映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「美女と野獣」 & 「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」

2014年11月11日 | 日記

   

    「美女と野獣」
     ディズニーアニメでお馴染みの「美女と野獣」ですが、実は1740年にフランスのヴ
     ィルヌーヴが書いた物語であり、今作は出来るだけ原作に近いものをと、お膝元
     のフランスで実写映画化されました。

     バラを盗んだ父の罪を背負い、呪いをかけられ野獣の姿にされた王子の城に閉
     じ込められた美しい娘ベル。しかし、城の主である野獣は毎夜ディナーを共にす
     ること以外、何も強要しません。
     やがてベルは野獣の恐ろしい姿の下にある、もう一つの姿に気付きはじめ、野獣
     が犯した罪や城で過去に起こった出来事の真実が解き明かされて行きます・・・。

     監督は「サイレントヒル」「ジェヴォーダンの獣」のクリストフ・ガンズ。野獣役に「ブ
     ラック・スワン」のバンサン・カッセル、ヒロインのベル役は「アデル、ブルーは熱い
     色」でカンヌ映画祭パルムドールを受賞したレア・セドゥーです。

     この物語の本家本元はフランスだという製作陣の意気込みがよく判りますし、王
     子が呪いをかけられた理由とか、ベルの家族のいきさつや、父親がなぜバラ泥
     棒になったのかを初めて知りました。
     赤いバラの花が重要なポイントで、映像的にも上手く生かされています。加えて
     ハリウッドやイギリス作品だったら、もっと流麗に撮るだろうとか、違う表現をした
     だろうなどと思いながら見るのも中々面白いものです。


   

    「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」
     シルベスター・スタローンの脚本・主演で、名だたるアクションスターが豪華共演
     する人気シリーズ「エクスペンダブルズ」は、全世界で大ヒット。今作は新しいメ
     ンバーを加えた第3作目になります。

     CIAから闇の武器商人として暗躍するコンラッドを生け捕りにするようバーニー率
     いる消耗品軍団=エクスペンダブルズに指令が下ります。コンラッドはチーム結
     成時のメンバーでありながら袂を分かち、バーニーが殺した筈の男だったのです。

     チームの弱点を知り尽くした過去最強の敵に対し、長年苦楽を共にしたメンバー
     に解散を言い渡し、若手の新軍団を結成しますが、作戦は思ったより手こずり、
     エクスペンダブルズは崩壊の危機に瀕します・・・。

     いつもの顔ぶれにプラス新しい面子は、メル・ギブソンが悪党コンラッド役に、CIA
     の作戦担当者役でハリソン・フォードの二人が出演、ほかアントニオ・バンデラス、
     ウェズリー・スナイプス、ケラン・ラッツらも初参戦です。

     見せ場であるアクション場面ばかりに追われ過ぎ、辻褄の合わないストーリーに
     終始してしまった感じがする出来映えです。派手なアクションだけでは作品がも
     う一つ面白くならない見本みたいな映画ですが、これだけ昔のヒーローが出てく
     るのですから、そんな小さなことは言わないで・・・と言われたら、恐らく「そうだね」
     と言ってしまうでしょう。(笑)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大映宣伝部・番外編の番外 (39) 大辻伺郎さん

2014年11月10日 | 日記


  

  

     大辻伺郎も大映では懐かしい俳優の一人です。お父さんは昭和27年(1952)に、
     伊豆大島で墜落したもく星号に乗り合わせていて亡くなった漫談家・大辻司郎
     で、息子伺郎は高校を中退して板前修業をした後、早稲田に入学、更に中退し
     て新派に加入して勉強していたという変わり種でした。

     大映入りは市川崑監督の推薦によるもので、映画やテレビドラマを中心に活躍
     しました。
     特に昭和38年に放映されたテレビドラマ「赤いダイヤ」の相場師役は評判になり
     ましたし、映画も主役こそ無かったものの、役作りに独特のセンスを発揮、いつ
     も主役を食ったと言われるほどの怪演技を見せたものです。

     私は撮影所で数回、「視界ゼロの脱出」の鹿児島県指宿ロケ(1963、このブログ
     では昨年6月17日にアップ)では一緒しましたが、その時は悪役なので眉毛を剃
     ってロケに臨んでいて、その役者根性に驚かされました。

