CD番号 EMI CDS 7 47951 8(3枚組)
収録年 1981年
評価(A+、A-、B+、B-、Cの5段階評価)
総 合 A+ 穏やか、温かくて華やかなメルヘンの世界
指揮者 A+ ベルナルト・ハイティンク(1929~ )
管弦楽団 A- バイエルン放送交響楽団
合唱団 A- 同合唱団
ザラストロ A- ローランド・ブラット
夜の女王 A+ エディタ・グルベローヴァ
タミーノ A- シーグフリード・エルサレム
パミーナ A- ルチア・ポップ
パパゲーノ A- ウォルフガング・ブレンデル
音 質 A+ ホール・トーンが豊かで聴きやすい
”聴きどころ”
☆夜の女王役グルべローヴァの卓越したコロラトゥーラ
このハイティンク盤は現在、国内では在庫切れで入手できない。
この魔笛は昔からDATテープで聴き馴染んでいたのだが、今回の視聴に当たり是非ともCD盤が必要となりオークションに参加して、かろうじて落札させてもらった。(’06.8.26落札)
在庫切れを知っている方が多いとみえて通常、魔笛盤の入札としては考えられない26件参加の大激戦だった。この数字に全国的に魔笛ファンの根強い存在が伺えて、何だかうれしくなった。なお、これは輸入盤だった。
なんといっても、史上最高との評価が高い夜の女王役の大本命グルベローヴァが注目されるが、先入観なしで聴いても、コロラトゥーラ・ソプラノを楽々とこなす安定度は抜群だった。安心して最高音(ハイF)が聴ける。ドイテコム(ショルテイ盤)とはややタイプが違うようだが、いい勝負になりそうでこれは好き好きになるのだろう。
パミーナ役のポップは17年前の♯6のクレンペラー盤では夜の女王を務めていた。実に息の長いソプラノ歌手だが、衰えを感じさせない好演だった。
そのほか、ザラストロ、タミーノ、パパゲーノ役いずれも好演。
優等生タイプの穏やかな魔笛といったらよいのだろうが、それでいて劇的な緊張感も感じさせる。その意味では♯10のサバリッシュ盤と実に良く似ている。
ハイティンクは1978年のDVD盤と比べてずっとこちらの方が良い。取り立てて欠点のない非常に好感の持てるバランスのとれた魔笛だった。