1週間前のことだった。「アレっ、AXIOM80がありませんね!」と、部屋に入るなりオーディオ仲間が残念そうに呟いた。
「ええ、そうなんです。ときどきあの独特の神経質さが”鼻につく”ことがあってこのところ休養させています。そもそも(本格的な)低音が出ないスピーカーなんですが、それでもお好きなんですか?」と、わざと詰め寄ってみせた(笑)。
「いや、低音が出なくてもあの濡れたようなヴァイオリンの音色はちょっと捨て難いですよ」と、強く抗弁する仲間。
軌道修正を図るうえでも、やっぱり耳のいい仲間の応援はありがたいもんですな(笑)。
この日は、冒頭の画像のように久しぶりにAXIOM80から入れ替えた同じグッドマン製の「トライアクショム」(口径30センチ:同軸3ウェイ)とJBL「D123」(口径30センチ)の2ウェイを比較試聴していただいた。
試聴盤は名花シュワルツコップの「4つの最後の歌」(R・シュトラウス)。
稀代のクラシック通の作家「百田尚樹」さんの「人生を変えた名曲」のうち堂々と「ベスト1」に輝いた曲目である。
「ヨーロッパ音楽が最後に行き着いた至高の名曲」だそうで、「さすが百田さんだ」と思わず唸った。
けっして上から目線で言うのではなく、「クラシックを心から愛し、十分に聴き込んだ人にだけわかる良さがある」とだけ言っておこう。
さて、本題に戻って、この名曲をじっくりと両方のスピーカーで聴き比べた結果、軍配は「トライアクショム」に上がった。
「JBLもいいんですが、音の品格がまるで違いますね。まさに貴婦人が歌っている感じです」と、仲間。
ウ~ム、やっぱりそうですか・・・。
オーディオ・サウンドの最後の決め手は「音の品格」だといつも思っている。
「品格って何?」と問われても困るが、具体的に言葉では表現できない「佇まいのようなもの」としか言いようがない。まあ、雰囲気というか・・。
ほら、人間の品格についても言葉では具体的に言い表せない「人品骨柄卑しからぬ人」という抽象的な表現があるじゃないですか。
いずれにしても「恐るべし、トライアクショム!」
同軸3ウェイによる周波数レンジと音像定位が一体となった見事さは実際に聴いた人じゃないと分からないと思う。とりわけボーカルでは無類の強さを発揮するようで歌手の口元の開き具合が手に取るように分かるんだから~。いや、けっして大袈裟じゃなく・・(笑)。
2時間ほどあれやこれや聴いていただいたが、これが本日一番の収穫だった。
仲間が去ってから、”まんじり”ともせずにしばし沈思黙考に入った。
テーマは「AXIOM80の復活」と「トライアクショムの活用」について。
翌日は早朝からごそごそと動き回った。SPユニットの入れ替え作業である。ほんとに好きだねえ(笑)。
2時間ほどで済むはずの予定が、バッフルとユニットのネジ穴が合わないハプニングがあったりして、とうとう半日ほどかかった。
これで「AXIOM80」の復活、そしてJBLの「D123」から「トライアクショム」への入れ替えが成就した。年内ぐらいは「D123」を持たせるつもりだったが突然の計画変更でまことに申し訳ないと、心の中でそっと謝った(笑)。
そして、グッドマンの指定箱(オリジナルのARU付き)に入った「トライアクショム」がさらに真価を発揮したのは言うまでもないが、「1.5センチの薄板」に容れていたときよりも明らかにボンつきが減ったのには驚いた。
「薄板」の許容範囲となると、AXIOM80並の口径25センチくらいかな~。
なお、相性の良いアンプの実験では「6098/6AR6シングル」で決着。
これは「黄金の組み合わせ」かもですねえ、しばらくはこれで行くとしよう(笑)。
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