1950年代、アイルランドからニューヨーク・ブルックリンにやってきた移民の少女が、
二つの国と二人の男性の間で揺れ動くヒロインの成長と決断を描いています。
主演は、「つぐない」のシアーシャ・ローナンで、今年の第88回アカデミー賞で作品賞、
主演女優賞、脚色賞にノミネートされたドラマでもあります。脚本は、「ハイ・フィデリテ
ィ」「アバウト・ア・ボーイ」の原作者で、「17歳の肖像」「わたしに会うまでの1600キロ」
などで脚本家としても活躍する作家のニック・ホーンビィ。監督は「BOY A」「ダブリン
上等!」のジョン・クローリーです。
百人百様ですから好き嫌いはあると思いますが、私としては久しぶりに落ち着いた大
人の映画をみた気持ちになっています。まずヒロイン役のシアーシャ・ローナンの風格
ある演技が素晴らしいし、異常な境遇とかCGものが多い昨今ですが、奇異を狙わず
正攻法で進めて行く演出が素敵だし、纏まりのいい脚本も然り、当時の風俗を的確に
とらえた撮影もいいし、最後まで楽しめました。私の好きな一本でお薦めです。