(写真が少なくてごめんなさい。)
先月に悪役で鳴らした水原浩一さんのことを書きましたが、今回はとても似ている大映
京都撮影所で名を馳せた悪役俳優・杉山昌三九さんを取り上げます。
その彼は明治39年(1906)生れで、昭和の初期に日活入りし現代劇の二枚目スタアとし
て溝口健二監督の「娘可愛や」などに出演し大活躍した経歴を持っています。暫くして時
代劇の方が似合うのではと転向し、板東妻三郎・嵐寛寿郎・片岡千恵蔵らと共演もしばし
ばでした。
昭和16年(1941)には統制によって出来た大映に出ています。戦後は宝塚映画、新東宝
にも出演していますが、昭和31年(1956)以降は大映京都撮影所の専属となり、多くは悪
役をメインとして大映京都で無くてはならない脇役として活躍、「忠臣蔵」「座頭市シリーズ」
「大魔神」「妖怪百物語」などでユニークさを発揮しました。映画と並行してテレビにも出て
いましたが、約150本の映画に出演した杉山昌三九さんの最後の作品は「玄海遊侠伝破
れかぶれ」です。
平成4年に結腸癌により85歳で亡くなりましたが、戦前には隆盛の主役時代があり、戦後
には脇役に変わっても、人生の甘いも辛いもわきまえたお人柄は私も好きでした。
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