議論 de 廃棄物

環境・廃棄物問題の個別課題から問題の深層に至るまで、新進気鋭の廃棄物コンサルタントが解説、持論を展開する。

経済成長は本当に必要?

2009年11月13日 06時08分33秒 | ベーシックインカム
 失業率を下げるために経済成長をする、国の財政を健全化するために経済成長をする、という話がよくされています。

 でも、所得配分をちゃんとやれば、仮に失業率が上がっても、経済成長しなくてもOKですよね。一方、財政健全化のために経済成長しなければならないなんて、予算の無駄遣いをしたい人の勝手な言い訳のような気がします。
 そもそも有限である地球においては、経済成長なんて永遠に続けることができません。ですから経済成長という指標は、(経済成長と環境負荷が切り離せるならともかく)いつか捨てなければならないことは誰の目にも明らかです。

 でも、菅さんは経済成長戦略を策定するなんていっています。

・・・・
 もう聞き飽きた方も多いでしょうが、GNH(Gross National Happiness=国民総幸福量)という考え方があります。経済成長やGDPを目標とするのであなく、本来の人間の目的である幸福量を増やすことを目標とする、ということです。これが正しい目標であることは、誰の目にも明らかです(言いすぎ?)。

 さて、これを我国の主要な政策目標に取り入れる可能性はあるのでしょうか。ベーシックインカムを導入するのと、どちらがハードルが高いのでしょうか。どちらも人の幸福や生活の安定を目的としたものです。もしかすると、ほとんど同じタイミング、文脈で検討されるテーマになるかもしれません。

 GNHとベーシックインカム導入を一緒に検討、実現できると面白いんですが。格差問題、環境問題の深刻化を考えると、すぐにでも検討したいところです。

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4 コメント

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経済成長とGNH/ベーシックインカムは両立します (ペマ)
2009-11-13 23:40:10
私もベーシックインカムを強く支持しますが、これは「小さな政府」の考え方に非常に良くフィットするからです。

「所得配分をちゃんとする」と言うのは簡単ですが実は立場によって意味は違ったものになります。ある人達にとってベーシックインカムは間違った所得配分になり得るということです。

ベーシックインカムは「負の所得税」の変形だと思いますが、「負の所得税」はバリバリの新自由主義ミルトン・フリードマンのアイデアです。

フリードマンは「ちゃんと所得配分が出来れば経済成長なんていらない」とは死んでも言わないでしょう。もう死んでしまってますけど。
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経済成長してもらっちゃ困るんです (堀口昌澄)
2009-11-16 00:26:50
ペマ様

コメントありがとうございます。

おっしゃるとおり「小さな政府」と「生活保障」の両立をするという意味で、ベーシックインカムは非常に有用だと思います。

一方で、ベーシックインカムがあれば購買力の低下による経済への悪影響も避けられる、というのが新自由主義の方の主張、という理解ですが、正しいでしょうか。

私の立場としては、ベーシックインカムで経済成長をストップさせる、というものではありません。そこまでの効果を持たせる(給付額をむちゃくちゃ高くする)べきではないでしょうから。
それより、成長の限界があるのであれば破滅的な状況になる前にさっさと受入れる、ただしだからと言って所得格差の拡大を容認するものではない→目指すべきはGNHの追求とそれをサポートする政策の一つとしてベーシックインカムを導入する、という考えです。
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購買力とベーインには何の関係もないですよ (ペマ)
2009-11-16 23:11:22
ふたつに因果関係はないですね。制度設計の前提の問題です。現実に生活保護という制度はありますが購買力の話とマクロでは関係ないですから。

仕事をしたくてもできない人ははたして幸福なんでしょうか?仕事をして月10万円しか稼げない人と生活保護で20万円もらっている人はどちらが幸せなんでしょうか?

GNHが日本より高い中国の所得格差は日本の比ではないのはなぜでしょうか?少なくとも日本人の多くは平均的中国人よりも自分のほうが幸せだと思っていると思います。

ベーシックインカムは環境問題や格差是正の道具として使われるべきではないのではないでしょうか?

実際ベーシックインカムを導入しても格差はそれほど小さくならないでしょう、生活保護と同じで。
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なるほど、そうですね (堀口昌澄)
2009-11-17 06:22:01
ベーシックインカムであれ、生活保護であれ、社会保障のひとつの形態でしかない=設計によって、格差是正につながるとは限らない、ということでしょうか。

確かにそうですね。

で、ご指摘いただいて気が付いたのですが、私は「ベーシックインカムは、格差是正というより絶対的な生活保障をすること」という認識を強くもっているのかもしれません。

「自由と保障」という本がありますが、この社会を大変革しなければならないのであれば、個々人がもっと「自由」にならないといけないと思っています。
個々人が自由に活動できるようにして、結果的に社会が良い方向に進むための基礎を作る、そういったことを考えています。
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