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中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

大映宣伝部・番外編の番外 (120) 南美川洋子さんからのメール

2016年07月25日 | 日記

            

            

 

    先週のこのブログで、大映京都撮影所の名物脇役・杉山昌三九さんを取り上げ、彼の

    最後の出演作品が「玄海遊侠伝 破れかぶれ」であることを書きました。

    このブログを見て早速コメントを寄せてくれたもと大映女優さんが居ます。南美川洋子さ

    んです。彼女に了解を取っては居ませんが、当時の南美川洋子さんのポジションや心構

    えが察せられますし、また勝ちゃんの人柄などがよく判る一文なので敢えてご紹介したい

    と思います。

 

    「玄海遊侠伝のエピソード」南美川洋子

    玄海遊侠伝は、私にとって大変思い出深い作品の1つになっています。当時まだ18歳か

    19歳だと思うのですが、他の作品で入洛していました。その合い間に玄海遊侠伝の北九

    州ロケに全員船での移動と言われ、「船」と聞いただけでもギブアップの私は、自分で負担

    するからとお願いして、たった一人で飛行機に乗り合流させてもらいました。もちろん帰り

    も飛行機で。船恐怖症なのです。

    もう1つ。あの映画の見せ場は最後の方のシーンで、勝さんと松方さんと私が、大群衆の

    中で立ち回りをする場面があります。撮り直しナシNGなしの超ロングシーンで、何と松方

    さんの刀が私の顔を直撃、失神して倒れてしまいました。作品になったそのシーンをじっ

    くり見ると、確かに私だけが倒れて、勝さん松方さんだけで進んで行くのが撮れています。

    正気に戻った時、私の顔は見るも無残に腫れ上がり、「これでもう女優は終りだ」と痛さと

    ショックに泣き崩れている中で、勝さんがお弟子さんたちに「牛肉の塊を買ってこい」とおっ

    しゃり、泣きながらまっていると、大きな牛肉を直に私の頬に当てて下さいました。多分氷で

    冷やしてしまうと紫色の内出血になってしまうからとの知恵だったと思います。

    当然撮影は中止で、何日かは使い物にならなかったと記憶しています。あの時の勝さんの

    迅速な指示と決断のお蔭で、紫色の顔にはならずに済んだと感謝しております。

    もし機会がありましたら、あの超ロングシーンをきばたきせずに見てみてくださいね。各作品

    に思い出がたくさん詰まっています。女優という職業に携われて幸せでした。

 

          ←明るく元気で美しい現在の南美川さん

 

 

 

 

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