「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

「音楽&オーディオ」の異文化の接触~音楽編~

2019年11月04日 | オーディオ談義

このところ、連日更新を続けてきたブログだが、昨日(3日)は原稿が間に合わずやむなく休止。何だか無断欠勤したみたいで非常に心苦しい1日だった(笑)。

それでは前回からの続きです。

「観光」という言葉は「国の光を観る」に由来しているが、訪問する側と受け入れる側のそれぞれの「異文化の接触」から成り立っている。

およそ2年ぶりに高校時代の同級生たち(3名)が集まって開催した試聴会だったが、それぞれに異なる「音楽&オーディオ」観の接触を通じてとても得るところが大きかった。

まず、仲間が持参してくれたCDが半端じゃなかった。全部で13枚あってうち12枚がクラシックでジャズが1枚。

   

日頃から純粋に音楽が好きで好きでたまらない仲間たちが日常とは違うシステムから出る音を聴いてみたいという目的以外の何物でもなかった。

したがって、進行のスタイルは、これらCDのさわりの部分をそれぞれ聴いていきながら、曲想に合いそうなスピーカーをとっかえひっかえ聴くというものだった。

当方が考えていた「順番の思惑」なんぞは問題外の取り越し苦労だったが、その代わり4台のスピーカーの入れ替えが激しかった。

バナナプラグのおかげでいとも簡単に成就できたが、まさにこれぞ、「スピーカー転がし」!(笑)。

CDはどの曲目も素晴らしかったが、特に全員が感銘を受けたのは「悲愴」(シノーポリ指揮)、「無伴奏ヴァイオリンソナタ」(五島みどり)、そしてシューベルトの「4つの即興曲D.935作品142」(マリア・ジョアン・ピリス)

次に、仲間たちの間で交わされた会話を記憶の範囲内でアトランダムに抜き出してみよう。

 「ずっと以前にシノーポリ指揮の「悲愴」を生で「アクロスホール」(福岡)の前列2列目で聴いたけど、3楽章から4楽章に移ってそのあまりの落差に急に涙があふれ出てきて止まらなかったよ」と「O」君。

そういえばずっと以前にご訪問させていただいた「とある音楽愛好家」が「悲愴を聴いて人生観が変わりました」と仰っていたが、このことを指していたのかもしれない。

たしかにCDのシノーポリの「悲愴」には大いに心を打たれた。

 (今回のCD群はシューベルトの作品が圧倒的に多かったが)彼の音楽には老人の心をひっそりと癒してくれる優しさがあると絶賛だった。「冬の旅」はちょくちょく聴くのだが、もっと聴かねば・・・。

 ピリスはモーツァルトもいいけどシューベルトも素晴らしい。彼女の演奏には何よりも「音楽心」がある。稀に見るピアニストなのに引退表明するなんて実に惜しい、淋しい、悲しい!        

以上のような話題が中心だったが、12枚のクラシックCDの試聴が一通り済んでから、仲間の一人がやおら取り出したのがアン・バートンの「HQCD」(ハイクォリティのCD)。

   

何と1枚が「16、000円」もする希少盤で、なぜ高価かというとレコードのダイレクト・カッティング時に同時に録音されたもので、76センチのテープ・スピードによって作成された特別製の材質によるCDだから。

たしかに音がナチュラルで素晴らしかった!

持ち主のU君が「照明を薄暗くしてウィスキーをちびりちびりやりながら聴くとたまらないんだよねえ。ヨーロッパ人独特の英語の発音が気に入って、3年越しにようやく見つけたCDで高かったけど思わず飛びついたよ。もう今では手に入らないと思うよ。」 

ボーカルの再生は比較的小型の「フルレンジ」に限ると思っているので最初にJBLの「LE8T」で聴き、次に「AXIOM80」で再生。ご一同さん、ゾッコンだったのは言うまでもない(笑)。

そうこうするうちに4時間半ほどの時間があっという間に経った。

いやあ、楽しかったですねえ・・・。

余韻冷めやらぬままに、「よかったら、これらのCDを置いていってもらうわけにはいかないかなあ。2~3日内に返送するからさあ、ねえ・・・」(笑)。

すると心優しき仲間たちが「ああ、いいよ~」。

外野席から「2~3日置いてどうすんだ?」という声が聞こえてきそうだが、そんな野暮なことはどうか訊かないで欲しい(笑)。

あとは、河岸(かし)を代えて居酒屋へ。2週間前から断酒していたので久しぶりのビールと麦焼酎だったが、やっぱり旨かった!

3時間半ほどの時間の話の中心はお互いの近況報告でオーディオの話はいっさい出なかった(笑)。

最後に、昨日(3日)仲間の一人からメールが届いたので紹介させてもらおう。

「お世話様になりました、充実した一日を過ごせました!

行きとは違い、帰りは渋滞も無くほぼ定刻通りに、三人組は無事帰り着きました。

今回は“スピーカー転がし”の楽しさを満喫させてもらいました。

ウェストミンスターBOX、ラッパと共に、音楽歌唱付きの動く西洋絵画とも云えるオペラ楽劇の前奏曲を、眼前で聴く(観る)ような迫力(想い)でした。

U博士殿が持参されたアン・バートンのCD(¥16、000!)で聴く、JBL20センチフルレンジとAXIOM80。

クリアーで歯切れが良いJBL、反応が速く独特(‥と言っていいのかな?)の音色のAXIOM。

どちらも素晴らしい!このCD音源にピッタリでしたね。

中でも、AXIOMの魅力には再認識(‥と言うより初めて?)させられました。

拝聴中に感じる幸福感と至福感!これは病み付きになりそうだなぁ~!。実力を思い知らされました。

拝聴後の酒席共々楽しい一日でした、有難うございました。」

当方もメチャ楽しかったです!またやりましょうねえ。

「友あり、遠方より来たる、また楽しからずや」(論語)

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