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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (52) 早川雄三さん、夏木章さん、藤山浩二さん

2015年02月23日 | 日記

   

 
     前回、京都撮影所の代表的悪役・伊達三郎さん、そして女性の名脇役・近江
     輝子さんの事を書きましたので、今週は東京撮影所です。既に高松英郎、成
     田三樹夫、杉田康、中條静夫、千波丈太郎、丸井太郎、三角八郎、大辻伺郎
     の皆さんはアップ済みなので、残っている人は少ないのですが、今回は早川
     雄三さん、夏木章さん、藤山浩二さんです。

     この三人に私は何回も会っていますし、仕事もしていますが、なにより懐かし
     いというか親近感を持つのは、この三人は大映に最後の最後までいてくれた
     ことです。いま改めて大映最後の写真名簿を見ていますが、三人はちゃんと
     記載されています。名前はご存知ない方が多いかも知れませんが、あの顔、
     あの声、あの個性的な演技は、写真をご覧いただくと思い出す方も多いでし
     ょう。

  

     早川雄三さんは兵庫県の出身で、大映演技研究所は四期生ですから北原義
     郎さんと一緒です。長い長い脇役生活が多い俳優さんでしたが、大映での出
     演は優に200本を超えていると思います。
     会った時にお互い生活苦の話になり、彼から生活費稼ぎのためアルバイトで
     夜間のタクシー運転手をやりました・・・と聞かされたことが強い思い出として
     残っています。
     とても真面目で仕事熱心な方でしたが、大映後テレビでの活躍の方が目覚ま
     しく、時代劇・現代劇を問わず悪役で活躍されました。平成22年に85歳で亡
     くなったと聞きましたが残念です。


  
   ↑左から私、夏木、田中支配人

     夏木章さんも最近亡くなったと聞きました。たしか昭和3年生れだったと思い
     ますので今年で87歳の筈ですが、亡くなったのが本当だったらまたまた寂し
     い思いが続きます。
     この人の役柄も早川さんに似ていて、本数も負けないくらい出ています。特
     にガメラ・シリーズにはほとんど出ていて、私の頭の中に自衛隊司令官・新
     聞記者・博士役の夏木さんの顔が浮かんできます。
     私の友人に福岡大映劇場の支配人をしていた田中淳一(故人)という人が居
     ました。永田雅一社長が競馬の馬を持っていてこの世界でも有名でしたが、
     社長の持馬は田中厩舎に委託飼育されていた、その厩舎の息子です。
     夏木さんと田中支配人は、たしか大映演技研究所の同期だったようで、3人
     で食事をしたり飲んだりしたこともありましたが、わざと詳しいことを聞くのを
     やめた思い出があります。


  

     藤山浩二は長崎出身です。ロケで一緒になったり、支社に訪ねて来てくれた
     りしましたが、この人も外見とは違ってとても真面目な人でした。
     見るからに外国の血が入っている面構えで、本人も長崎ですからそうですよ
     と笑っていました。
     誰がなんと言っても悪役が似合う俳優で、たまには外人役を振られていまし
     たがピッタリでした。
     大映後は東映で仕事を続けていましたが、彼のためには東映の方が似合う
     畑だったと思います。最近の彼の消息は全く判りませんが、元気でいてくれた
     らいいのになあと、想いを馳せる一人です。



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10 コメント

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大興奮です! (タム親父)
2015-02-23 14:31:39
こんにちは。
念願かなって、大映の名脇役の皆様を取り上げていただけました。個人的には大興奮です。ただ、夏木さんも亡くなっていたことが本当ならば、とても寂しいです。昭和生まれとは、意外でした。お三方ともスターさんを盛り立てる素晴らしい援護をされていました。このお三方がそろって出演され、濃密なドラマを展開していたのが怪獣映画の「ガメラ対バルゴン」ですから、今から考えると贅沢な作劇でしたね。ちなみに、私が生まれて初めて映画館に行ったのが「ガメラ対バルゴン」と「大魔神」の二本立てで、福島大映にガメラと大魔神の大きな看板が出ていたことを覚えています。よく外に展示してあるスチールも見に行きました。シネコンになってから、あまりスチールの展示は見かけなくなりましたね。
また貴重な昔話を読ませてください。橋本力さんや阿部脩さんなども取り上げていただけると嬉しいです。
昔のお仲間がなくなることが多くて、気落ちされることと思いますが、中島様は貴重な大映の証人として、いつまでもお元気でお過ごしください。最近お知り合いになったばかりですが、私のような熱烈な(と自負している)読者もおりますので。
返信する
初めまして (福豆)
2015-02-23 15:00:11
初めてコメントさせていただきます。
いつも楽しみにブログを拝見させていただいております。

昭和40年代半ば生まれの私ですが、若い頃からなぜか昭和30~40年代の邦画に心魅かれるものがあり、中でも大映映画がとても好きで、CSなどでも「大映」とあるだけで様々な作品を観まくっております。

リアルタイムで、劇場で大映作品を観ることは叶いませんでしたが、その時代にその現場で活躍されていた方のお話を伺えるのは、とても嬉しく有り難いことです。

また、いわゆる「スター」と呼ばれていた方だけではなく、脇役として作品に欠かせない方達の当時のエピソードや近況などが聞けるのも嬉しいことです。

早川雄三さんもそうですが、山茶花究さんもどの作品を観てもお出ましになっていますね。
あらゆる役を演じていられた山茶花究さんとの思い出なども伺える機会がありましたら、嬉しく存じます。

