる、
日の当たる場所を避けねばならないという女の気持ち、その境遇と、
それをぶっちぎるように、そのタブーともいえる日の当たる場所へ踏み出す話とか、
一見、この物語の、まさにこのシーンだけは明るくきらびやかにすら見えてしまう内容が、
そのあととか、それまでとかを考えた時に
絶望的に残酷だなと、背筋が冷えるように読んだのでありました

面白くもあるが、怖いというか、悲しいというか、なんとも気持ちの沈む内容であった
でも、読んでしまうのが恐ろしい


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