CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】クローゼットファイル

2024-06-15 20:55:59 | 読書感想文とか読み物レビウー
クローゼットファイル  作:川瀬七緒

仕立屋探偵シリーズ第二弾
相変わらずエキセントリックな能力である、着るもののクセから
様々なことを言い当てる推理小説
前作ですっかり刑事に気に入られたので、未解決事件を掘り返す専門部署に
外部顧問的な扱いでかかわるようになって、
その能力をいかんなく発揮しながら、いくつかの過去の事件をほどいていく物語でありました

小春のキャラクタがこんな感じだったかなと
ちょっと、昆虫先生の影を感じるほどの強かさを感じて
面白いけど、強すぎると若干引きながら読んでしまったんだが
大変楽しく、事件というか、物語を明るくしてくれるので
いいキャラだなと思ったりして読んだのである
前作に出てきた、ファンでもないが、偏屈な女の人の再登場を切望したいのだが
今回は、仕立屋桐ケ谷とアンティーク小春の二人で、
あれやこれやを解決していて、着物とアンティーク蘊蓄も織り交ぜて
非常に楽しかったのでありました

まぁ、トリックというか、ちょっとどうかしてんじゃないかという
かなり強引に解決というか、推理が的中してしまうんだが
そういうのを楽しむものなので、今更何をといったところながら、
DVに悩まされる女子中学生をストーキングしているところは、
事情が事情とはいえ、完全にアウト案件だよなと思いつつも、
涙もろいという性格づけだけで、なんか、そういう誤解もどうなんだと同情してしまうというか
ともかく、色々と要素が渋滞してて、普通おかしいだろうということが
多々でてくるけど、あんまりそこを気にしてもなぁという気分になりつつ
読んでしまい、そして、楽しいのでありました
なんだかんだ、可哀そうな事件が多いんだけど
なんとか解決しようという、桐ケ谷の人の良さが滲み出てて
少しだけ救われたように思えるのがよいところでもある

事件の真相が、だいたい嫌な感じなのは仕方ないのだけども
それに負けず、そして解決することが助けになると信じている桐ケ谷の生き方がいいなと
推理小説であり、桐ケ谷の物語なんだと思えてとても好きだと感じるのであった

しかし、南雲さんののらりくらりっぷりが
あまりに堂に入った感じすぎて笑ってしまう
これもまた、いいキャラだ