JF4CADの運用日誌2.5

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波照間海運が正念場に

2012-06-26 | シャック便り

石垣-波照間島間でフェリーと高速船を運航していた波照間海運が2011年11月から運休していることは既にお知らせしましたが、事態がさらに深刻になっている模様です。

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2011年より波照間海運に加えて安栄観光が波照間への定期航路を持つようになり、今まで波照間海運に対して出されていた赤字航路の補助金が打ち切られています。このため経営が成り立たないとして運休を決めたものです。その後、製糖工場の資材や製品の輸送などに支障が出たことから、フェリーに限り臨時運航をさせてきました。

ところが5月24日付で沖縄総合事務局より波照間海運に対し届け出たダイヤ通りの運航を行っていないとして「船舶運航確保命令」の処分が出されています。この船舶運航確保命令が出されるのは大変珍しいことです。しかしながら補助金は打ち切られたままで高速船の運航ができるような経営環境ではなく、万事休すとしてフェリーの臨時運航も中止し石垣島の離島ターミナルにあった事務所も引き払っているようです。詳細はこちら。波照間海運の経営陣とは連絡が付かず、会社存続の正念場を迎えているようです。

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この事務所を引き払った模様です。八重山日報の記事によると新鋭船の「ぱいぱてぃろーま」はメーカーに返却された模様です。ということは現在は大阪の三保造船所にいるのでしょうか?

 

それじゃ安栄だけで何とかなるのかと言えばならないようです。 実は安栄のフェリーは危険物輸送の許可を取っておらず、島の発電所で使う燃料等の輸送ができないようです。1ヶ月ほどはタンク内の燃料で発電できるのですが、このままでは燃料の補給ができず波照間島は最悪全島が停電してしまうことになります。停電すると水道も止まるそうで、与那国行きの福山海運に窮状を訴えて頼み込み「フェリーよなくに」で緊急に燃料を運び込んだらしいです。

とりあえず安栄観光が危険物の輸送許可を取ることで話が進んでいるようですが、いつ許可が下りるのか確定しておらず、許可が下りても小型フェリーのため輸送力に難があります。さらに鉄筋などの資材やアイスクリームなどの冷凍食品の輸送も難しいそうで、今後波照間島の必要物資が綱渡りになることは避けられそうにありません。

 

こんな状態で波照間海運を追い込むような行政処分を下して一体何やってるんですか?といいたくなるお役所仕事です。もちろん竹富町も十分な支援策を行ってはおらず、波照間海運の運航停止も公民館からの情報で知ったというていたらくぶりです。この状態では観光や産業へのダメージが避けられないかも知れませんね。

 

この先波照間島への渡島をお考えの方は宿泊予定の宿との連絡を密にし、最新情報を得ておくようにしてください。加えてパンなどは石垣島から持ち込むことをお勧めします。

 

***この件は竹富町議会や沖縄県議会でも取り上げられ、「フェリーはてるま」を買い上げるかリースし運航する案が有力になってきているようです。しかしながら運航するのは波照間海運ではなく安栄観光になるようです。一連の経緯を見る限り何かしっくりこないのは私だけでしょうか。

コメント
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