かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

監査役の誕生

2022年12月04日 | Books


今日は(も?)ゴルフ?
ラッキーな天気で、小春日和というのだろうか。
富士山も見えた。



紅葉も最終盤だが、まだ楽しめる。



最初のホール。
打ち下ろし。



紅葉が綺麗。



メタサコイア並木が名物。



この滝は新たに作られたが、見事。



どうやら終盤。
今日は、前半より後半の方が良かった。
相変わらず、安定せず。



本書は、本屋に並んだ瞬間にゲット。

待ちに待ったというと言い過ぎだが、縁の深い本なので。
・著者と懇意
・月刊監査役連載時から愛読
・日本近代化の歴史に関心
・監査役機能に関心

改めて読んでみて、本当によくできた本だと思う。
一見、難しい法律書のように見えるが、中はまさにドラマチックに描かれており、テーマがもっとメジャーだったら、大河ドラマにもできそうなぐらいだ。
ただ、著者によると、書き始めた頃は全体の構想があった訳ではなく、調べては書き、調べたら書きを繰り返したら、このようなドラマ仕立てになったのだという。
それだけ、激変の時代だった。
昨年の大河ドラマ「青天を衝く」でも実感した通り。

そもそもこの監査役制度策定が何故急がれたかというと、不平等条約(治外法権、関税自主権)を改正するため、国内の法整備全体が急がれたことがある。
しかし、日本にそれまで何もなかったのだから、外国人に頼らざるを得ない。
そして、法律顧問として雇われたのが、ロェスレル。
日本法は、ドイツ法から来ていると言われているのは、このロェスレルがドイツ人だからというのが大きな要因だが、実は、このロェスレルは、ドイツでなかなか考えが受け入れらないでいたため、日本に来てくれたというのが経緯。
彼が日本のために、作った商法は、ドイツ法とフランス法の間で、同時期にできたイタリア法にむしろ近いという。

全てがゼロスタートだから、例えば”権利”という言葉もその中でできた。
監査役という言葉も当然なく、取締役になったらり、検査役になったり。
取締役は当初頭取と呼ばれたが、複数人いるので、それではおかしいということで、取締役になり、それまでの取締役が、監視と検査を合わせた造語から、監査役になったという。
株主総会と、取締役と監査役の関係も行ったり来たり。
上下になったり、横になったり。
監査役の人数も、3人以上となったり、1人以上となったり。
施行後、条文から消えてしまった時期もあったという。
監査役の権限についても、強まったり、弱まったり。
ドイツ法は強め、フランス法は弱めだったという。
澁澤栄一ら実業家は、人数が多すぎては、会社運営に支障を来すということで、3人以上とする説には反対し、その前に憲法ができたこともあり、商法の施行が遅れるが....
おまけにコモンローである英米法を学んだ学者らが、大陸法系は、実務に会わないと騒ぎ出す。

書きだしたら切りがないほど面白い。
ロェスレル個人への興味も書きたてられる。
結局、日本の法律の基礎を作るために、一生を捧げることになった。
また、これらの経緯を知ることにより、監査役のあるべき姿を読者に考えさせる内容にもなっている。
最後に著者の講演録が付いており、まとめ的になっていて、わかりやすい。

日本の法律の創生期の話に興味のある方に強くお勧めしたい。

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