見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

東博のおまけ/親と子のギャラリー

2005-01-25 00:07:49 | 行ったもの(美術館・見仏)
○東京国立博物館 親と子のギャラリー『仏像のひみつ』

http://www.tnm.jp/

 先に唐招提寺展を見てきた友人から「平成館のギャラリーに、本館の仏像が来てるから見逃さないように」と忠告されていたので、のぞいてみた。

 そしたら、あ~ら、びっくり! いつもは本館の彫刻室で孤独なスポットライトを浴びている仏像たちが、小学生や中学生にも分かるよう、平易な言葉で語りかけている。「ボクはこどもの姿の仏像。親と子のギャラリーはボクが案内するよ!」(文殊菩薩)「さとりをひらいた如来の姿をみてください」(阿弥陀如来)なんてふうに。

 この展示、小さい子供を連れた親子が楽しめるように企画された「親と子のギャラリー」というシリーズだが、見渡したところ、あまり子供はいなくて、おじさん・おばさんや若いカップルが熱心に見入っていた。

 着眼点がなかなかいい。「仏像にもやわらかいのとカタイのがいる!」は、塑像や乾漆像のように柔らかい素材を重ねて造るグループと、木彫や石仏のように硬い素材を掘り込んで造るグループを比較したもの。「仏像もやせたり太ったりする!」は、仏像彫刻の体型の好みが時代によって変化することを示したもの。体の厚みが分かりやすいように、観客にわき腹を向けて、斜めに並んだ仏像がおもしろかった。

 「平安初期の仏像です。でっぷり太っています」なんて、親しみ深く仏像に語らせているが、その実、こんなふうに仏像を徹底して「モノ」として扱ってしまうのは、純真な子供の視点を隠れ蓑にしているからできることで、大人向けの展示では、ちょっとできない冒険だと思う。この企画、学芸員さんたちもかなり楽しんだに違いない、と私はにらんでいる。

 このほか、盧舎那仏の模型を作った芸大生のギャラリートークあり、仏像のきものを着て「仏像になってみよう!」というワークショップもあるようだ。うーん。子持ちの友人を誘い出して、行ってみたいような、怖いような...
コメント (1)
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