「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「真空管・オーディオ活用の奥義」を読む

2019年11月15日 | オーディオ談義

今朝がた起床したときの室温はなんと13度だった(15日)。ちょっと前までは19度だったので急激にダウンしたことになる。

起床時の室温が18度以下だと病気になる確率が高くなるとテレビの健康番組で言ってたのでお互いに用心しましょうねえ。

さて、ときどき、このブログの読者の中で「真空管派」は、いったいどのくらいいるんだろうと思うことがある。

ちなみに自分が付き合ってきた、あるいは進行形の仲間のうち確率的にみて10人中9人までは真空管派である。圧倒的な割合を誇っている。

残る一人にしても使っているスピーカーが低インピーダンスなので仕方なくTRアンプ(マーク・レヴィンソン)を使っているけれど、我が家の音を聴きながら「倍音成分の瑞々しさについてはとても敵わないなあ」と、慨嘆される。

「それほど仰るのなら真空管アンプにしましょうよ」と勧めるのだが、スピーカー自体の魅力というのか、愛着の方が強いようで頑として代えようとはなさらない。それはそれで結構なことだ(笑)。

何が言いたいのかといえば、何ごとも最後は「スピーカー」次第でいろいろ決まってくるということ。

そういうことを前提にしながら、以下述べてみることにしよう。

このほど、図書館から次の本を借りる機会があった。

         

筆者は「真空管愛好派」として有名な「大橋 慎」氏。キット販売で知られる「サンバレー」の社長さんといった方が通りがいいかもしれない。

オーディオ仲間からも好意的な”噂”の方は常々聞かされている。

ざっと目を通してみたが、これから真空管アンプを使ってみようかと思う方には入門書としてとてもふさわしい本だと思った。

たとえば、質疑応答方式も含まれていて非常にわかりやすく、一例を挙げてみよう。

「プリアンプとパワーアンプ、どっちの方が音は変わる?」

解答は少々長くなるがこうである。

「これは当然ながらどちらも音が変わります。しかしながら、まず選ぶのであればパワーアンプだというのが私の考えです。

お客様から「真空管アンプのことをこれから知りたい。使ってみたい」というお問い合わせがあった場合に、私が必ずお聞きするのは「どんなスピーカーをお使いですか?」ということなんですね。

これはつまりスピーカーが決まっていないお客様に最適な真空管アンプを勧めることは極めて難しいということです。

お客様が使っている、あるいは使いたいと思っているスピーカー、聴く音楽のジャンル、音量、部屋のサイズが分かってこそ、選ばれるパワーアンプ=エンジンが決まってきます。

クルマのデザインでいえばこれくらいの大きさで、何人乗りで、だったら〇リッターのエンジンが必要だよね」というようなことですね。

スピーカーはクルマでいえばシャーシサイズ、車格を決める一番重要な要素なのです。そして、そのスピーカーを一番良い状態で駆動するためのエンジンがパワーアンプということになります。

そして、車格とエンジンによって選ばれるトランスミッション=プリアンプもまた変わってきます。

あるいは皆さんがジャズファンなのかクラシックファンなのか、お好きな音楽ジャンルによっても望ましいプリアンプは変わってきます。

クルマでいえば1速、2速の「グーン」という加速感を求めるのか?あるいは3速、4速のゆったりしたスケール感を求めるのか。

前者であれば多極管のアンプになってくるでしょうし、ゆったりした、くつろいだリラックス感を求める後者であれば三極管になってきます。

ですから「どっちの方が音が変わる?」と問われれば「どちらも変わる」というのが答えなのですが、まず選ぶべきはパワーアンプです。

そしてスピーカーとパワーアンプのマッチングからプリアンプが決まってくるという順序が間違いのないパワーアンプ選びと言えるでしょう。~以下略~」

以上のとおりだが、アンプとスピーカーの関係をクルマにたとえてあってとても判りやすい。1,2速の加速感は言い換えると「トルク」というわけですか。

「三極管」と「多極管」の違いについて「トルクが欲しければ多極管、スピードが欲しければ三極管」という考え方に改めて興味を惹かれた。

言い換えると、現在、出力管の世界で一番もてはやされているのは周知のとおり「三極管」だが、けっして万能ではないようですよ(笑)。

つまり「シングル型式の三極管にトルク感を求めるのは無い物ねだり」というわけで、実は我が家のアンプでも思い当たる節があるのである。

以下、続く。

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