JF4CADの運用日誌2.5

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奈良・高畑町御朱印めぐり①

2018-08-12 | 御朱印めぐり
今回は奈良・高畑町の御朱印巡りです。

高畑町は春日大社の南に広がるエリアで、春日大社の神職らが暮らす地でした。


この夏奈良市が展開する「なつの奈良旅キャンペーン」の一環としてJR西日本が「ちょこっと関西歴史たび」という企画を行っており、7/1~9/30まで高畑町界隈にある新薬師寺・不空院・福智院の3カ寺で「ちょこっと関西歴史たび」限定の御朱印をいただけることになりました。

#「ちょこっと関西歴史たび」はJR西日本が近畿にある沿線の地域にスポットを当てて特別公開などのイベントを展開する企画で、3ヶ月毎に対象エリアが変わり、最近は対象エリアの寺院で「ちょこっと関西歴史たび」の特別御朱印を展開していることがあります。

ろうそくの明かりでライトアップされる「なら燈花会2018」が8/5~14に開催されるのに合わせて新薬師寺と不空院が夜間拝観を行いますので、猛暑日の続く奈良でも少しは過ごしやすい時間に回ることができます。

特別御朱印のある3つのお寺ですが、
・新薬師寺 夜間拝観は書き置きのみ(昼間は直書き対応)
・不空院  昼間の拝観と御朱印は予約が必要(夜間拝観は予約不要)
・福智院  夜間拝観なし、16時まで
と対応がバラバラです。不空院を夜間に、新薬師寺と福智院を昼間に回った方が良さそうです。

そこで8/4の朝のうちに新薬師寺と福智院を回り、合わせて近くにある元興寺なども回ってみたいと思います。暑い時期ですからお昼前(11時目安)で終わりにして熱中症にならないようにしたいと思います。残る不空院は「なら燈花会2018」の時期に回ってみます。


拝観受付は朝9時からなので8時半頃に近鉄奈良駅に着けばOKです。

鶴橋から近鉄奈良線に乗りましょう。奈良線の看板列車は快速急行です。鶴橋を出ると次は生駒まで止まりません。1972年のダイヤ改正で誕生、現在は20分毎の運転で阪神の三宮から直通する列車もあります。

近鉄は2010年前後から乗客の減少に対応するため急行や準急の停車駅を追加しています。この影響もあり看板の快速急行も鶴橋-奈良間で33分前後かかっています。鶴橋駅にあった奈良競輪の看板には子供の頃「(競輪場最寄りの)西大寺まで快速急行22分」とあったはずですので当時より遅くなっています(西大寺-奈良は5分ですから鶴橋-奈良は27分前後でした)。今回乗る7時59分発は土曜朝の奈良行きですので30分と最速の電車です。

石切まで坂を上り生駒トンネルに入ると抜けた先が生駒です。生駒がほぼ中間で、あとは緩やかに奈良盆地を下ってゆきます。地下駅になっている近鉄奈良駅に到着です。

奈良市内のバスは近鉄系の奈良交通が運行しています。高畑町界隈は東から西に向かって下り坂になっており最初に東にある新薬師寺に行くのが正解でしょう。新薬師寺は近鉄奈良駅からバスで破石町下車が便利です。

「わりいしちょう」と読むそうです。

破石町のバス停からはこのように新薬師寺まで長い坂がだらだら続きます。

新薬師寺に到着。奈良時代に光明皇后が聖武天皇の病の平癒を祈願して創建した華厳宗のお寺で、本尊は国宝の薬師如来です。奈良は度重なる戦乱で寺社が焼失していますが、新薬師寺は幸いにも残り、国宝の本堂は奈良時代のものだそうです。

門前の拝観受付で拝観料と御朱印料を支払います。複数の御朱印、例えば2つお願いしたい際はここで2つと申し出るとプラスチックの札を2枚もらえます。この札と御朱印帳を本堂内の受付に持ってゆくと御朱印が頂けます。

この本堂を左手に回り込むと拝観口があります。ここの中で御朱印帳を預けます。


本尊の薬師如来と本尊を守る十二神将は国宝で(正確には戦前に作り直された宮毘羅大将を除く11体が国宝)、中でも伐折羅大将は500円切手の図柄に採用されたこともありました。十二神将はじっくり見る価値があると思います。

