「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

夢のオーディオ機器

2013年11月27日 | オーディオ談義

去る24日(日)は朝からお天気に恵まれて遠方に出かけるにはうってつけの行楽日和。

秋晴れといえば、つい「北京秋天」という言葉を思い出す。

悲劇の宰相「広田弘毅」の生涯を描いた「落日燃ゆ」(城山三郎著)の中に、どこまでも透き通った北京の秋の空の描写があるがとても印象に残っている。秋の空が透き通っている理由の一つは大陸からの移動性高気圧のお蔭だそうで科学的にも説明できる。

また「日本洋画界の重鎮」梅原龍三郎画伯にも「北京秋天」と題した作品があるが、PM2.5で毒された現在の北京ではきっと見る影もないに違いない。

さて、爽やかな秋空が天高く広がっていると何だか気持ちまで清々しくなって予定の8時半よりも早めに自宅を出発。もうヤル気十分(笑)。

目指す目的地は福岡県内在住のオーディオマニアのお宅で今回は2か所。

最初の試聴先は自分と同じSPユニット「AXIOM80」(以下「80」)を愛用されているKさんのお宅。スイスイといつものように高速を飛ばして1時間20分ほどで到着。

Kさんは何しろ「80」を完璧に鳴らすために日頃からプリアンプ7台、パワーアンプ13台を駆使して綿密に「相性」を探っておられるが、おそらく「80」に対する“愛情とこだわり”にかけては「日本でも有数の方」といっていいだろう。

これだけ人を夢中にさせる「80」の魅力を語り尽くすことは難しいが、逆に言い換えると、うまく鳴らすのにこれほど気難しくて手こずるSPユニットはほかにない。あらゆるオーディオ機器やアクセサリーのクセをたちどころに表現してしまう。

これら20台のアンプはいずれも「ノンNFB」の真空管アンプで、Kさんによると「トランジスターアンプは血の通った音が出ないのでいっさい使いません。」と、これまた徹底されている。

「やあ、どうもどうも」と、ご挨拶もそこそこにジャズを聴かせてもらったが実に野太い音が部屋中に響き渡る。「80」からこんな線の太い音が出るというのはちょっと信じられないほどで「アンプはどれを使ってるんですか?」

「今回は12AU7(電圧増幅管)を使ったプリアンプと171A(出力0.5ワット)を使ったパワーアンプの組み合わせです」

たかだか1ワット以下の出力でこんな音が出るんだからアンプの出力表示なんてまったく参考にならない!

また、プリアンプの性格も大きく作用しているようだ。この前聴かせてもらったときは松下の「7308」(「6DJ8」の高信頼管)を使ったプリアンプだったが、その時はもっと高域が華やかだったような気がする。

「プリアンプ次第でガラッと音が変わりますよ。パワーアンプよりも影響が大きいくらいです。」
と、Kさん。

はたして「12AU7」の穏やかでしっかりした骨格の音をとるか、「7308」の艶のある高域の切れ込みをとるか、これは実に選択が難しい。Kさんにとっても簡単に結論が出ないので、その日の気分によって日替わりで楽しんでおられるのだろう。こうなると、もう好き好きの世界。

まあ、あえて個人的な感想を言わせてもらうと「7308」独特の「高域の切れ込み」は、禁断の味そのもので一度味わうとほかの球ではちょっと物足りなくなる。

今のところ「真空管式のプリアンプは“7308”を使ったものに一日の長がある」と考えているが、Kさんは一段とグレードアップした12AU7のプリアンプを現在製作依頼中とのことで、その完成の暁まで結論を保留しておこう。

ほかにもKさん宅では傍熱管と直熱三極管の違いなどを確認させてもらってから、昼食をはさんで今度はNさん宅へ移動。およそクルマで15分程度の距離で非常に近い。

Nさん宅の近くの目印の中華料理店に迷わず到着してそこで連絡を取り合って無事に落ち合い、ご自宅へ案内してもらった。

すぐにオーディオルームに案内してもらったところで、まず「夢のオーディオ機器」を紹介させてもらおう。

           

           

           

タンノイ・オートグラフはちょくちょく見かけるにしても、トーレンスの高級レコード・プレイヤー「レファレンス」が2台、それにWE300Bアンプ(いずれもカンノ製、モノラル×2台、2セット)とくると、もうたまらない(笑)。

CDトランスポート(2台)、DAコンバーターの写真は次回の記事に回すが、こんなハイエンドの機器からいったいどんな音が出るんだろう?

以下、続く。

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