いったいいつまで戦争を続けるつもりなんだろう・・、「ロシア・ウクライナ戦争」。
これはロシアが一方的に仕掛けた戦争なのでイメージが悪くなるばかりだが、日本でも終戦時に「日ソ不可侵条約」を一方的に踏みにじって北方領土を占有したのだから、まったく言語道断だね、この国は~。
ドストエフスキーなどの優れた芸術家を輩出しながら、一方で平気で規律を破ってしまう二律背反の国・・、いったいどうしてこんな国が出来上がったのだろう。
その深層構造とは・・、な~んて大上段に振りかぶってみても、浅はかなブログ主の手に余るのは必定(笑)。
そこで、少し手掛かりになる本がある。
「ロシア人しか知らない本当のロシア」(日経新聞社)の中にある「ロシア人の寿命が短い理由」だ。
「ロシアの人口は1993年をピークにずっと減少傾向にある。その要因だが出生率低下という先進国共通の問題だけではなくアフリカ並みの異常に高い死亡率が挙げられる。
何しろロシア人の平均寿命は男性がおよそ59歳、女性が72歳で日本と比べると短命ぶりが際立っている。
1965年から40年間の間に日本人男性の平均寿命は10歳延びたがロシア人男性は逆に5歳短くなっている。
高死亡率の原因は一概には言えないがアルコールが原因の一つである。
一人当たりの年間消費量は英国と並ぶ水準だが英国はビールが主流なのに、ロシアはウォッカなどのスピリッツ(蒸留酒)が70%超でアルコール度数が高い酒の大量摂取が心臓疾患、肝硬変の要因になっている。離婚率の高さにもアルコール中毒が反映されている。
ソ連解体後の社会・経済的な混乱に伴うストレスからの逃避による飲酒、それと「ウォッカが安すぎる」ことも一因とか。」
要約すると以上のとおりだが、あの広大な国土に日本と同じくらいの人口というのが驚きだが、何といっても男性の平均寿命が日本とは25歳ほど違うというのは驚きである。
自分などはロシアに生まれていればとっくの昔に「お陀仏」なので、一層身につまされてしまう。
本書は女性の視点から書かれたものなのでアルコールの摂取に厳しい見方をしているが、ああいう厳寒の地では皮下脂肪に恵まれた女性は別として男性には酷だと思う。
アルコール摂取という高いハードルを前にしてロシアにおける高死亡率改善の難しさが伺えるところだが、こういう状況を踏まえてロシアの男性は「短命」に対してどういう人生哲学を持っているのだろうか。
厳寒、荒涼たる大地などの厳しい外的要因と否応なく短く終えてしまう人生を前にすると、「今が良ければいいさ!」という刹那主義の蔓延からくる順法精神の無さも「仕方がない」という気になりませんかね~(笑)。
あっ、そうそう、ロシアの「順法精神の無さ」について、格好の事例を思い出しました。以前「メル友」さんから次のメールをいただいたことがあります。
「音楽売り上げでロシアが圏外の理由について考えてみました。
最近無料(合法)のハイレゾ音源を探しては試聴に活用しています。
するとロシアには音楽ファイルをダウンロードできる違法サイトが沢山あることに気づきました。
アメリカや日本は著作権管理がしっかりしているので違法サイトはありません。ロシアはスポーツのドーピング違反に見られるように国自体に順法意識に欠けるところがあり、そのことが音楽ファイルの違法サイト横行の根底にあるような気がします。
更には著作権料の問題もありそうです。ロシア発の著作権料を見込めそうな音楽は意外と少ないのではないでしょうか。
クラシックは続々と著作権の切れるものが出てきますし、ロシアの現代音楽で国際的に有名なバンドは殆どありません。ロシアではどんなにCDが売れても著作権料の殆どは国外にいってしまう現実があります。
それゆえ国としても違法サイトの取り締まりに力が入らないのではないでしょうか。」
そういうことなんでしょう。
つまり、短命からくる「今が良ければいいさ!」という刹那主義の蔓延に諸々(もろもろ)の深層が隠されている・・、翻って日本の比較的穏やかな「順法精神」も世界有数を誇る「長寿」に起因しているのかもしれませんね。
クリックをお願いします →