     私の知っている大辻伺郎はごく普通の青年でしたが、喜怒哀楽が激しい性格だ
     ったそうで、結婚離婚は二度しているし、撮影現場などでは他の俳優やスタッフ
     たちとのトラブルが再々だったとは後から聞いた話です。
     大映での出演作品は20本足らずでしたが、彼の演技をもう一度振り返って見た
     いという気になっています。

     昭和48年に彼は自動車事故を起こし、その相手との激しいトラブルが原因の一
     つと言われていますが、事故翌日の5月21日にホテル・オークラで首を吊って自
     殺しているのを発見されました。享年41歳、生きていれば今年で79歳です。

     当時彼の死を三国連太郎は、「私は彼に学ぶことが多かった。あの才能にはジ
     ェラシイを感じたこともある」と。
     そして勝新太郎も「金なんか残さなくってもいい、世間的な常識もいらない。彼
     のように鍛えこんだ芸がいくらあっても、ポッと出の新人にペコペコ頭を下げな
     きゃならないこともある。それをまた彼は神経が細かいだけにオーバーなくらい
     やってしまう。彼の死はそういう自分が見えてきて何もかも嫌になっちゃったん
     だろう」と語ったそうです。

    ↑ 「視界ゼロの脱出」(監督・村野鉄太郎)指宿ロケで記者会見。大辻の眉毛にご注目!



コメント (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「ヘラクレス」 & 「まほろ駅前狂騒曲」

2014年11月08日 | 日記

   
    「ヘラクレス」
     ギリシャ神話の英雄ヘラクレスを描いたスティーブ・ムーアの原作を、「ワイルド・
     スピード」シリーズや「G.I.ジョー バック2リベンジ」などで活躍するドウェイン・ジョ
     ンソン主演で映画化したアクション作品です。

     神々の王ゼウスと人間アルクメネの間に生まれた半神半人の男ヘラクレス(ドウ
     ェイン・ジョンソン)ですが、神さえも恐れおののく並外れたパワーを持ちながらも、
     人間の心も併せて持つ彼は、強さと優しさに満ちた者として名をはせています。
     だが、わが妻や子供たちが自分のために命を落としたことで罪の意識に押しつ
     ぶされそうになっていたのです。悩み苦しみ抜いた果てに、彼は12の試練を自ら
     に課して救いを得ようとします。

     そんなある日、トラキアの王女ユージニアから、父コテュス王に反旗を翻した凶
     悪なレーソス率いる反乱軍から国を守ってほしいと頼まれます。
     高額な報酬と引き換えにこれを引き受けたヘラクレスは、寄せ集めの兵士たち
     を鍛え上げ、レーソス軍の襲撃に備えますが、この話の裏には大きな罠が仕掛
     けられていたのです・・・。

     監督は「X-MEN:ファイナル・ディシジョン」「ラッシュアワー」のブレット・ラトナー
     です。世界的に話題となっている美女軍団に囲まれ、ストーリーも判りやすくて
     いいのですが、アクション場面がこれでもかこれでもかとサービス過剰です。
     プロレスラーの頂点にいたドウェイン・ジョンソン主演だから仕方がないと言えば
     そうでしようが、粗野な所が気になります。
     ヘラクレスは半神半人なのですから、もっと威厳があった方がいいと感じました。
     お時間があればご覧ください的な作品です。



   
    「まほろ駅前狂騒曲」                              
     人気作家・三浦しおんの同名ベントセラーを、映画「まほろ駅前多田便利軒」(20
     11)、その続編として製作されたテレビドラマ「まほろ駅前多田番外地」(2013)に
     続くシリーズ第3弾として作られたのが今作です。

     まほろ市で小さな便利屋をやっている多田啓介(瑛太)のもとに、中学時代の同
     級生・行天春彦(松田龍平)が転がり込んできて3年が経ちます。
     多田は行天の元妻から、精子提供したのみで、行天さえも会ったことがない彼
     の実娘はるの子守りを依頼されてしまいます。

     一方、まほろ市の裏番長・星からは、新興宗教団体を前身とする謎の野菜販売
     集団の極秘調査を押しつけられる。やがてその集団は以前に新興宗教団体だっ
     たことが判明。しかも代表の小林は行天の過去を知る人物。この厄介な依頼に
     悪戦苦闘するなか、バスジャック事件にまで巻きこまれてしまい・・・。

