議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

今年は埋立再考の年?

2019年01月01日 23時33分33秒 | 政策提言
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新年あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

昨年末にご挨拶を、と思ったのですが、読者が重複する方も多い
リバーのニュースレターで挨拶をしてしまったため、議論de廃棄物にて、
新年のご挨拶としたいと思います。

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さて、お題として
「埋立再考」としておりますが、時代背景を踏まえ埋立処分について
改めて評価をするタイミングではないか、という投げかけです。

現状は、3R(リデュース、リユース、リサイクル)があって、それも
できない場合は適正処分=焼却や埋立処分をする、という優先順位です。
つまり、サーマルリサイクル>埋立処分の順番です。(循環基本法より)

しかし、CO2を排出するサーマルリサイクルより、CO2を固定できる
埋立の方がよいのではないか、という話があります。これは、最近では
「プラスチック資源循環戦略小委員会」でも議論された話題ですし、
パリ協定を踏まえればむしろ当然ともいえる結論ではないでしょうか。
プラスチック資源循環戦略小委員会

もちろん、サーマルリサイクルで得られたはずのエネルギーを、どんな
方法で埋め合わせるのかという問題があります。
もし新たに掘り出した石油を燃やすのであればどうでしょうか。
私はそれでも、サーマルリサイクルよりマシだと思います。なぜなら、
地球にあるすべての石油を掘り出したとすると、完全に使い切る=CO2に
してしまうより、半分でも埋立になっているほうがトータルのCO2排出量は
少なくなるからです。
それにそもそも、発電専用の施設の方が効率はよいはずですから、ナンチャッテ
サーマルリサイクルをするくらいなら埋めたほうがいいと思いませんか?

もちろん、環境影響の評価は、社会的な評価や価値観、地域の特性によって
変わります。日本の場合は、埋立処分場の立地が難しく、その分焼却炉の数が
他の国より圧倒的に多いという事情があります。しかし、そろそろこの価値観が
通用しなくなるかもしれません。毎年の熱波、寒波、干ばつ、豪雨、超大型台風
など、いい加減受け入れ難くなってきています。

もしかしたら近いうちに、プラスチック専用の埋立処分施設=CO2固定貯留施設
という施設が廃棄物処理法か温対法の検討の俎上に上るかもしれません。

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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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今年の元旦は穏やかな一日でした。

でも、今年はそれほど穏やかな年にはならないのだろうなぁ、
と思っています。

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