CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】夢の守り人

2017-06-01 20:33:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
夢の守り人  作:上橋菜穂子

シリーズ第三弾であります
舞台はまたも、新ヨゴ国に戻って、
バルサ、タンダ、そしてチャグムが関わりながら
新たな不思議な事件と戦うというお話でありました

もし、別の人生があったら…
そんな風に、自分の現状を憂えている人を夢の世界へと導くなんていう、
昔からよくあるファンタジーの一遍とも思えるのでありますが
そこへといざなうのが、旅の詩人というか、歌い手というのでありまして
まぁ、なんだろうか、子供が読んでもそう思うかもという話ながらも、
人生に対して、やだなぁと思っている、私のような人間にも
そんなこと言ってる暇があったら、今がんばれと
物凄く反省させられる物語でありました
いや、そんな説教臭くなくて、読み進めるにつれ、
これじゃいかんと鼓舞されるかのようなといっていいのか、
人間の弱さも描きつつ、そこに抗う強く生きる人たちが
まぁ、かっこいい描かれ方で、
こうならねばと、知らぬうちに思わされるのでありました

いつからそんなに立派になったのかと、
最後のほうで出てくるチャグムが、あまりにも立派でありまして
凄い成長っぷりだなと目をみはるわけでありまして
物語をおっかけていくと、とても楽しく進められるのでありました

さて、あまり難しく考えないで、読んで感じたままのことも
少々描いておきますと
キーマンである歌い手が、まぁ腹が立つ
いや、そういうものだよなと落ち着いて考えると
実によくできたキャラクタなんだけども、
ちょっとしか喋らないくせに、やっていることが
ことごとく大変なことに繋がっていくというか
あまりにも、無自覚にとんでもないことをしているという話なんだけども、
これがまぁ、腹立つなぁと感じたのでありました

勝手な想像でありますけども、なんだろうか、
こういう男がまた、世の中でモテたりするよなと感じたりして、
こんな男を書けるのが女性作家ならではなんでないかと
感じ入ったりしたのであります
いやー、なんだろうか、凄いなーというか
今でいうところの、ホストでもないが、ヒモっぽいといっていいのか
実際はそんなでもなかったんだけども
あのキャラだけは、なんだろうかしらと思わされたのでありました

と、まぁそんなことを感じつつも、
児童文学をちゃくちゃくと読み進めているのである