「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

オーディオにおける「失敗の本質」~その1~

2019年09月29日 | オーディオ談義

先日のブログ「推敲という言葉の由来」(2019・9・12)で話題にした経営学者「野中郁次郎」氏の「私の履歴書」(日経新聞)掲載の件だが、ようやく名著「失敗の本質」に関わる待望のエピソードが記事に登場した。

                           

おそらく多数の読者におかれては、そんなことにいっさい興味が無く「ふん、それがどうした!」という姿勢だろうが、まあ聞いてほしい(笑)。

記事の一部を引用しよう。

「(アメリカから)日本に帰国し、日本企業のケーススタディを積み上げていく中で心に引っかかっている点があった。

取り上げるのは主に成功事例であり、それはそれで意義があるが、失敗の事例も研究対象にしなければ一面的になると考え始めた。

物語にはロマンスや冒険劇、喜劇も悲劇もある。成功物語と失敗物語は表裏の関係にあり、どちらの側面から本質をえぐり出せるかというと、実は失敗事例の方が面白いのではないか。

そう思って企業にアプローチしてみるものの、協力を得るのは難しい。自社を失敗事例として取り上げられるのを嫌がるのは当然の反応である、

しかも、企業が成功したのか、失敗したのかを見極めるには時間がかかる。企業は栄枯盛衰を繰り返し、今ここでは勝っているように見えるが、実は負けている場合もあるし、その逆も有り得る。

そんな話を富士電機製造の奥住高彦さんにすると、「企業の失敗事例を調べるのは難しいだろうが、日本軍の失敗の研究ならできるのじゃないか」という。思いも寄らない助言が返ってきた。

たしかに戦争は短期間で勝敗が決するので本質をつかみやすい。「日本はなぜ負けたのか」をきちんと整理しておきたいという研究への意欲が湧いた。

「戦争の研究をするのに役立つデータベースは防衛大学校にあるのではないか」ということで・・。以下~略~。

以上、これを契機として野中氏は防衛大学校へ教授として迎えられ、あの名著が誕生することとなる。

それはさておき、物事の本質は失敗事例に現れやすいとはよく聞く話である。

数年前だったか、このブログでも若干のオーディオの失敗事例を挙げたところ、読者からメールが届いて「どしどし失敗事例を紹介してください」。

そう言われてもねえ、年から年中失敗するわけにもいかないし(笑)~。

まあ、人間というのは他人の成功事例よりも失敗事例を喜ぶものと相場が決まっている。いや、悪い意味じゃなくてどうも失敗事例を聞いて「自分は同じ轍を踏むまい」と心がけるようなのである。

その一方、成功事例を聞いて自分もその通りにやろうとする人は少ないようだ。

なぜなら(成功事例の中では)多分に「運」に左右される要素も無視できないし、そもそも「人真似は嫌だ」という思いが強いのではなかろうか。

             

そのことを裏付ける例として、東大名誉教授の「畑村洋太郎」氏の「失敗学のすすめ」によると、講義中に学生たちが成功談にはあまり興味を示さないのに、失敗談となると途端に目を輝かせて熱心に聞きふけるという話が出てくるがまことに現金なものである。

それではいよいよ本題に入って、これにあやかりながら我がオーディオにおける「失敗談」を述べてみましょうかね。

これまで50年前後におけるオーディオ歴の中で、小さな失敗から大きな失敗までそれこそ数知れず「血(お金)と汗と涙」を繰り返し流してきたが、どれだけ「失敗の本質」に近づけるか未知数だけど、いちおうチャレンジしてみるとしよう。

成功談となると「たかが自分ごときが」と、引っ込み思案になるが、失敗談となると世間様に許してもらえる気がするがいかがでしょう(笑)。

以下、続く。

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