↑ お父さんの曾我廼家五郎八さん
西岡慶子さんは、実のお父さんでもある曾我廼家五郎八さん(故人)と一緒に、大映テ
レビ制作の「ザ・ガードマン」に親子役で一緒に出演、映画にも出演してもらいましたが、
このテレビドラマの印象がいまなお強烈に残っています。
西岡慶子さんは大阪生まれの大阪育ち、幼い頃から松竹新喜劇に入り子役として舞
台に立っています。芸名は曾我廼家八百子だが、一時期ちょろ子を名乗っていました。
昭和35年(1960)頃には吉本新喜劇に出演、横山エンタツ、花菱アチャコ、白木みのる
達と共演、昭和38年(1963)に花紀京と結婚離婚を経験しています。
そして昭和58年(1983)から笑の王国を経て昭和63年(1988)には活躍の場を東京に移し、
フリーで更に舞台・映画の仕事場を広げました。決して美人とは言えない容貌で主役は
張れないにしても、重要な脇役として大活躍。どんなことがあっても憎めない女性だし、
お父さんの血を引いているのでしょう喜劇的な演技が出来るし、彼女が出てくるだけで
も空気がガラリと変わる雰囲気を持っている人です。私も京都撮影所で何度かお会いし
ていますが、大映では昭和37年から昭和44年の間に「殺陣師段平(1962)」「悪名市場」
「破れ傘長庵」「第三の悪名」「宿無し犬」「ごんたくれ」「続・酔いどれ博士」「とむらい師
たち」「関東おんなド根性」などに出演しています。
西岡慶子さんは1937年生れですから現在79歳、お元気だといいですね。
西岡慶子さんを初めて観たのが「殺陣師段平」での、髪結い床に来ている真城千都世さん演じる「梳き髪の女」を自宅から呼びに来た女中さん役でした。
「ダンナさん」に半分焼き餅を焼く演技の真城さんをコミカルに引き立てたのが西岡さんの存在でした。
(まるで松竹新喜劇の舞台「桂春団治」での 藤山寛美氏と渋谷天外氏の掛け合いを観ている様でありました。)
そして、このブログの一番下の画像の「破れ傘長庵」での、勝さん扮する長庵に騙され、大金を巻き上げられる女中役では 余り美人ではないけれど一途に長庵に尽くす姿に、観ているこちらが思わず感情移入しちゃう位の哀れさでした。
大映京都がもっと喜劇を中心にした作品を量産し続けていたとしたら、西岡さんはそのキャラクターを生かして活躍し続けていたのでしょうね。
しかし、現在の西岡さんのお姿、お父様の五郎八師匠に生き写しですね。
ご無沙汰しています。体調は如何ですか、益々暑くなりますのでご自愛ください。
西岡慶子。ユニークな女優さんでしたね。
玄人好みの俳優さんで、もっと上手く使えばよいのにと思うこともしばしばでした。
南美川洋子さんの作品上映とトークショウが10月本決まりです。詳しくは近々
改めてご紹介しますね。