goo blog サービス終了のお知らせ 

曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

アサギマダラの幼虫同士が共食い

2015年06月19日 | 日記

この春生まれたアサギマダラ♂

越冬したアサギマダラの幼虫が4月から5月にかけて羽化します。そして6月のこの頃になると二化目の幼虫が山で育っています。

 


 今朝、一昨日山から連れ帰ったオオカモメヅルで育てているアサギマダラの幼虫の様子を見に飼育室へ行くとおどろくべき光景を目にしました。

昨夜10時ごろ様子を見に行ったときには2匹の幼虫が一枚のオオカモメヅルの葉裏に向かい合って並んでいるのが見えました。お昼頃には別々の葉を食べていたのですが夜には同じ葉に一緒にいるのが見られました。こんなことは普通のことでただ2匹が無事にいることを確認したので安心したのです。

今朝は忙しかったので9時過ぎて飼育室に入ったのですが本当に驚きました。アサギマダラの幼虫がもう1匹の幼虫を食べているのです。蜘蛛などの肉食の虫が蝶の小さな幼虫を食べている所はよく見たことがあり、当たり前のことです。でも、アサギマダラの幼虫が共食いするところは初めて見ました。長年アサギマダラの幼虫の飼育はやっていますがこんな例は初めてです。昨年アサギマダラの研究をしている方から共食いの例があると聞いていましたが信じることはできませんでした。虫の世界には共食いの例はありますがそうした共食いには意味がある場合があります。しかし植物を餌としている蝶の幼虫に共食いは意味がないと信じていました。それでもアサギマダラの場合食草だけを食べて成長するのではなく自分の生まれた卵の殻や成長するときの脱皮殻を丁寧に食べる性質があります。要らなくなった自分の抜け殻を無駄にしないで食べることにある意味で感心させられます。仲間の幼虫を食べることは種の保存から見ても納得のいかないところがあります。

私なりに敢えてこのような共食いに理由づけをするならばこんなことも考えられます。孵化直後や脱皮直後には自分の抜け殻を食べるようにホルモンか遺伝子によって行動が指定されているのなら自分の抜け殻を食べようとして側にいた仲間を間違えて食べてしまうということはありうるかもしれません。今朝の共食いの直前には食っていたアサギマダラの方は初齢から2齢に脱皮しています。この理由づけは私の勝手な推測ですから何の根拠もありません。もっと多くの例を使って実験する方法はありますが私にはとてもそこまではやれないでしょう。それに何方かがもう解明しているやもしれません。

 


アサギマダラの幼虫の共食い (オオカモメヅルで飼育)

 

 

しばらくたって見に行きました。食べられていた幼虫の残骸が糞と一緒に下に落ちていました。

 

オオカモメヅルの葉はよく食べられていました。昨夜2匹が食べたものかもしれません。

 

17日に皇座山から蔓ごと持って帰った幼虫はポリ袋の中で飼っています。今日で2日目です。

幼虫は赤い矢印の所にいます。