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博士の愛した数式

同じような気持ちで待っているのが、来年の新春に公開予定の「博士の愛した数式」だ。私がこの原作を知ったのは、1年ほど前NHKの「ラジオ深夜便」に作者の小川洋子が数日にわたって小説について語ったのを聞いたからだった。その時、彼女がこの作品について言及して「友愛数」というものについて説明した。「220と284の約数を自分自身の数を除いて足した和が、互いの数になっている」と言った。私は初めて聞いた言葉だったので、興味を引かれてバスを停め、メモした。家に帰って試しに計算してみたら
220の約数の和=1+2+4+5+10+11+20+22+44+55+110=284
284の約数の和=1+2+4+71+142=220
確かにそうなる。素晴らしい。
こんな数の組み合わせがあるなんて、私は大発見をした気がして、翌日書店でこの本を買い求めた。新刊本などあまり読まない私だが、この小説は文句なしに面白かった。80分しか記憶が持たないという博士と家政婦親子との物語だが、博士が可愛らしく、いじらしく思え、最後には不覚にも涙を流してしまった。そんなことは今までにあまりなかったことだから、自分でも驚いた。素直にいい小説を読んだと実感して、妻や息子にも読むように勧めた。
その小説が映画化されるという記事を以前何かで読んだ記憶はあるが、詳細については全く知らなかったので、検索してHPをのぞいてみた。すると家政婦役が深津絵里、博士役が寺尾聡とあった。深津はちょっと若い気もするが、まあきれいな女優だから見ているだけでも十分だと思うが、博士が寺尾というのにはちょっと違和感を持ってしまった。寺尾聡といえば、私にはどうしても「ルビーの指環」のイメージを払拭できず、博士役をするにはまだまだ枯れ方が足りないような気がする。彼の父親の宇野重吉の晩年のほうが、私としては博士のイメージにぴったりなのだが・・・と思ってスタッフを見たら、「雨あがる」の小泉尭史が監督となっている。「雨あがる」はDVDを買って、私にしては珍しくちゃんと見たものだから、(「阿弥陀堂だより」のDVDも一緒に買ったが、こちらは見ていない)大体の作風は分かる。もし、今度の映画もあのテイストで撮られるとしたら、期待外れになってしまうのではないかと心配になる。寺尾聡と宮崎美子の妙に善人めいた役柄が途中からだるくて仕方がなくなってしまったからだ。もうちょっと違う描き方をすれば、と私には不満の残った作品だった。
しかし、全く違った作風を「博士の愛した数式」で確立することだってある。どうか、原作のよさそのままか、それ以上に表現された作品になることを期待している。しかし、時期的に言って劇場公開を見る時間はないだろうな。またしばらく経って、DVD化されたものを見ることになるだろう、寂しいけれど・・・
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