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「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

このアンプはこんな音でしたかね?

2019年09月04日 | オーディオ談義

前回からの続きです。

レコードに変わってCDが登場したのは1980年代初頭だが、それ以降、「プリアンプ不要論」が台頭したが、はたして(プリアンプが)あった方がいいのかどうか、延々と論争が尽きない課題に対して、仲間を交えての実験(8月31日)は実に楽しかった。

結論から言えば、我が家の「ウェストミンスター」(改)では、プリアンプ無しの方に軍配が上がった。「音の鮮度が違う」というのが一番の決め手である。

その反面、ややコクがないというのか素っ気ないサウンドと言えないこともないが、その辺は大きな箱の響きがカバーしてくれているようだ。

そして、前回予告していたようにこのプリアンプ無しの状態でエース級の二つのアンプのどちらがスピーカーと相性がいいのか一騎打ちをやってみた。

まずは「WE300Bもどきの出力管」シングルアンプで実験。テスト盤は低音域が充実していないと聴けないオペラ「マクベス」(ヴェルディ)だ。

   

   

お互いに無言のままで20分ほど試聴した後に仲間が開口一番「このアンプはこんな音でしたかね?」

「エッ」と一瞬、虚をつかれた思いがして、はじめはネガティブに受け止めたのだが、言葉を交わすうちにどうやら誉め言葉だと分かった(笑)。

音の鮮度といい、分解能といい、シャープな音像といいこれまでの印象をすべて覆すような音らしい。

「プリアンプ無しの効果もたしかにありますが、あれからインターステージトランスを挿入したり、前段管には「MH4」(マルコーニ:メッシュプレート)を起用したことも無視できないかもですね」と、応じた。

次はクラシック向きで定評のある「PP5/400シングル」アンプの出番。

   

こちらは10分ほどの試聴に終わったが、仲間が「いずれも甲乙つけ難しですね。シャープさは300Bの方が上ですが、雰囲気はこちらの方が上手です。低音域の迫力となると互角でしょう。」

アンプの選択肢の数が増えることは非常にありがたいことなので、耳のいい仲間の言葉にまずはひと安心(笑)。

実はセパレートアンプの優位性でもって「300Bアンプ」の勝利を予想していたのだが、「PP5/400」の健闘に胸が熱くなった。

プリアンプ無しだと一段と冴えわたってきて、これまでの(プリアンプとの)相性がイマイチだったことがよくわかった。強いて好みでいえば、ジャズなら「300B」アンプ、クラシックなら「PP5/400」アンプに色分けしたいところ。

無事、実験を終えてメデタシ、メデタシだったが、仲間が「今度はぜひAXIOM80をプリアンプ無しで聴いてみたいのですが・・」

「ハイ、お安い御用ですよ」

そこで、第二系統システムの出番となった。構成は次のとおり。

CDトラポ「ヴェルディ・ラ・スカラ」(dCS) → DAコンバーター「エルガープラス」(dCS) → パワーアンプ「6098シングル」→スピーカー「AXIOM80」

試聴の結果「ボーカルなどの小編成のジャンルを聴くときはやはりAXIOM80の方が断然いいですね。しかし、こちらの方はプリアンプ無しだと何だかおとなしくて、こじんまりとした感じの音になりますね」

「そのようですね、一つのスピーカーで大編成も小編成もハイレベルでこなすのはハッキリ言って無理だと思いますよ。それにしても、この場合はプリアンプがあった方がいいようですね」

というわけで、端的に言えば我が家のケースでは箱が小さいときはプリアンプを使い、箱が大きいときはプリアンプ無しがいいという結論に落ち着いた。


結局、ありふれた結論で「大山鳴動して鼠一匹」かな(笑)。

ところで、話は戻って「ウェストミンスター」を聴いていた時のこと、無音時に右チャンネルからジジッという微かなノイズが発生する。

プリアンプを経由していたときには聞こえなかったのでおかしいなあ。

そこで、「175ドライバー」に近寄って仔細に点検したところ、マグネットの部分に「8000ヘルツ」でローカットするためのネットワークのコイルが近接していた。

「百聞は一見に如かず」で画像をご覧になっていただくとよくわかる。

    

青い線は「銀線コード」だが、画像のように「銅線コイル」をやや離してみたところピタリとノイズが止んだのには驚いた。

どうやら「175」の強力なマグネットによる磁界が悪さをしていたらしい。

磁界は目に見えないだけに始末が悪いが、プリアンプ使用時にはノイズが目立たなかったので(プリアンプは)「ノイズキャンセラー」の役割も果たしていたようだ。

「清濁併せ飲む」のもいいが、裏を返すとそれだけ音の管理が大雑把だったことになる。

オーディオは実験をするたびに新たな発見があり、もう毎日が忙しくてまったく退屈しない(笑)。     





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