また、個人的には映画の中の二代目中村雁治郎さんが大好きです。
何かエピソード等があれば、お聞かせいただけたら嬉しいです。

とりとめもなく、勝手な思いを書いてしまいましたが、どうぞお許しくださいませ。

季節柄、中島さまもお身体にお気をつけください。

今後も楽しみに、ブログを拝見させていただきます。

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Unknown (中島けん)
2015-02-23 20:02:12
タム親父さん

最後の大映社員名簿を見てみると、まだ未アップの方が結構いるのに気が付きます。
追々書きますのでお待ちください。
書くのはいいのですが、亡くなった人が多いので、書きながら悲しくなります・・・。

阿部脩さんは個人的にも仲良くしていましたが、彼も早く亡くなっています。
2013年の12月16日に彼のことはひとまずアップしています。また橋本力は
去年の7月7日「大魔神」のところに書きました。
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こんばんわ。 (中島けん)
2015-02-23 20:12:10
福豆さん
お立寄りいただき有難うございます。
このブログを開設して満5年が過ぎました。大映の思い出を中心に、それだけでは
淋しいと考え、新しい映画の感想や、旅の話などを加えたものですが、
出来るだけ続けるつもりで頑張っていますので、宜しくお付き合いください。
既に何十年が経過し、忘れたことが多く、私としても思い出しながら書いています。
二代目中村雁治郎さんのことは、2014年10月13日にアップしていますので、ご覧下さい。
返信する
中島様 (タム親父)
2015-02-25 13:32:16
こんにちは。
今回の冒頭の夏木さんのスチール(「ガメラ対ギャオス」の司令官)を見て思い出したのですが、夏木さんの「東南アジアで対ゲリラ戦用に開発された照明弾」というせりふがあります。また、同じころに公開された東宝の「クレージーだよ奇想天外」では、藤田まことさんの「東南アジアの戦況を視察してきた」というせりふがあります。昭和40年代の東南アジアでゲリラや戦況というと、これはベトナムのことだと思うのですが、当時はっきりと「ベトナム」という国名をせりふにすることが憚られるような雰囲気でもあったのでしょうか。
もしご存知でしたら、ご教示いただきたいと思います。
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Unknown (中島けん)
2015-02-25 21:48:53
タム親父さん

脚本が出来てすぐに私は読みましたし、宣伝会議に出ましたが、
はじめから脚本にははっきりした国名は出ておらず、その後も
その関連の討議や話題は一切無かったと記憶しています。
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今回もありがとうございます (小三太夫)
2015-02-25 23:09:05
 けんさま

 今回の内容も、私が童心に帰った様な内容で大変に楽しめました。
 ありがとうございます

タム親父さんの仰る通り、私も早川さん、夏木さん、藤山さんのお三方の出演された作品では「ガメラ対バルゴン」がとても印象深いです。

 当時の子ども達には、怪獣が出て来ない人間関係の入り組んだドラマのシーンは退屈だったでしょうが、
この三人の絡んだ「人間の欲」と言うテーマのお蔭で、今、見返しても十分に「大人の鑑賞」に堪えうるガメラ作品になっていると思います

(この本編シーンでお三方と共に大切なシーンに出ていらした 若松さん、紺野さんお二人の女優さんを けんさんにご紹介頂いたのに、現場の雰囲気に舞い上がってしまい、満足なご挨拶も出来なかった自分が、とても恥ずかしいです。)

 そうそう、先日、中学校の先輩で4歳年上の先輩から、映画封切り当時に遊んでいたと言う、ゼンマイ仕替けの歩行ガメラと、走るバルゴンのプラモのおもちゃを譲ってもらいました。
 ガメラはボロボロで壊れる度にお父さんに修理してもらって何回も遊んだそうですが、それだけ子ども達に愛されたキャラクターなんですね。
 そして、早川さん、夏木さん、藤山さんも、ガメラと同じく大映東京を愛する人達に愛された役者さんだと思います。


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ありがとうございます! (タム親父)
2015-02-26 05:08:39
こんにちは。
早速ご回答いただき、ありがとうございます。当時現場にいらした方の証言で、ほんとうにありがたいです。少々生意気な物言いでした。申し訳ありません。ご容赦ください。

小三太夫様も「バルゴン」がお好きとのこと、同好の士がいらしてうれしいです。「バルゴン」は、日本で最も大人向けに作られた怪獣映画だと思います。「バルゴン」を見ると、平田一郎(夏木さんの役)の妻と小野寺(藤山さんの役)の愛人が似ていてちょっと戸惑うのですが、若松さんと紺野さんで実際の姉妹ですから、似ていて当然ですね。前にも投稿しましたが・・・。

そういえば、「あゝ海軍」で主役の中村吉右衛門さんが演じられた役名も「平田一郎」でしたね。脚本家が違うのに、不思議な符合ですね。
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こんばんわ。 (中島けん)
2015-02-26 21:48:44
小三太夫さん

すっかりお元気になられたご様子で、良かったですね。
去年の大映会は、新橋第一ホテルで開催されましたが、
私は用事が輻輳していたため残念ながら出席出来ませんでした。
ガードマンに出た俳優さんたちが出てきたそうです。
今年こそ出席したいと思っていますが、海外旅行もあり、
余程スケジュール調整をしなければと思っています。
その時は良かったら一緒に行きましょう。
返信する
Unknown (中島けん)
2015-02-26 21:56:02
タム親父さん

小三太夫さんはとてもいい方です。貴兄は福島だし、小三太夫さんは
新潟にお住まいですので、いいお友達になれると思いますよ。
お二人ともこよなく大映作品を愛してくださり、またよくご覧になって
おられることなども、きっとお話が合うでしょう。
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