新薬師寺の御朱印と御詠歌です。いただいた御朱印には「ちょこっと関西歴史たび」の判があります。

御詠歌は短歌の形をした巡礼歌で、西国三十三カ所をはじめ一部の著名な寺院では御詠歌も頂くことができます。通常の御朱印に比べ手間がかかるので多忙時には断られることもあります。手が空いてそうな朝早くでしたのでOKでした。かつて四国八十八カ所霊場でも頂けたそうですが現在は取りやめられています。また日蓮宗のお寺には御詠歌はありません。


坂を下って福智院を目指します。早くも暑くなってきました。

福智院に到着。

福智院は736年に聖武天皇の発願により創建された清水寺が起源で、1254年に再興された真言律宗のお寺です。真言律宗は広い意味での真言宗の一派のようです。

門をくぐると御朱印の案内があります。お堂の一角に受付があり、ここで拝観料と朱印料を支払い御朱印帳を預ける形です。

本尊の地蔵菩薩座像は再興された際に作られたもので、2.73mと地蔵菩薩座像としては日本一大きいと言われています。本堂とともに重要文化財に指定されています。今回は本堂改修の際に見つかったという絵入りの卒塔婆も展示していました。お寺の方に説明してもらえ、お茶も頂けるなど小さなお寺ならではの小回りの利くサービスが印象的でした。

福智院でも「ちょこっと関西歴史たび」の御朱印が頂けました。

もう一つ「ちょこっと関西歴史たび」を記念した新幹線のイラスト入り御朱印も頂いています。書き置きではなくお願いすると専用の紙に書いて頂ける形です。「JR西日本 承認済み」というのがユニークですね。恐らくJR側から特別御朱印の話が来た際にお寺側が提案したのでしょうね。拝観中に他の拝観客もこの新幹線の御朱印を頂いており人気のようでした。

#この新幹線の御朱印を4,000円でネットフリマに出している輩がいましたが罰当たりなことはやめましょうね。


これでメインの目的を達成できました。まだ少しは歩ける気温なので続けましょう。福智院のさらに西にあるのが元興寺です。飛鳥の地にあった飛鳥寺が平城京に移されたもので、今年創建1300年を迎えました。

元々は大きな伽藍を構えていましたが度重なる戦乱で多くを失い衰退、寺域も最盛期の何分の一かになっています。現在は「極楽坊」と呼ばれる真言律宗の「元興寺」とその南にある「塔跡」と呼ばれる華厳宗の「元興寺」とに分かれています。同じ元興寺でも属する宗派が異なっています。

「塔跡」の方の元興寺はご不在のようでした。すぐ近くの御霊神社に行ってみます。

800年に吉備真備以下の八所御霊を祀って創建されています。1451年に元興寺の火災に巻き込まれ焼失、現在の地に移されています。祭神もそのあたりで変更されたのか現在は井上皇后などになっています。

吉備真備は奈良時代の学者で遣唐使の一行として唐に渡り儒学や兵法、天文学などの書物を唐より持ち帰っています。聖武天皇などの信任が厚く、地方豪族の出身としては異例の右大臣に昇進した人物です。先の豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町は吉備真備の出身地とされています。

御霊神社のご朱印です。


「塔跡」の北にあるのが「極楽坊」の方の元興寺です。こちらは所有する曼荼羅図が民間信仰と結びついて参拝客を集め、「塔跡」よりもお寺の整備が進んでいたようです。

本堂は元々は僧坊(住居)だったようです。

拝観受付で拝観料と御朱印料を一緒に支払いお願いする形です。3種のサンプルがありますが、受付の掲示を色々見ると他にも頂けるようです。詳しくは受付の係員にお問い合わせください。

元興寺は現在の元興寺文化財研究所の前身となる元興寺仏教民俗資料研究所を1967年に発足させ、以来他県の文化財を含めて保存や調査研究を行っています。展示室がありますので一度ご覧になるといいと思います(拝観料を払っていれば展示室も見学可)。

創建1300年記念の御朱印を頂きました。また2つの元興寺が寺宝の仏像を持ち寄り公開する記念行事も開かれるとのことです。


分量が多くなってきましたので今回はここまで。後半に続きます。

今回回った寺社の御朱印情報です(御朱印料は特記ない限り300円)。
新薬師寺  6種を本堂で授与(朱印料は拝観受付で)。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
福智院   10種を拝観受付で授与。4種は直書き、季節限定などは専用用紙となり500円。
御霊神社  2種を社務所で授与。直書き。季節により書き置き限定ご朱印あり。500円。
元興寺   5種(?)を拝観受付で授与。直書き。オリジナル御朱印帳あり。
(極楽坊)

※「ちょこっと関西歴史たび」の御朱印は9月末まで。希望の場合はお願いする際に指定を。
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