     監督は「まほろ駅前多田便利軒」も手がけた大森立嗣が続投し、キャストは瑛太・
     松田龍平に加えて、いつもの高良健吾、真木よう子、本上まなみ、大森南朋に加
     え、永瀬正敏が新登場です。

     なんと言っても瑛太・松田龍平のコンビの面白さが一番です。もともと面白い原
     作なので、工夫すればシリーズは続くと思いますが、残念ながら脚本と演出がス
     ムースにこなれていないのが欠点です。特に演出はナレーションとかスーパーに
     頼ってしまい、流麗さを欠きます。
     更に意図的な描写でしょうが、やたら喫煙の場面が多いのも考えもので、もう少
     し別の描写があった筈です。次作を期待します。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画 「小野寺の弟・小野寺の姉」

2014年11月07日 | 日記

    

     アニメ「TIGER & BUNNY」や「映画 怪物くん」「ガチ☆ボーイ」などの脚本、テレ
     ビドラマの脚本や舞台演出などをこなして頭角を現した西田征史の脚本・演出
     で2013年に上演された同名舞台の映画化です。
     舞台と同じく向井理と片桐はいりが主演し、西田が映画監督デビューを果たし
     たハートウォーミングコメディということで期待して見ました。

     早くに両親を亡くし、2人で暮らしてきた33歳の弟・小野寺進と40歳の姉・小野
     寺より子です。
     引っ込み思案で奥手な進は、過去の失恋の痛手からいまだに抜け出せず、世
     話好きなより子はそんな弟にとやかく口を出しながらも、2人は程よい距離感
     を保ちながら暮らしていました。
     そんな小野寺家にある日、1通の手紙が誤って配達されたことをきっかけに、進
     とより子それぞれの恋の風が吹き始めます・・・。

     向井理も今までより演技に進歩を見せ、麻生久美子、ムロツヨシ、大森南朋、
     及川光博などの共演者もそれぞれの味を出して楽しく見れるところはあるので
     すが、舞台では面白くっても、脚本・演出がまるでアマチュアが撮ったように、
     映画的にこなれていない箇所があり、プラス・マイナスあって結果マイナスです。

     もう一つは舞台では良かったのかも知れませんが、姉役の片桐はいりは映画
     で見ると、実年齢50歳を超えていて無理だし、これでも向井の姉かと思うくらい
     異形でありミスキャストです。
     付け加えるなら、撮影・照明・録音の技術レベルがとても低いのが気になりま
     した。残念作としか言えません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

楽しかった旅の一コマ (55) 古都グラナダの丘に聳えるアルハンブラ宮殿

2014年11月06日 | 日記



  

   

     今回はスペインのグラナダにやってきました。
     アンダルシア地方の中心地グラナダは、スペイン最後のイスラム王朝・ナルス
     王国が築かれた古い都です。
     13世紀の初めから1492年キリスト教徒に奪回されるまでの約250年の間、ナル
     ス王朝の政治・経済・文化の都として繁栄を極め、今でもその跡は世界遺産と
     なって随所に見られます。

     中でもイスラム芸術の最高傑作と言われるアルハンブラ宮殿は、町を見下ろす
     丘の上にある宮殿で、総面積14,000㎡という広大な敷地を誇り、ナルス朝のム
     ハンマド1世により約170年かけて建設されたものです。勿論、世界遺産です。
     外観とは違い内部は実に豪華絢爛ですし、庭園も見ごたえありです。

     宮殿内で最も古い城塞部分であるアルカサバ、王の居城であった王宮、夏の
     離宮ヘネラリフェ庭園と、敷地内は大きく三つに分けられています。
     建物の内部は幾何学模様や精緻な透かし彫りなどに驚嘆しますし、イスラムス
     ペイン様式を代表するヘネラリフェ庭園は、見学に結構歩かされますが全然飽
     きません。

     下の写真にも入っていますが、庭には日本から移植した柿が成っていて風情を
     感じますし、庭園はもともと王族の夏の別荘で、離宮と庭園からなる安らぎの空
     間を編み出していて癒されます。
     年中緑と季節の花に覆われ、豊富な雪解け水を使用した堀割りや噴水がとても
     素敵でした。

   
            ↑ 王宮
     
    ↑ カルロス5世宮殿                ↑ メスアールの中庭

  

           

  

  

      
     ↑ ライオンの中庭                 ↑ アラヤネスの中庭
  

            

     



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする