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廃棄食品を処理業者に横流しされてしまった場合に、
排出事業者は廃棄物処理法違反に問われるのかという
ご質問をいくつも頂いていますので、解説したいと思います。
■処理委託時に気を付けること
排出事業者は、産業廃棄物の処理委託をする際には、
①委託基準と②マニフェストの他、不法投棄などがあった場合に
受ける可能性がある③措置命令(行政処分)に気を付けなければ
なりません。
■ケース設定
それでは、
「処理委託したものが、横流しされてしまった」
という場合で、不法投棄のような環境への悪影響は発生していない
ものとします。
まず、委託基準(契約書作成)とマニフェスト等の基本的な違反は
なかったものとします。
①委託基準=シロ
②マニフェスト=シロ
しかし、処理業者のホームページを確認せず、条例で義務化されているのに
現地確認もやっていないとしましょう。しかも、処理費はやたら安い。
これは、注意義務違反を問われて③措置命令を受ける可能性はあります。
詳しくは、「行政処分の指針について」のp.29の「第9」をご覧ください。
さて問題は、そもそも横流しが③措置命令(行政処分)の対象になるかどうか
です。
■措置命令の発出の条件
措置命令発出には、「違反+生活環境への支障」のセットが条件です。
「委託基準違反」(法第19条の5)
「マニフェスト違反」(法第19条の5)
「注意義務違反」(法第19条の6)
のどれかに該当していることと、
さらに、
「生活環境の保全上の支障」
が発生しているか、その恐れがある場合に措置命令が出ます。
■措置命令の可能性は?
今回のケースは、委託基準とマニフェストは大丈夫だけど、注意義務違反に
引っかかるかも、とご心配かもしれませんが、大丈夫。
横流しでは、生活環境に支障は発生しません。
(食品の安全や衛生は、生活環境とは違います)
従って、③措置命令(行政処分)を受ける可能性は全くありません。
つまり、今回の事件では、排出事業者は廃棄物処理法上は何の罰則も、
行政処分も受けることはありません。
しかし、今回は、横流しということで生活環境に支障は生じませんが、
もちろん、これが不適正処理なら支障が生じますので、誤解なきよう。
■リスクマネジメントの問題
今回の事件は、廃棄物処理の問題というより、リスクマネジメントの問題です。
普通の産廃ではないのですから、普段の処理委託と同等の管理ではダメなのです。
ダイコーについては、横流ししたのに、処分したとしてマニフェスト報告をした
(虚偽記載)ことで捜索を受けていますが、そっちは本丸ではないでしょう。
実際、警察は不正競争防止法違反の方向で動いています。
では、排出事業者には責任はないのか?
確かに、マニフェストの虚偽報告があったのに措置内容等報告書の提出を
していなかったのですが、虚偽だったなんて分かりっこありませんから、
そこは違反とは考えません。
したがって、法的には責任を問えないかもしれません。
被害者といえば、被害者ですしねー。
もちろん、実は担当者は横流しされることを気付いていた、というのであれば
共犯になるかもしれませんが、仮にそうだとしても立証は難しいでしょう。
違反は問われなくても、ブランドリスクではあったはずです。
マニフェストは、何もないよりマシ、という程度のものだと認識すべき
かもしれません。
そうだったとしても、マニフェストに問題があれば突っ込むべきですが、
普通は虚偽記載を見抜くことはできないでしょう。
では、鵜呑みにするのか、ということですが、その都度疑っていたのではキリが
ないです。基本記載は正しい前提でやるしかありません。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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なお、今回のビーフカツは産業廃棄物の動植物性残さという扱いでした。
・施行令第2条第4号(動植物性残さ)
食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として
使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
厳密に言えば、原料として使用したモノだけが産業廃棄物で、いったん
食料品になったモノが廃棄物になったとしても、産業廃棄物ではありません。
一般廃棄物です。
ダイコーは一般廃棄物の許可を持っていないでしょう。
そうなると、壱番屋は無許可業者への委託になるので、思いっきり
違反(委託基準違反)になります。
もちろん、ダイコーも違反(無許可営業)です。
でも、これの適用はできないでしょう。
なぜなら、ほとんどの会社で、この手の物は産業廃棄物として
処理しているからです。もし、これを一般廃棄物だとすると、
全国の一般廃棄物処理がひっくり返ります。
はい、この話は聞かなかったことにしてください。
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廃棄食品を処理業者に横流しされてしまった場合に、
排出事業者は廃棄物処理法違反に問われるのかという
ご質問をいくつも頂いていますので、解説したいと思います。
■処理委託時に気を付けること
排出事業者は、産業廃棄物の処理委託をする際には、
①委託基準と②マニフェストの他、不法投棄などがあった場合に
受ける可能性がある③措置命令(行政処分)に気を付けなければ
なりません。
■ケース設定
それでは、
「処理委託したものが、横流しされてしまった」
という場合で、不法投棄のような環境への悪影響は発生していない
ものとします。
まず、委託基準(契約書作成)とマニフェスト等の基本的な違反は
なかったものとします。
①委託基準=シロ
②マニフェスト=シロ
しかし、処理業者のホームページを確認せず、条例で義務化されているのに
現地確認もやっていないとしましょう。しかも、処理費はやたら安い。
これは、注意義務違反を問われて③措置命令を受ける可能性はあります。
詳しくは、「行政処分の指針について」のp.29の「第9」をご覧ください。
さて問題は、そもそも横流しが③措置命令(行政処分)の対象になるかどうか
です。
■措置命令の発出の条件
措置命令発出には、「違反+生活環境への支障」のセットが条件です。
「委託基準違反」(法第19条の5)
「マニフェスト違反」(法第19条の5)
「注意義務違反」(法第19条の6)
のどれかに該当していることと、
さらに、
「生活環境の保全上の支障」
が発生しているか、その恐れがある場合に措置命令が出ます。
■措置命令の可能性は?
今回のケースは、委託基準とマニフェストは大丈夫だけど、注意義務違反に
引っかかるかも、とご心配かもしれませんが、大丈夫。
横流しでは、生活環境に支障は発生しません。
(食品の安全や衛生は、生活環境とは違います)
従って、③措置命令(行政処分)を受ける可能性は全くありません。
つまり、今回の事件では、排出事業者は廃棄物処理法上は何の罰則も、
行政処分も受けることはありません。
しかし、今回は、横流しということで生活環境に支障は生じませんが、
もちろん、これが不適正処理なら支障が生じますので、誤解なきよう。
■リスクマネジメントの問題
今回の事件は、廃棄物処理の問題というより、リスクマネジメントの問題です。
普通の産廃ではないのですから、普段の処理委託と同等の管理ではダメなのです。
ダイコーについては、横流ししたのに、処分したとしてマニフェスト報告をした
(虚偽記載)ことで捜索を受けていますが、そっちは本丸ではないでしょう。
実際、警察は不正競争防止法違反の方向で動いています。
では、排出事業者には責任はないのか?
確かに、マニフェストの虚偽報告があったのに措置内容等報告書の提出を
していなかったのですが、虚偽だったなんて分かりっこありませんから、
そこは違反とは考えません。
したがって、法的には責任を問えないかもしれません。
被害者といえば、被害者ですしねー。
もちろん、実は担当者は横流しされることを気付いていた、というのであれば
共犯になるかもしれませんが、仮にそうだとしても立証は難しいでしょう。
違反は問われなくても、ブランドリスクではあったはずです。
マニフェストは、何もないよりマシ、という程度のものだと認識すべき
かもしれません。
そうだったとしても、マニフェストに問題があれば突っ込むべきですが、
普通は虚偽記載を見抜くことはできないでしょう。
では、鵜呑みにするのか、ということですが、その都度疑っていたのではキリが
ないです。基本記載は正しい前提でやるしかありません。
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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なお、今回のビーフカツは産業廃棄物の動植物性残さという扱いでした。
・施行令第2条第4号(動植物性残さ)
食料品製造業、医薬品製造業又は香料製造業において原料として
使用した動物又は植物に係る固形状の不要物
厳密に言えば、原料として使用したモノだけが産業廃棄物で、いったん
食料品になったモノが廃棄物になったとしても、産業廃棄物ではありません。
一般廃棄物です。
ダイコーは一般廃棄物の許可を持っていないでしょう。
そうなると、壱番屋は無許可業者への委託になるので、思いっきり
違反(委託基準違反)になります。
もちろん、ダイコーも違反(無許可営業)です。
でも、これの適用はできないでしょう。
なぜなら、ほとんどの会社で、この手の物は産業廃棄物として
処理しているからです。もし、これを一般廃棄物だとすると、
全国の一般廃棄物処理がひっくり返ります。
はい、この話は聞かなかったことにしてください。
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