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ブルース・スプリングスティーン「THE RIVER」感想

ブルース・スプリングスティーンのアルバム「THE RIVER」ボックスセットが12月に発売になると発表になった。
「THE RIVER」2枚組のアルバム。もとは1枚のアルバムだったらしくそのアルバム「THE TIES THAT BIND」も収録されるもよう。
またその頃のライブ映像も収録されるようでうれしい。
THE RIVERツアーは僕はライブ映像を一本しか観ていないので凄く楽しみ。
ただライブは完全収録ではないようですが。それが残念。

僕がブルース・スプリングスティーンの曲を一曲ずつ感想を書く試み。
今日は表題曲「THE RIVER」
この曲は僕は思い入れも強いので僕なりに和訳した歌詞も載せました。


俺は奥の谷から来た
そこでは若い時
あなたの父親がしたように俺も育てられた
俺とメアリーは高校で出会った
その時彼女はまだ17だった
俺達は谷から出て
緑の広がる野原へドライブに行ったものだった

俺達は川まで行って
川に入って泳いだものだった
ああ川まで行ったものだった

そうしてメアリーが妊娠した
彼女はそれだけを書いてきた
そして俺の19才の誕生日に
俺は労組の組合員証と結婚式に着る上着を手にした
俺達は二人だけで教会に行った
そして司祭が残りをやってくれた
結婚式の笑顔も教会で二人歩くことも
花もウエディングドレスも無かったけれど

その夜俺達は川に行った
そして二人、川で泳いだ
ああ川まで行ったのだ

俺は建設会社の仕事を得た
ジョンストンカンパニーという会社の
でも最近仕事があまりない
経済の関係ということで
今は大切だと思っていた事たちが
みんな空へ消えて行ってしまった
今俺は覚えていないと演じて
メアリーは気にしていないふりをしている

でも俺は二人で兄貴の車でドライブしたのを覚えている
貯水池で二人、彼女の体は濡れて日に焼けて輝いていたのを覚えている
夜、川の堤で俺は起きていながら横になっていた
そして彼女を引き寄せた彼女が息をするのを全て感じようとして
今、そのような記憶がよみがえって俺を呪って来る
それらは俺を呪縛のように襲う
夢を持つとは嘘をつく事なのか、もし実現出来なかったら
あるいはもっと悪い事なのか
俺を川へ行かせるように
俺は川はもう干上がっていると知っているのに
俺を今夜川へ行かせるのか
川へ行く
俺と彼女と二人で
俺達は川まで行く


僕はこの曲の後半、「それらの思い出が俺を呪う。呪縛のように俺を襲う」
という所を胸を締め付けられるように感じる。
そして「夢を持つ事は嘘をつく事なのか、もしそれを実現出来なかったら」
このことはブルース・スプリングスティーンがそれぞれの曲で繰り返し歌っている
夢を持ち、努力してそれを実現して、その代価を払う
のつらい現実を見せつけられる気持ちが僕はする。

でもそれでも主人公は生きていくのだ。
干上がった川を見ても生きていくのだ。
僕はそこに少しの救いも感じる。
それでも生きていていいのだよと言っている気が僕はするのだ。
ブルース・スプリングスティーン「THE RIVER」。僕の命題かもしれません。
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