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例の利根川ホルムアルデヒド事件については、既に前駆物質である
ヘキサメチレンテトラミンの水質汚濁防止法の指定物質へ追加が実施
されていますが、廃棄物処理法の対応は遅れています。
確かに通知*により、ヘキサメチレンテトラミン(以下HMTという)の
「含有について契約書の条項に含まれていない場合には、同号に違反する
ものとして取り扱って差し支えない」としていますが、そもそも管轄の
埼玉県は排出事業者がHMTの含有について伝えていなかったことを持って
違反とはいえないと判断したように、この通知の法的な根拠は怪しい
わけです。
政省令の改正により法的拘束力を持たせることも検討しているようですが、
まだ具体化の目処は立っていないようです。
*:ヘキサメチレンテトラミンを含有する産業廃棄物の処理委託等に係る留意事項について(通知)環廃産発第120911001号 平成24年9月11日
この問題は、HMTやホルムアルデヒドに限った話ではなく、適正処理の
ために排出事業者と処理業者が①どのようにコミュニケーションを
取るべきなのか、それを②どのように強制させるのか、というところにあります。
②は政省令での具体的な基準が必要で、適用する廃棄物の種類の設定が難しいため、
制度化するためには相当の調整が必要です。
一方①については、「平成24年度産業廃棄物処理委託に係る情報提供等のあり方検討業務」
の報告書によると、排出事業者と処理業者にヒアリングやアンケートを実施し、
実態調査や意見徴収を行い、学識経験者による検討会を経てWDSガイドラインの
改訂をしたようです。
現時点では、一般に公開されていませんので、ネットでも見ることはできません。
関係各方面と調整の上で、正式リリースされるようです。時期は未定です。
直接環境省に取りに行くと、在庫があればもらえるでしょう。私はそうしました。
■WDSの改訂案のポイント
WDSの枚数はこれまで通りA4の2ページで、追加された主な記載欄は、
①MSDSがある場合のCAS No.、
②委託する廃棄物に含有するPRTR対象物質名、
③ホルムアルデヒドの前駆8物質の有無、
④特別注意事項という欄が作られ、注意すべき点があればちゃんと書く、
ということで、やはり今回の事件対応の色合いが濃いです。
無論ガイドラインであるため、古いWDSと新しいものを差し替えする義務はありませんが、
汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリなどの処理委託をする際には、可能な限り原料の(M)SDSを
提供したほうがよいでしょう。
【ホルムアルデヒド前駆物質】ヘキサメチレンテトラミン、1,1-ジメチルヒドラジン、
N,N-ジメチルアニリン、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
N,N-ジメチルエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、1,1-ジメチルグアニジン
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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私が日経エコロジーに連載した過去の記事の一部が掲載された本が出ました。
「1冊でまるごと分かる環境法」
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例の利根川ホルムアルデヒド事件については、既に前駆物質である
ヘキサメチレンテトラミンの水質汚濁防止法の指定物質へ追加が実施
されていますが、廃棄物処理法の対応は遅れています。
確かに通知*により、ヘキサメチレンテトラミン(以下HMTという)の
「含有について契約書の条項に含まれていない場合には、同号に違反する
ものとして取り扱って差し支えない」としていますが、そもそも管轄の
埼玉県は排出事業者がHMTの含有について伝えていなかったことを持って
違反とはいえないと判断したように、この通知の法的な根拠は怪しい
わけです。
政省令の改正により法的拘束力を持たせることも検討しているようですが、
まだ具体化の目処は立っていないようです。
*:ヘキサメチレンテトラミンを含有する産業廃棄物の処理委託等に係る留意事項について(通知)環廃産発第120911001号 平成24年9月11日
この問題は、HMTやホルムアルデヒドに限った話ではなく、適正処理の
ために排出事業者と処理業者が①どのようにコミュニケーションを
取るべきなのか、それを②どのように強制させるのか、というところにあります。
②は政省令での具体的な基準が必要で、適用する廃棄物の種類の設定が難しいため、
制度化するためには相当の調整が必要です。
一方①については、「平成24年度産業廃棄物処理委託に係る情報提供等のあり方検討業務」
の報告書によると、排出事業者と処理業者にヒアリングやアンケートを実施し、
実態調査や意見徴収を行い、学識経験者による検討会を経てWDSガイドラインの
改訂をしたようです。
現時点では、一般に公開されていませんので、ネットでも見ることはできません。
関係各方面と調整の上で、正式リリースされるようです。時期は未定です。
直接環境省に取りに行くと、在庫があればもらえるでしょう。私はそうしました。
■WDSの改訂案のポイント
WDSの枚数はこれまで通りA4の2ページで、追加された主な記載欄は、
①MSDSがある場合のCAS No.、
②委託する廃棄物に含有するPRTR対象物質名、
③ホルムアルデヒドの前駆8物質の有無、
④特別注意事項という欄が作られ、注意すべき点があればちゃんと書く、
ということで、やはり今回の事件対応の色合いが濃いです。
無論ガイドラインであるため、古いWDSと新しいものを差し替えする義務はありませんが、
汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリなどの処理委託をする際には、可能な限り原料の(M)SDSを
提供したほうがよいでしょう。
【ホルムアルデヒド前駆物質】ヘキサメチレンテトラミン、1,1-ジメチルヒドラジン、
N,N-ジメチルアニリン、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン、
N,N-ジメチルエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、1,1-ジメチルグアニジン
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■□■□■□■□■□■編集後記■□■□■□■□■□■□■□
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「1冊でまるごと分かる環境法」
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=16736