「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

1783年のモーツァルトの「音楽会」のプログラム

2019年11月21日 | 音楽談義

図書館から借りてきた「クラシック名曲全史」(2019年10月刊)に目を通していたら、興味深いことが書かれてあったので後日のために箇条書きしておこう。



「1783年のモーツァルトの音楽会のプログラム」

いわば240年ほど前の「音楽会」の演目なので極めて珍しい。

モーツァルトは1789年に35歳で亡くなったので、換算すると29歳のときの演奏会になる。

ウィーンで開かれた演奏会のプログラムの内容はこうだ。

 序曲「ハフナー」交響曲

 オペラ「イドメネオ」よりアリア(ソプラノ)

 ピアノ協奏曲K415(モーツァルト演奏)

 オペラのシェーナK369(テノール独唱)

 「ポストホルン」セレナードの協奏曲楽章

 ピアノ協奏曲K175(モーツァルト演奏)

 

 オペラ「ルーチォ・シッラ」よりアリア(ソプラノ)

 モーツァルトのピアノ独奏

 オペラのシェーナK416(ソプラノ独唱)

10 終曲(序曲の終楽章)

解説によると、当時の音楽会の目玉演目はいつも声楽であり、注目されるのも声楽家たちだった。

1番と10番はオーケストラだけの演奏で、まだ電気も発明されておらず普及していない時代なので1曲目の序曲は開幕のベル代わりであり、最後の10曲目にあたる終曲は終了の合図だった。

つまり交響曲はベル代わりで「前座」のようなものでありコンサートの華は歌曲だった。

以上のとおりだが、おそらく当時の楽器の性能がイマイチだったので歌曲が隆盛を極めたのかな?

ところで、この「音楽会」がはたして宮廷の「王侯貴族向け」なのか、それとも「一般市民向け」なのか、定かではないが、29歳といえば、あれほどもてはやされていた時期とは様変わりしてきて大衆から「彼の音楽は難しくなってきた」と敬遠されだしたころである。

それにしても、ピアノの名手とされていたモーツァルトの演奏ばかりはとうてい適わぬ夢だがぜひ聴いてみたかった(笑)。

ところで彼はヴァイオリンは巧かったのだろうか。珠玉のヴァイオリンソナタ、ヴァイオリン協奏曲などの作品群があるので疎くはなかったと思うが。

 世界でよく演奏される作曲家ランキング

2018年 1位「ベートーヴェン」、2位「モーツァルト」、3位「バーンスタイン」

2017年 「モーツァルト」、「べートーヴェン」、「バッハ」

2016年 「ベートーヴェン」、「モーツァルト」、「バッハ」

結局、これまで言い尽くされているようにクラシックはとどのつまり「ベートーヴェン」「モーツァルト」「バッハ」に尽きるようですよ。

 節度があるモーツァルトの音楽

モーツァルトは父親宛ての手紙にこう書いている。

「情緒というものはそれが烈しかろうとそうでなかろうと、けっして嫌悪を催させるほどまで表現すべきではないし、それに音楽はどんなに恐ろしい有様を描くにしても耳を損なうようであってはならず、そうじゃなくて満足を与え、したがっていつも音楽にとどまっていなければなりません。」

著者曰く、「モーツァルトの音楽の本質がここにある気がしてなりません。モーツァルトの音楽には節度があるのです。

モーツァルトは時代ごとに変わった見方をされてきていますが、それはつまりいずれの時代も自分たちが求めるものをモーツァルトの中に発見しているということです。彼の音楽は相手がどんな角度から求めてきたとしても相手を満足させることができるのです。」

200年以上もの年月をかけて沢山の人々から厳しいふるいを掛けられながら生き残る音楽とはそういうものなんでしょうね~。

この内容に共感された方は励ましのクリックを →      




 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする