JF4CADの運用日誌2.5

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長野県建設業厚生年金基金の疑惑は解明なるか?

2013-11-04 | シャック便り

以前にも触れました長野県建設業厚生年金基金の事務長が掛金を持ち逃げして海外逃亡を図った件は逃亡先のタイで身柄が確保されました。今後身柄は日本に移送され持ち逃げの件で取り調べを受けることになるようです。

マスコミ的には「持ち逃げした二十億円を超える金を何に使ったのか」に興味があるようなんですが、何に使ったかなんてことは下世話で意味のない話でしょう。この事務長を巡ってはもう一つ解明の進んでいないベンチャーファンド(未公開株)への不透明な投資事件があり、こちらが解明されるかの方が問題じゃないかと思っています。

 

ベンチャーファンドはまだ若い会社で株式を上場していないものの、将来の成長が見込めるような会社に投資し、成長後に投資した資金を回収するのがベンチャーファンドです。もし成功すれば何倍・何十倍ものリターンが返ってくることがあります。一方で事業に行き詰まり紙くずになってしまう場合もあるハイリスク・ハイリターンな投資です。

一般的には1社に投資するのは危険なので資金を何社にも分けてリスク分散を図ります。この辺の資金の割り振りや投資先を見つけてくるのがベンチャーファンドです。年金基金は長期投資ができますから、このようなベンチャー投資は全資産の数%程度であれば魅力的な運用先と言えます。

 

ところが長野県建設業厚生年金基金の投資したベンチャーファンドは怪しげな会社に投資していたことが明らかになっています。投資先の中には既に倒産した会社、元々ペーパーカンパニーではなかったのかと疑われる会社もあったようです。当然ながら運用成績は非常に悪く、普通なら清算するべき状態なのですが、この事務長サイドから追加投資の要請が何度も行われていたことが明らかになっています。大損の出ているファンドに出資者側から追加出資を求めてくるのは普通に考えておかしい話です。

これらのベンチャーファンドに投資された68億円は時価評価で1割くらいになっているとされ、消えた金は持ち逃げした額よりも多いのです。成績の悪いファンドに追加で投資するのにはどんな理由があったのか、投資された金が正当な事業を行っての損失であったのか?あるいは闇に消えたのか?解明が待たれるところです。

 

私はこの件で何度も繰り返していますが、厚生年金基金やそれを運営する中小企業にガバナンスやコンプライアンスへの意識が欠けていることが一番の問題だと思っています。食品の偽装問題なんかもそうですが、何か問題が起きれば即廃業に追い込まれる時代なのですから昔からの考えを変えてゆくべきなのではないかと思っています。

コメント
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