このところ敬遠しがちなのが「文庫本」、なぜかといえば字が小さいので目が疲れて困る~。
それでも作者が「東野圭吾」さんとくれば、どうしても読みたくなる。
手前に置いてある「老眼鏡」にお気付きだろうか。そう、文庫本を読むために「100均」で購入しました(笑)。
この3冊の中でいちばん面白かったのは「ダイイング・アイ」だった。
東野さんにしては珍しく濃厚な「性描写」があったが、それが気にならないほど謎解きのストーリーに嵌ってしまった。
「犯人のいない殺人の夜」は短編集だったが出色はそのうちの一編「小さな故意(恋)の物語」で最後に明かされるのがあっと驚く真相・・、これはドラマ化されており「甘酸っぱい青春の香り」がいっぱいに漂ってたいへん秀逸でした。録画して、いまだに消さないまま保存しています。
主演は「三浦春馬」で、4年ほど前に自殺しましたね。超イケメンでカッコよくて前途洋々だったのになぜ?
「人心は測り難し」(史記)
そして、「老眼鏡」は疑いようがなく効果あり・・、目が疲れなかったのはありがたい。
そして、もう一冊。
☆ 「最高齢プロフェッショナルの教え」
漫画家、パイロット、ギター職人など、「その道」を極めた最高齢のプロフェッショナルたち15名の人生哲学を収録した本だった。
最高齢というだけあって、年齢的にも最高が103歳、90歳代が5名、80歳代が7名と後期高齢者が大半を占めるが、さすがに、並外れた苦労を実際に積み重ねて来られた方々だけに、その人生観も浮ついたものがなくズシリと胸に響いてくるものがある。
いずれの方々ともに、若い頃に人生設計とかの細かい計算をせずに、ただ「無我夢中になって打ち込む」、「人との出会いを大切にする」、「破天荒とも思える冒険をする」、そして「結果なんて後からついてくる」という前向き思考が共通点だった。
ブログ主には、たいへん身につまされます~(笑)。
また男性陣は年齢からして若い頃に「兵隊」にとられた方が多くて、あのときの理不尽な鍛われ方に比べると、どんな苦労だって ”へっちゃら” という言い方が目に付いた。
こういう「たくましい」人たちの話に触れると「自分はマダマダ甘い」とツイ反省してしまう(笑)。
一番興味を惹かれたのは「ギター職人」の「矢入 一男」氏。
「ヤイリギター」の創設者で、これまでギターのブランドには疎くて「ギブソン」ぐらいしか知らなかったが、「ヤイリギター」は海外の著名人も使っているブランドと初めて知った。
コメントの中にこういう行(くだり)があった。
「そのへんの安いギターは丈夫な合板でできています。でもヤイリギターのもとになるのは、天然の木そのままの無垢材です。そうなると、いい音で鳴るギターを作る以前に、壊れないギターをつくることが問題になります。」
「壊れないということは丈夫だということだ。しかし、丈夫だということは、ギターがよく鳴らんということでもあります。そこで試行錯誤しなけりゃならない。いい音で鳴る繊細な”つくり”をしていて、しかも壊れないギターが目標です。」
ポイントは「丈夫さ」と「いい音」とは基本的に両立しないことが当たり前のこととして実体験的に述べられていること。
楽器とスピーカーは似たようなものなので、これは何だかオーディオにも通じるような話。
たとえば許容入力が大きくて、まるで工業製品みたいな頑丈なユニットからは大味な音しか出てこない。
したがって「丈夫さ」と「繊細な音」の両方が簡単に手に入ると考えるのは間違いで、このあたりは「オーディオの盲点」ではなかろうか、とさえ思う。
その点、「我がAXIOM80は・・」、なんて書き出すと「我田引水」となって読者から嫌われるだけなのでこの辺で打ち切り~(笑)。