「舟を編む」の石井裕也監督が、現代の表現者として注目されている詩人・最果タヒ
の同名詩集をもとに、漠然とした不安を感じながら東京の片隅で孤独を抱えて生きて
いる、現代の若い男女の繊細な恋愛模様を描いた作品です。看護師をしながら夜は
ガールズバーで働く美香、一方、工事現場で日雇いの仕事をしている慎二は、ある日
偶然出会って心を通わせて行きます・・・。
ヒロイン・美香役には、石橋凌と原田美枝子の次女で本作が映画初主演となる石橋
静河が抜擢され、慎二役は池松壮亮が演じています。
石井裕也監督が今後いかに新作を切り開いて行くか、今作は期待をさせられる一本
です。ナレヘションが多いのも気になりましたが、随所に雑な場面が顔を覗かせても、
それが却って新鮮に見えるのですから不思議な作品で、異色の青春映画と称賛しま
す。主演の二人の抜擢が成功の一因でもありますが、私は特に石橋靜河の個性と好
演を買います。
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