かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

別冊太陽 日本書記

2020年11月06日 | Books
今日は、ちょっと寒い感じだが、中期予報によると、今年の冬は、最初の内は、暖冬だそうだ。



本年は、日本書紀1300年。
平城京遷都から、もう10年経ったのか。

すかさず、別冊太陽が出たので、即ゲット。
写真と、解説のコンビネーションが絶妙で、かなり買っているシリーズ。

本書も、日本書紀を知りたい人にはうってつけの内容になっている。
ただ、日本書紀中心なので、古事記好きの人には、やや文句をつけたくなる記述もある。

古事記好きの人は、日本書紀は、当時の統治者側を正当化するための潤色が多すぎて、本当の話は、古事記に隠されているという。本書では、古事記は、日本書紀前にあった様々な歴史本の中の1冊に過ぎず、正当な歴史書としては、日本書紀が優位だという。

どちらも正しいように思うが、確かに古事記は、神々の話が多く、現実に起こったことを神話に託しているとされてはいるが、物語性が強い。
一方、日本書紀は、神話部分は、最小限に抑え、天皇家が始まってからのことを中心に(史実風に)描いており、特に、天武・持統統治にいたる経緯は、かなり細かく記載する。
もちろんここには、嘘がたくさん含まれているのだが、当時の正史としては、日本書紀が上位に来るという考え方も当然あり、本書はそれを前提に、日本書記に描かれた世界が、今どこにどうなっているかをビジュアルに伝えてくれる。

実は、古事記の時にも別冊太陽は出ていて、その書を片手に古代史探訪を続けているというのが、実情。
だから、本書に出ているかなりのところは回っている。
ヤマトタケル関連、壬申の乱関連のところは回り切れていないが、かなり広範囲に渡るので、時間をかけてじっくりとというところか。

日本の天皇家は、王朝が変わらないとされるが、血統としては、途絶えた痕跡があり、これは諡号にも表れている。諡号は、日本書紀の元ができた後に、付けられたもの。

古代ロマンを巡る旅の背骨として、日本書紀を位置づけ、そこから思索を巡らすのが正しい手法なのだろう。
誰にでもお勧めできる1冊。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする